【今月のお悩み】
ストレスと季節の変わり目なのか、ニキビができてしまいなかなか治りません。
ストレスや季節の変わり目は肌トラブルが増えますよね。
中医学では肌トラブルは、ストレスや身体の不調、アレルギー体質などの体内の要因である「内因」と、気候や季節、環境の変化、アレルゲンといった外からの要因である「外因」という2つの原因によって現れるものと考えます。
内因か外因、どちらか片方の影響で肌トラブルが起きている人もいれば、どちらも重なることで肌トラブルが起きている人もいます。
今回も中医学的な観点から、ストレス(内因)と季節の変化(外因)、それぞれの対策を分けて見ていきましょう。
ストレスによる肌トラブル
まずはストレスによる肌トラブルから説明していきます。
中医学では自律神経の働きと関わる「肝」は、ストレスのダメージを受けやすい臓器です。そのため、ストレスが多いと肝の不調を招きやすく、自律神経が乱れて肌の状態が不安定に。
また、ストレスが多い毎日を過ごしていると肝の「気(エネルギー)」の巡りが悪くなり、滞ってしまいます。さらにその状態でストレスケアをせず、放っておくと徐々に身体に余分な熱が生まれてしまいます。
そこで生まれた余分な熱は身体の上の方にあがり、特に顔や上半身に影響を及ぼします。具体的な症状としてニキビや顔の赤み、かゆみ、のぼせ、イライラしやすい、めまいなどに繋がります。
では、どうしたらよいのか。おすすめ養生をご紹介します。
≪おすすめ食材≫
- 身体の気の巡りをよくする香りのよい物を摂る
みかんやオレンジ、レモン、柚子などの柑橘系。三つ葉や春菊、紫蘇、パクチー。ジャスミン茶などのハーブティー
- 身体の余分な熱を冷ます食材を摂る
セロリやニガウリ、豆苗、レンコン、スイカ、ミント、大麦、麦茶、ミントティー、緑茶、ミントガムなど
≪おすすめの養生法≫
- ストレスはこまめに発散する
- 予定は詰めすぎず、余裕をもって生活する
- ヨガやストレッチ、散歩のようにゆったりした運動で身体を適度に動かす
- 友達と話したり、歌を歌ったり、溜め込まずに外に発散する
- 髪をブラッシングしたり、頭を揉む
など、ストレスを溜め過ぎる前に、こまめに発散するようにしましょう。
季節の変わり目の肌トラブル
次に季節の変わり目に影響を受けやすい人をみていきましょう。
気候や季節、環境の変化など外からの「外因」の影響を受けやすい人は中医学的には『衛気(えき)=身体のバリア機能』が不足していると考えます。
忙しくストレスの多い毎日や睡眠不足、暴飲暴食、不規則な生活、運動不足など普段何気なくしてしまっている習慣が衛気を減らしてしまいます。
衛気が不足することで身体を守るバリア機能が弱くなるので、季節や気温・気候の変化や風邪(ふうじゃ)・熱邪(ねつじゃ)・湿邪(しつじゃ)といった肌トラブルの原因になる「外邪(がいじゃ)」など外からの影響を受けやすくなってしまいます。
では衛気を高めるおすすめ養生をご紹介します。
≪おすすめ食材≫
- 胃腸を元気にする黄色い食材や自然の甘味の食材
かぼちゃ、さつまいも、トウモロコシ、にんじん、山芋、栗、豆類、穀類、きのこ類など
- 肺を元気にする白い色の食材や辛みの食材
豆腐、レンコン、山芋、大根、白菜、梨、松の実、唐辛子、生姜、ネギなど
≪おすすめ養生法≫
- 肥甘厚味(ひかんこうみ)と言われる脂っこい、甘い、味付けの濃いものは控えめに、あっさりした味の温かい物をよく噛んで食べる
- 朝の深呼吸を習慣にする
- ウォーキングやジョギングなど有酸素運動も生活に取り入れる
- 睡眠を大切に。遅くてもその日のうちに寝る
- 疲れやストレスは溜め過ぎず、こまめに発散する
など、日々コツコツ衛気を補いましょう。
以上のようにストレスのケアをしながら、日々衛気を養うことがストレスや季節の変わり目に強い身体を作り、肌荒れ対策となりますよ。