写真=本人提供/Laundry Box

『パッドマン』というインド映画をご存知でしょうか?

インドでは高価で手に入りにくかった生理用ナプキンを、国内で安価に手に入りやすいように研究・開発した男性の実話を元にした映画です。

生理について話すことすらタブーとされていたインドで、愛する妻のために、そしてインド国内の女性たちのために、衛生的なナプキンを作り啓蒙していくことは、あらゆる波乱を巻き起こしますが、そんな社会を変えようと奮闘し続ける主人公の姿に思わず涙し、勇気づけられました。(ちなみに、英語では生理用ナプキンを”Pad”と表すので、『パッドマン』というタイトルです)。

私はこの映画を、パートナーと一緒に観に行きました。「大事なテーマなのにシリアスになりすぎず、エンターテインメントとしても面白かった!」と彼も絶賛。

日本では、生理について話すことはタブーではありませんが、特に私が10代のころは何となくまだ生理について話すことは恥ずかしいイメージがありました。

しかし、友達はもちろん、パートナーと生理についてフラットに話し合えることは、お互いに快適に過ごすためにも大事なこと。

生理は「恥ずかしい話」ではなく、「体にまつわる大切な話」であることを、女性だけでなく、男性も知ることは、次世代の子どもたちにとってより良い社会を作り上げていくことに繋がると思います。

最近では、正しい性教育について発信する助産師YouTuber・シオリーヌさんや、偏見のない性教育を子どもたちに教えるための書籍がSNSで話題になったり、大人になってあらためて性教育の知識を学ぶ重要性を意識する人が増えてきている印象です。

生理とどう向き合ってる?

写真=本人提供/Laundry Box

パートナーや妊娠の有無にかかわらず、自分と生理の付き合い方について、あらためて考えてみたり、誰かに話してみたことはあるでしょうか?

特に近しい関係性を築くパートナーに理解してもらうには、まず自分を理解し、伝えられるよう準備しておくとスムーズです。

生理は人それぞれ異なる

生理痛の痛みは人それぞれ。同じ人でも変化しうるものでもあります。

私も以前は「生理痛って何?」と思うほど何も感じなかったのですが、あるときから生理痛の何たるかがわかるようになりました。

生理痛のほか、出血量やPMS症状の現れ方も、人によって、また同じ人でも月によって異なるので、

「私がこうだったから、◯◯さんも同じ」

「◯◯さんがこうだったから、△△さんも同じ」

と言えるものではありません。

男性は特に、生理が体にどんな影響をもたらすのかを実感できないからこそ、言葉で状況を伝えたり、「今日の生理の痛みを例えると、こんな感じ!」と、言葉ではなく体を使ったオーバーアクションで痛みを表現することも伝わりやすいです。

生理のときは、体調変化が起きやすい

例えば私の場合、通常の元気なときなら何時間でも動き回れるものの、生理のときは「外出しよう!」と思って出かけても、途中で具合が悪くなり「カフェで休みたい…」「早く帰って横になりたい…」と思うことが多くなります。

だからそんな日は「出かけたいけど、生理だから、遠くに出かけるよりも近場でのんびりしよう」とパートナーに話し、ゆっくり過ごせるスケジュールを組みます。

慣れてくると、「今日は生理だから…」と話すだけで「ああOK、じゃあゆっくりしようね」と言ってくれるようになり、パートナーの優しさを感じました。

自分にとって何が必要かを伝える

生理のときは、パートナーが優しさのつもりでアイスを買ってきてくれても、「ちょっと今は冷たいものよりも温かいものが欲しかった…。ごめんね」と言うことや、レストランに行ってもボリュームたっぷりのメニューが食べきれない…ということも起きます。

写真=本人提供/Laundry Box

そんな気持ちのすれ違いを防ぐためにも、あらかじめ必要なことと避けたいことなどを伝えておくと、お互いのためになります。

あくまで私の場合ですが、例えば…

必要なもの(嬉しいもの)

  • お腹を温めるためのカイロ(私はレンジで温める『あずきのチカラ』を使っています)
  • 鎮痛剤
  • 休憩できる静かな環境
  • 1人でゆっくりすること

避けたいもの(嬉しくないもの)

  • アイスやかき氷など体を冷やすもの
  • 騒がしい環境
  • 油っぽいものやヘビー・ボリューミーな食べ物(私の場合ですが、生理前は甘いものが欲しくなっても、生理中は食欲が落ちます)

こういったことを繰り返し伝えていくことで、私にとっての生理がどんなものなのかを彼が理解してくれるようになりました。

例えば、私がよく鎮痛剤を使うことを知っているので、鎮痛剤がなくなりそうになったら何も言わなくてもドラッグストアで買ってきてくれたり、つらそうにしていると温かいお茶を入れてくれたり、横になっているときにカイロを温めてきてくれたり…。

もちろん、私は毎回感謝を伝えています。そういった些細な優しさと感謝の繰り返しが、パートナーとの絆を深めることにも繋がりました。

大丈夫!と嘘をつかない

いちばん大事なのは、体調が悪いのに無理をして「大丈夫!」と言わないこと。

相手に気を遣わせないよう隠したり、「つらくてもいつも笑顔でいよう!」などと無理にポジティブ思考でいることが、かえって自分をつらくさせたり、パートナーに不安や不快感を与えてしまうこともあります。

いざ生理になったときに話し合うと体調的に負担になることもあるので、普段からこういった話をフラットに話し合える関係性を築くことも大切です。

「しんどいときにはしんどいと言える関係」が本物の信頼関係に繋がるはず。

とつぜん生理の話をするのは難しいという場合は、「面白いインド映画をオススメされて…」と、冒頭でお伝えした映画『パッドマン』をカップルで一緒に観ることもおすすめ。

生理など自分の体を大切にすることは、カップルとしての関係性を大事にすることにも繋がるのではないでしょうか。

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