セックス時の挿入で痛みを感じる。痛みが怖くてパートナーからの誘いを断る。このような悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか?
セックスは2人でするものだからこそ、パートナーと自分自身、どちらも我慢しないセックスが実現できると良いですよね。
そこで今回は、性交痛の原因と原因別のおすすめアイテムを紹介します。
性交痛の原因は?
ジャパン・セックスサーベイ2000が実施した調査により、約半数以上の女性が性交痛を経験したことがあると判明しました。
多くの人が経験しているとされる性交痛は、痛みを感じる場所によって原因が異なります。
1.腟の入口付近が痛む
腟の入り口で痛みを感じる場合に考えられる原因は以下の4つです。
原因①:うるおい不足
セックスの際、膣の潤いが足りていないと挿入時に痛みを感じます。女性の性的な興奮により分泌される腟分泌液が不足している状態です。
原因②:産後
出産後はホルモンバランスが乱れやすくなるため、腟分泌液が充分に分泌されないことがあります。また、出産時に会陰切開をした場合は傷が治りきっておらず痛みを感じることも。
原因③:更年期や閉経
更年期には女性ホルモンの分泌が減少することで、腟や性器などの弾力が失われていきます。これにより、性交痛を感じやすくなります。
原因④:腟炎や外陰炎
粘膜や皮膚の荒れ・細菌感染で腟や外陰部が炎症を起こしている場合、痛みを感じます。
2.腟の奥が痛む
腟の奥や下腹部に痛みを感じる場合に考えられる原因は、以下の3つです。
原因①:子宮後屈(こうくつ)
子宮後屈とは、子宮が背中側に傾いている状態のこと。この場合セックス時の体位によっては痛みを感じることがあります。
原因②:性感染症や婦人科系疾患
クラミジア感染症や子宮内膜症、卵巣腫瘍などの婦人科系疾患の可能性があります。放っておくと手術が必要になったり、不妊症の原因となるリスクもあるため、早めの医療機関受診をおすすめします。
また、過去に子宮内膜症や骨盤内感染にかかったことがある場合は、それが痛みの原因になることもあります。
原因③:パートナーとのサイズが合わない
男性器と女性器のサイズが合わない場合、性交痛を感じることがあります。
3.膣の入り口や奥以外の場所が痛む
性的興奮障害による性交痛が考えられます。性的興奮障害とは、性的な刺激を受けても精神的または身体的もしくはその両方で性的興奮が起きない状態のこと。性的興奮障害の考えられる要因は以下のとおりです。
・抑うつ、不安、ストレスなどの心理的要因
・パートナーとの関係性がよくない
・閉経後や分娩後で、エストロゲンが低下している
・セックスに没頭できない環境
・そもそも性行為に対して無関心である
・過去に経験した性交痛や性体験への何らかのトラウマ(心的外傷)がある
参考記事:
セックスのときに痛い……「性交痛」の原因はなに? 原因と対処法を解説します(医師監修)
以前ランドリーボックスが実施したアンケートで「性交痛がどのような痛みなのか」を聞いたところ、以下のような回答が返ってきました。
めりめりめりっていいながら入ってくる感じ
アイスピックで刺されている感じ
性交痛がどのように、どの程度つらいのかは人それぞれ。だからこそ自分のパートナーとしっかり向き合うことが大切です。
以下の記事では、性交痛を感じているとき相手にしてもらって嬉しかった行動なども一緒に紹介しています。ぜひ合わせて参考にしてみてください。
<参考記事>
性交痛ってどんな痛み?「裂けてる」「アイスピック」みんなの回答まとめ
原因別のおすすめアイテム
1.腟の入口付近が痛む場合
対策アイテム①:潤滑剤
潤滑剤にも種類があることはご存知でしたか?目的や使用方法によって製品を選ぶのがおすすめです。
ウォーターベース、オイルベース、シリコンベースの大きく分けて3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

《ウォーターベース》
水をベースとして作られている潤滑剤です。
メリットは洗い流しが不要なだけでなく、コンドームの素材を問わず使えること。
市販の潤滑剤のほとんどはウォーターベースです。そのため、性交痛対策アイテムをすぐに試してみたいという人におすすめです。
《オイルベース》
オイル(油分)をベースとして作られている潤滑剤です。
乾燥しにくく粘り気があるため、少量でも長時間使えるのが特徴です。ただし、併用できないコンドームがあったり洗い流しが必要になるため、少し手間のかかる潤滑剤であるとも言えるでしょう。
持続性が高いため、セックス途中からの膣付近の潤い不足に悩んでいる人におすすめです。
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YES インティメイト・オイルローション OB[オイル保湿ケア]¥1,980 – ¥3,850
《シリコンベース》
シリコンをベースにした潤滑ゼリーです。
乾きにくいことが最も大きな特徴です。ただし、他のシリコンを劣化させる可能性があるため、シリコン製プレジャーアイテム等との併用はできません。
対策アイテム②:コンドーム
潤い不足が原因として考えられる場合は、コンドームの素材を変えることで性交痛を軽減できる場合があります。
性交痛対策としてコンドームを選ぶ場合は、ジェルがたっぷり塗布されている商品がおすすめです。
<参考記事>
コンドームは3種類あるって知ってた?人気のコンドームが必ずしも自分に合うとは限らないワケ
2. 性器のサイズが合わない場合
男性器が長いことで女性側が痛い場合、挿入の深さを調整する性交痛軽減アイテム「OHNUT」がおすすめです。
使い方も簡単で、ドーナッツ状のリングを男性器の根本に装着するだけ。挿入の際OHNUTがクッション代わりになるため、挿入の深さが浅くなります。
よりくわしい使い方やアイテムレビューは以下の記事をご覧ください。
<参考記事>
セックスが痛くて嫌だった。セックスレスカップルがOHNUTを使った結果
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OHNUT 性交痛軽減リング¥14,850
3. 挿入に慣れたい場合
《プレジャーアイテム》
挿入に対して恐怖感がある、挿入自体に慣れたいという人には細めのプレジャーアイテムがおすすめです。
アメリカ発のトイブランド「SVAKOM」から発売されたSVAKOM CICIは、タンポンと同程度の細さ。強弱5段階×5種類のバイブレーターモード=合計25種類もの振動パターンがあり、防水機能も備わっているため1人での練習はもちろんのこと、パートナーとの使用もおすすめです。
<参考記事>
極細プレジャーアイテム「SVAKOM CICI」で膣内探検。自分の性感帯を探してみた
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SVAKOM CICI(スヴァコム シシ)¥8,800
《腟ダイレーター》
腟ダイレーターは、性交痛対策やワギニスムス(膣けいれん)に対して使用されるアイテムで、クリニックなどでも取り入れられている器具の1つです。さまざまな太さのダイレーターで少しずつ膣を拡張していくことで、性交痛や挿入への恐怖感を克服していきます。
婦人科で医師から処方されることもありますが、オンラインストア等で自主的に購入することも可能です。またシリコン製のダイレーターの使用時には、ウォーターベースの潤滑剤の併用が挿入をスムーズにしてくれるのでおすすめです。
<参考記事>
セックスが痛い、怖いを助ける「ダイレーター」の使い方。婦人科医に聞きました。
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Inspire インスパイア シリコンダイレーター 5本セット¥18,040 – ¥20,460
4. 挿入だけじゃない楽しみも見つけたい場合
《プレジャーアイテム》
できれば挿入を含めたセックスを楽しみたいと感じている方も多いと思いますが、挿入について考えすぎたり緊張しすぎてしまうと体がこわばり、挿入時に余計に痛みを感じてしまう場合もあります。
まずは2人でスキンシップを楽しみリラックスできる状況にするのもおすすめです。その場合は、ボディタッチや外陰部への刺激など挿入を伴わないアイテムを使うのもおすすめです。
パートナーとのコミュニケーションによる改善
性交痛の原因によって緩和するアイテムがあるものの、女性が性交痛に悩んでいる場合、「痛みをパートナーに伝えられない」という問題がよくあります。
セックスやパートナー間の悩みについて15,000件以上の電話相談に応えてきたカウンセラーの西郷理恵子さんによると、男性パートナーを気遣い、「感じているフリ」をしてきたため、「今さら痛いと言いづらい」といった悩みも多く寄せられているようです。
その場合、どのようにして話し合いをするべきなのでしょうか?
まず最初に確認しているのは、相談者の方と相手の方がこの悩みを本当に改善したいと望んでいるのかということです。本当に今の状況を治したいのか、それとも本当はできるだけセックスはしたくないようにしたいのかを、まずは確認していきます
西郷さん
性交痛についてどのようにパートナーとコミュニケーションをとればよいかを以下の記事でくわしく解説をしているので参考にしてみてください。
<参考記事>
挿入が痛い、濡れない、一生できないの?カウンセラーに聞いた、パートナーとのコミュニケーション
適切な挿入タイミングを知る
膣内が充分に濡れていないことが原因の性交痛の場合は、「痛くないタイミング」よりも早いタイミングで無理に挿入してしまっているケースも考えられます。性反応の仕組みを理解して適切な挿入タイミングを知ることも、痛くないセックスの一歩になるかもしれません。
<参考記事>
強い痛みを感じる、痛みが続く場合は迷わず婦人科や女性泌尿器科へ

性交痛は痛みを感じる場所によって対策方法が異なります。原因にあったアイテムを試してみるのがおすすめです。
原因がわからない場合、強い痛みを感じる場合、性交痛が続く場合は婦人科や女性泌尿器科を受診してみてください。クリニックのホームページなどで、性行為に関する相談を受け付けていると記載があるところを見つけられたら、相談しやすいかもしれません。
病院を受診することで、婦人科疾患等がある場合、原因が判明しやすくなるため、その後の対処法についてもアドバイスを受けることが可能です。
また、性交痛を軽減する体位を産婦人科医に聞いた以下の記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
<参考記事>
「セックスが痛い」は膣内じゃなく、前庭部痛が原因なのかもしれない(医師インタビュー)
性交痛は多くの人が悩むテーマであるにも関わらず、なかなか人に話しづらいトピックでもあります。この記事が、性交痛に悩むあなたの助けになれば幸いです。
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