「セックスの挿入が痛い、怖い」を助ける医療器具、膣ダイレーター。ダイレーターは細いものから太いものまで種類があり、少しずつ段階を踏んで挿入に慣らし、性交痛を緩和するために開発されました。

<参考記事>

セックスが痛い、怖いを助ける「ダイレーター」の使い方。婦人科医に聞きました。

ランドリーボックスが実施した性交痛にまつわるアンケートに、性交痛の改善のために「ダイレーターを使用したことがある」と回答いただいたRさん((40代)。実際に使用してみた感想や、大変だったポイントを聞きました。

慢性的なセックスの痛み。解決策を調べるうちにダイレーターのことを知った

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ーーRさんは、セックスに慢性的な痛みを感じているとのことですが、くわしくお聞かせいただけますか?

20代の頃から、セックスをするときに挿入が痛くて入らないことが続いていました。30代で、当時のパートナーと毎週挿入の練習をするようになったら、ようやく入るようになりました。ですがその後、別のパートナーと付き合うようになったら、また全然入らなくなってしまったんです。

ーー挿入時に痛みがあるんですね。

特に入口がすごく痛い感じですね。婦人科の内診や、子宮頸がんの検査で器具を挿入する際も痛むときがあり、悩んでいました。

挿入できても結局セックス自体が痛くて嫌だから、私は入らなくてもいいと思っているんです。でも、挿入ができないことでパートナーが不機嫌になってしまうこともあるので、なんとかしないといけないのかなぁと。

ーーRさん自身は、パートナーと挿入をともなうセックスがしたいとは思わないのでしょうか?

そうですね。ダイレーターや潤滑剤などいろいろアイテムをを試してみましたが、性交痛を緩和する治療は時間も手間もかかって大変です。セックスはしたいけれど、挿入なしでもいいなら治したいとも思いません。

婦人科の内診が痛いという問題は、痛みを考慮してくれる医師であれば問題ないですし。

ーー挿入の痛みが緩和されることがベストだけれど、挿入以外でお互いに満足できる方法が見つけられればいいのですね。ダイレーターも試してみたとのことですが、ダイレーターのことはどうやって知りましたか?

性交痛については20代のころから長年悩んでいたので、解決策を調べているうちに自分で見つけました。でも、当時は同居家族の目が気になっていたことと流通面でまだ気軽に買えるものではなくて…。購入したのは40代になってからです。

オンラインでダイレーターを購入。動画を見ながら使ってみた

Photo by Laundry Box

ーーダイレーターの使用を始めたのは、病院で勧められたのではなくご自身の判断ですか?

自分で調べて使い始めました。はじめは指定の婦人科で処方してもらわないといけないと思っていたんですが、ダイレーターを購入できるオンラインショップを見つけたので買ってみました。

ーー購入は勇気が必要だったのでは?

実家に住んでいたときは、家族に見られたら「いかがわしいものを買っている」と思われると思って購入できなかったのですが、購入時は一人暮らしをしていたので、不安はなかったです。

ーー医療器具の一種ですが、まだまだ認知度が低いのでご家族がみたらどう思うか気になりますよね。ダイレーターの使用方法はどうやって調べましたか?

婦人科で処方されたわけではないので直接指導はありませんでしたが、購入したダイレーターを開発された丹羽先生の動画を見て勉強しました。ただ、そもそも膣に何かを入れることが私にとってはハードルが高くて……。

ーーそれは痛みによる怖さからですか?

それもありましたが、母の教育の影響から「いやらしいこと」に対する拒否反応があったので、何かを膣に挿入すること自体に抵抗がありました。

ーー痛みへの怖さと、苦手意識があったんですね。抵抗感をなくすためにしたことはありますか?

使用方法の解説では、シチュエーションが妄想できるボイスドラマを聞いたり、動画を見たりしてまずは自分を興奮させることが推奨されていたのですが、私にとってそれはかなりハードルが高かったです。

どうしたらいいのか調べていたら、吸引ローターというアイテムがあることを知ったので、ダイレーターと併用してみることにしました。

吸引ローターの刺激で、膣の入り口を柔らかくしてから、ダイレーターを挿入すると入るようになりました。

ーーRさんは、普段からセルフプレジャーのために、吸引ローターのようなアイテムを使うことはありますか?

いえ、使ったことはないです。あくまで挿入の訓練をするために買いました。

ーーなるほど。普段は訓練のためでなければセルフプレジャーをしたいと思うこともあまりないんですね。

まったくないわけではないですが……1年に1〜2回程度ですね。

ダイレーターによって挿入自体には慣れてきたけれど、動かすと痛みが

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ーー実際に、吸引ローターと併用してダイレーターを使い始めてどうでしたか?

ダイレーターを使い始めてから、少し入り口が柔らかくなった感覚がありました。ダイレーターは、いくつかサイズの段階があるのですが、挿入に慣れてきたら真ん中のレベルのものはなんとか入るようになりましたね。ただ、動かすのはちょっときつい感じでした。

ーーダイレーターを使用する際は、潤滑剤などを使用されていますか?

挿入時は潤滑ゼリーを使用していました。でも、潤滑ゼリーによって挿入ができても、動かすと徐々に痛くなってしまいました。

ーー挿入自体はできても、動かすことで生じる痛みは緩和されづらかったのですね。他にも、ダイレーターを実際に使っていく中で、難しいなと思ったポイントはありますか?

ダイレーターの使用方法によると、挿入後は入れたまましばらく放置して膣に馴染ませる段階があるんですが、膣が狭いのか、なんとか挿入しても、ダイレーターが押し出されてしまって。入れたままにするというのがなかなか難しかったです。

ーーダイレーターの使用は現在も続けていますか?

いえ、今は使用を中断しています。使用した回数でいうと、約半年の間で7−8回くらいです。実は、性交痛とは別で婦人科系の疾患の治療をしています。そのホルモン治療の副作用で濡れにくいし、疾患のせいなのか常に生理痛のような腹痛に悩まされていたので、ダイレーターを使用するのがしんどくなってしまって。

ーー腹痛がある中で使用を続けるのはしんどいですね……。現在は婦人科で疾患の治療を進めているとのことですが、性交痛に関しても婦人科で相談をしたことはありますか?

今かかっている婦人科で、性交痛の相談をしたことがあります。でも、まずは疾患の治療が先だという話になって。性交痛の治療は足踏みをしています。

生理不順で子宮筋腫が発覚。現在は治療に専念中

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ーーなるほど、まずは治療に専念されているんですね。普段から婦人科には通っていたんですか?

もともと、生理不順に悩んでいたんです。ただ、実家に住んでいた頃は、母が自治体から届く無料の子宮頸がんの検診のお知らせを「いかがわしいことをしていなければ必要ない」といつも勝手に捨ててしまっていたんです。

このままではさすがにまずいと思い、35歳のときに、自分の地域で検診を受けられる病院のリストを調べ、こっそり婦人科に行きました。その際に、生理不順の原因は子宮筋腫だとわかったんです。

引っ越しなどを経て何軒かの婦人科にかかりましたが、ようやく自分に合う医師と巡り合えて、薬によるホルモン治療をしつつ、疾患を取り除く手術をしようと決意しました。

パートナー、家族、友人、性交痛の悩みを話せる人がいない。同年代で同じ悩みを抱えている人はどこに?

ーー性交痛に悩みながら、筋腫の治療も進められていたんですね。現在は性交痛の治療はおやすみ中とのことですが、性交痛の悩みについてパートナーと話してみたことはありますか?

最初に話したときは、「えっ、なにそれ」ってちょっと引かれちゃったんです。若い頃は、性交痛が原因で振られてしまったこともありました。

今のパートナーは、性交痛が原因で別れるようなことはないですが、痛みについてわかってもらうのは難しいですね。本人がそっと触ってくれているつもりでも、私にとっては痛くて。

膣トレをすれば、膣が鍛えられて痛みが緩和されるのかなと思って試してみたこともあります。でも私の場合は痛みが緩和することはなかったんですよね。

ーー性交痛の悩みは、自分の体を改善するだけでなく、相手の理解も得られないとなかなか改善しづらいですよね。Rさんは、身の回りの友人や知人などと性の悩みについて話せる機会はありますか?

話す機会は全然ないです。1人だけ、結婚したけれど挿入ができず、人工受精をしたと打ち明けてくれた友人がいました。でも、いきなりのことだったので驚いてしまって、私の悩みまでは話せなかったです。彼女も年が離れている友人なので、同年代では本当にいないですね。

性交痛に悩んでいることを発信している人って私よりもお若い人がほとんどで、私と同年代の方の声ってなかなか聞かないんです。初めての彼氏とのセックスが痛いという10〜20代の人や、新婚さんばかりで。

50代近くで性交痛に悩んでいるのは恥ずかしいことなのかな、同年代で悩んでいる人は、もうみんなセックスすることを諦めてしまったのかなと考えて、しんどい気持ちになってしまいます。

こんなに気負いすることなく、共有できるようになっていけばいいのにと思います。

世代に関わらず、多くの人が抱えている性交痛の悩み。

けれど、

「私だけなんだろうか」

「誰にも言えない」

「これって正しいのかな?」

と、1人で悩みを抱え込んでしまう現状があります。

それぞれの経験を語らうことで、少しでも、一歩前に進めるように、ランドリーボックスでは、みなさんの声をお待ちしています。

大丈夫。あなたは、ひとりじゃありません。

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ランドリーボックスでは性交痛にかんするアンケートを実施しています。みなさまのご意見をお聞かせください。

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