10代女性の9割が生理をつらいと感じている一方、婦人科を受診した経験があるのは3割。
持田製薬が、女性の健康課題の啓発活動「ワタシのカラダProject」の一環として、「親と子の生理にまつわる意識と実態調査」の結果を発表した。
10代女性本人と、中学生から大学生の娘を持つ親、あわせて1,200人超に生理の実態や親子のコミュニケーションを尋ねたものだ。
調査結果では、子どもが婦人科受診にたどり着けるかどうかのカギは、最も身近な相談相手でもある「家族」の経験や知識が影響していることが明らかになったという。
10代の9割が「つらい」、でも半数は「基本的に我慢」
10代女性にておいて、普段の生理でつらさを感じている人は90.8%にのぼっているが、生理痛への対処は「基本的に我慢している」が47.5%。約半数が、特に対処をしていない。

生理痛によって「普段の生活に何らかの支障がある」と答えた人は76.5%、鎮痛剤の使用率は約7割。しかし、生理の悩みで婦人科を受診した経験があるのは30.8%にとどまった。


多くの方が薬でしのぎ、専門家に相談する段階まではたどり着いていない。
「10代はまだ生理周期が安定しない時期なので「まだ若いから様子をみよう…」と思いがちですが、若いから大丈夫、ではありません。生理に伴う症状が学校生活に大きく影響することもありますし、10代の頃の生理痛と将来の子宮内膜症の発症との関連も報告されています。
つらいときは婦人科で相談するという選択肢をもっておくことが重要です。」(Inaba Clinic院長・稲葉可奈子先生)
相談相手は「家族」、受診のきっかけも「家族に言われて」
では、10代は誰に相談しているのか。生理悩みの相談相手として最も多かったのは「家族」で86.7%という結果に。

婦人科の受診経験がある人の婦人科受診のきっかけは、「家族に言われて」(31.4%)が最多に。

10代の生理悩みへの対処で婦人科受診をするかどうかの判断は、一番身近な「家族」の影響が大きいことがうかがえる。
親子の8割が生理の話をしている。でも情報源は「自分の経験」
親側の実態はどうか。中学生・高校生・大学生の女子の子どもがいる親(30~59歳女性)を対象にした調査では、「生理に関する悩みや不調について、子どもと話したことがあるか」に「はい」と答えた親は83.1%。
話す上で困っていることについては、「特に困っていない」(47.4%)が半数近くを占め、次いで「正しい知識に自信がない」(26.7%)、「どう説明すればよいかわからない」(16.7%)という結果に。

子どもに生理の話をする際に参考にしているものは「自分自身の経験や知識」が60.7%で最多。次いで「インターネット検索」(48.3%)が続いた。家庭での生理教育が、親自身の経験に大きく依存している。

「生理に伴う症状は個人差が大きく、親子でも似ているとは限りません。『娘の生理痛は重そうだけど自分は全く生理痛がないから分からなくて』とご相談に来られるケースもあります。
自身の経験で判断すると、受診が必要なケースを見極めることが難しくなる可能性があります。生理に伴う症状は他人と比較しづらいので、本人からの訴えがなくても、つらくないか聞いてみてあげることが大切です」(稲葉先生)
「母親自身の受診経験」が、子どもの受診を後押しする
親自身は、子どもに婦人科受診をすすめているのか?「子どもの生理悩みのために婦人科受診をすすめたことがあるか」に「はい」と答えた親は40.4%。
このうち30〜40代の母親に限ると、子どもに受診をすすめたことがある人は、自身も過去2年以内に婦人科を受診した経験がある割合が64.1%と、すすめたことがない人より2割ほど高い結果に。
親自身の受診経験が、子どもへの推奨に影響している可能性があるという。

受診をすすめた理由の上位は「子どもが不安を感じていたから」(38.4%)、「自分(保護者)の経験から必要だと感じたから」(33.1%)。
すすめていない理由は「特に困っている様子がないから」(47.8%)、「受診するほどではないと思うから」(43.3%)が上位で、「どのタイミングで受診させるべきかわからない」(20.7%)という結果に。

「母親自身に信頼できるかかりつけの婦人科があると、娘さんに婦人科受診が必要になった時にも安心してすすめることができます。
『こういう症状なのだけど受診した方がよいか』『内診はないか』など気軽に問い合わせることもできます。母親自身のケアや、娘さんのためにも、かかりつけの婦人科を見つけておくことが大切です。(稲葉先生)
個人の「我慢」から、社会の課題へ
今回の調査では、生活に支障を感じている人が7割以上いるが、婦人科受診は3割程度、受診をすすめる親も4割程度にとどまった。
調査監修をした稲葉先生は、その背景には「生理痛が深刻な健康問題として十分に認識されておらず、個人の我慢や自己対処に依存している」という構図があるとしている。
そして、生理に伴う症状は、個人差が大きく、必ずしも親自身の経験が子どもに当てはまるとは限らない。
「10代は、自分の状態が正常なのか判断できない可能性があるため、親は体調の変化や困りごとに気づける範囲で見守ることが求められます。
さらに重要なのは、必要なタイミングで婦人科受診へつなぐ「橋渡し役」としての役割です。
そのためには『気になる症状があれば10代でも婦人科にかかり専門家に相談してもよい』という認識を親が理解する必要があります。
自身にかかりつけの婦人科がある場合には、受診の際に子どもを一緒に連れて行くことで、親子ともに安心して受診できるきっかけになるのではないでしょうか。
親のリテラシーが向上すると、そこから学んだ子どもの意識が変わり、将来その子が大人になった際にも役立ちます。そうしたベースアップが社会全体の健康課題解決につながっていくのではないかと思います。
誰もが生理に対して正しい理解と適切な対処法を知ることで、生理でつらい思いをせずに日々快適に過ごせる社会になることを願っています」(稲葉先生)
<調査概要>
「生理に関する意識と実態調査①」
実施時期:2025年9月
調査手法:インターネット調査
調査対象:生理悩みもしくは更年期の悩みがある16~49歳女性3,000名のうち、16~19歳の400名の回答から抜粋
「生理に関する意識と実態調査②」
実施時期:2026年3月
調査手法:インターネット調査
調査対象:生理悩みもしくは更年期の悩みがある16歳〜59歳女性2,885名、そのうち16~19歳女性412名および中学生、高校生、大学生の女子の子どもがいる親793名の回答から抜粋














