医療用の漢方製剤などを発売する株式会社ツムラが、3月8日の国際女性デーを前に10代〜40代の生理を経験したことのある6000人と、全国の男女15,000人を対象にして、生理とPMSに関する本音と理解度の調査を実施した。
ランドリーボックスでは、調査結果を一部抜粋して紹介する。
生理痛やPMSのつらさを伝えず我慢してしまう理由は、「表現しにくい」「わかってもらえない」「我慢するものだから」
調査では、生理痛やPMSでつらいときに周りの人に伝えるかと聞くと、約半数の49.8%が「伝えない」と回答。
「伝えない」と回答した人にその理由を聞いたところ、最も多かった回答が「症状やつらさを表現しにくいから」が27.9%で、 そもそも生理特有の症状を表しづらいことを理由とした回答が目立った。
また、そのほかにも「我慢するものと自分が思っているから」が22.7%、「人に言うべきではないと思っているから」が20.6%など、未だ当事者のなかには生理をオープンにすることへ抵抗感があることが明らかになった。
生理痛やPMSの症状を理解してもらえなかった経験
実際、約6割の人が生理痛やPMSの症状を周囲に理解してもらえずにつらい経験をしたことがあると回答。具体的なエピソードを聞いたところ、「身近な人にわかってもらえない」「我慢が当たり前だと思っている」「信じてもらえない」など切実な声が寄せられた。
身近な人にわかってもらえない
- パートナーに、排卵痛や腰痛、頭痛、腹痛がひどいときも、仕方がないことだと言われてしまう(36歳 埼玉県)
- 警察官のため、仕事柄、我慢しないといけなかった(事案に対応できる人がいない、男性ばかりの職場など)(36歳 広島県)
- PMS自体を知らない人が多い。個人差が大きいので、女性同士でもわかってもらえない(40歳 埼玉県)
- 風邪などの病気由来の体調不良だと休ませてもらえるのに、生理が原因だと休むことを渋られる(40歳 徳島県)
- 生理痛がひどくてうずくまっていると、夫に「大丈夫?」ではなく「薬飲んだの?」と言われ、理解されていないと感じます。年齢が高い世代ほど生理の話はタブーになっているので、理解不足だと感じる。小さい頃から生理のことを話している息子は「大丈夫?何かできることある?」と言ってくれます (46歳 神奈川県)
我慢が当たり前だと思っている
- 中学生の頃、生理痛がひどかったため「体育の授業を休みたい」と女性の体育の先生に伝えたが、「みんな我慢している」と言われて授業を休ませて もらえなかった(23歳 滋賀県)
- 学生の頃、PMSでしんどかったため学校を休みたかったのですが、父親に「社会人になったら休めるものじゃないから学校へ行け」と言われ無理やり行ったものの、体調不良で早退となってしまい、帰ってからは根性がないと説教されたこと(28歳 愛知県)
- 本当に痛いのに、「甘えるな」と言われた(33歳 京都府)
信じてもらえない
- 痛みもあり、不安定になってイライラしてしまうけど、周りはまたか…という空気になるときがある(39歳 鹿児島県)
- 女性の上司に生理痛がつらいという話をしたが、全く取り合ってもらえず、「それで休憩とるつもり?」と言われた。わからない人には話をする方がしんどくなるので、もう女性であっても話さないで我慢する方がマシと思うようになった(40歳 大阪府)
腹痛や腰痛といっても不調の感じ方もさまざま
では、毎月の生理を経験する人はどのような症状を抱えて過ごしているのだろうか。
PMSや生理に伴う症状は人それぞれだが、生理前および生理中に感じる症状でもっとも多かった回答は「腹痛」の71.3%。次いで、「腰痛」が55.8%、「イライラ感」 が55.6%、「頭痛」が45.9%、「眠気」が44.4%だった。
また、頭痛・腰痛・腹痛といった身体的な不調や、精神面での不調をより細かく聞いたところ以下のように不調への感じ方もさまざまだった。
「生理」への理解が約6割に対して、「PMS」への理解は約3割
次に、男女計15,000人(男性7,615人、女性7,385人)を対象にした生理やPMSへの理解度の調査結果を紹介する。
調査では、男女ともに生理よりもPMSへの理解が低いことが明らかになった。具体的には、生理の仕組みについては全体の約6割、男性では41.1%、女性では86.1%が「理解している」 と回答した。一方、PMSについて「理解している」と回答したのは、全体の約3割にとどまり、女性では54.0%、男性では16.8%だったという。
学校で教わる「生理」、自分で情報収集する「PMS」
また、生理とPMSではその理解に差があることが分かったが、生理について学んだのは「小学校での教育」(45.1%)や「中学校での教育」(32.3%)と、学校で学んだ人が多かった。
その一方で、PMSについての学びは「小学校」(5.6%)、「中学校」(6.5%)と、学校で学んだ人は少数だったという。加えて、PMSに関する知識は「WebやSNSで自分で情報収集した」が20.5%と、男女両方に開かれている学校での教育をしのぐ結果となった。
全体の約6割が「生理やPMSを話題にすることはタブーではない」と回答し、明るい兆しも
調査では、生理やPMSに伴う症状について、全体の52.2%が「知識がないと思う」(男性57.2%、女性47.2%)と認識していることが明らかになった。また、全体の62.6%(男性59.4%、女性65.9%)が「生理やPMSについて対話する機会がない」 と、男女とも同程度に感じていることが分かった。
しかしその一方で、生理やPMSを話題にすること自体、約6割の人が「タブーではないと思う」 (61.2%)と回答したという。男性でも約半数以上が「タブーではないと思う」と回答し、生理やPMSに対する男女の相互の理解については明るい兆しが見える結果ともなった。
調査概要
■実施時期:2022年1月27日(木)〜2月1日(火)
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:全国の15歳〜49歳の生理を経験した人 6,000人/全国の15歳〜49歳の男女15,000人(男性7,615人、女性7,385人)