職場の検診などで「子宮頸がん」の検診を受けたことがある人は多いと思います。子宮頸がんとは、どんな病気なのでしょうか?子宮頸がんの症状や原因、予防や治療法についてお話しします。

子宮頸がんはどんな病気?

子宮頸がんは、子宮の入口の子宮頸部という部分に発生するがんです。腟の奥に発生するために自分では発見しにくくがん検診や婦人科の検査などをしないと見つかりにくい病気です。

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日本では、年間約11,000人が子宮頸がんと診断されます。

早期に発見できれば手術などで完治を目指しやすい病気ですが、進行してしまうと以下のような症状がでます。

  • 子宮・膀胱・腸へが浸潤することで不正出血・血尿・血便
  • 骨盤の中のリンパ節への転移で足のむくみ
  • 血管やリンパ管を通って、ほかの臓器へ転移

子宮頸がんになると、不正出血や、おりものの変化が起きる

子宮頸がんになる前には、「細胞の異形成」というがんの手前の状態があります。異形成の状態では、おりものや性器出血などの異常や痛みがないため、検診や検査を受けないと発見が難しいです。

子宮頸がんが進行してくると、生理のとき以外に不正出血が起きたりします。そして、おりものが濃い茶色や膿のようになったり、水っぽくなったり、粘液が多く出てきたりします。

さらに症状が進むと、下腹部や腰の痛みを感じたり、尿や便に血が混じったりすることも。症状に心当たりがある場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。

子宮頸がんの主な原因は、HPVの感染

子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染だといわれています。

HPVは性交渉により男女ともに感染し、女性は一生に一度は感染するといわれているほどで、めずらしいものではありません。多くの方はHPVに感染したとしても免疫機能が働き体から排除されることがほとんどです。

しかし、一部の方はHPVに感染している状態が長期間続き、そのなかで子宮頸がんの前がん病変(異形成)や子宮頸がんになるといわれています。

子宮頸がんの対策は、検診とHPVワクチン

子宮頸がんに対して私たちができることは、検診とHPVワクチンの2つです。

・子宮頸がんの検診

20歳から69歳の女性は、2年に1回の頻度で、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。

検診の内容は、子宮頸部の細胞診です。

子宮頸部の細胞診では、子宮頸部をブラシなどでこすって細胞を集め、顕微鏡で検査を行います。問診では、不正出血の有無、妊娠および分娩歴、月経の症状、過去の検診受診歴などを確認します。

もし、検査の結果が「要精密検査」だった場合は、必ず婦人科で精密検査を受けてください。

住民健診では、自治体が費用の多くを補助しているので、安く受けられることが多いです。検診の対象年齢や受けられる場所については、お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。

・HPVワクチン

子宮頸がんの発症を防ぐHPVワクチンが開発され、現在では世界70カ国以上で接種が行われています。

HPVワクチンは、性交渉を経験する前の10歳代前半での接種が推奨されていて、子宮頸がんの60~70%を予防でき、肛門がんや喉のがんの予防効果もあります。

日本では3回接種することが勧められており、12~16歳の女性は無料で接種できますので、お住まいの市区町村役場へ問い合わせてみてください。(※12~16歳の女性以外の方が接種する場合は自費になるため2~4万円/回の費用がかかります。)

子宮頸がんの治療法

子宮頸がんになった場合の治療法は、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3種類です。

がんの進行状況や、患者本人が将来妊娠を希望するか否か、基礎疾患の状況などによって、治療方法が異なります。医師と相談しながら治療法を選択します。

子宮頸がんは、初期だと自覚症状がないことがほとんどです。

HPVワクチンの接種と2年に1回の子宮頸がん検診を受けて、身体のチェックをしていきましょう。

監修者プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医

柴田綾子

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)』。LINEbot「妊産婦さん向けの風邪薬ボット」も運営中。

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