Photo by Laundry Box

【今月のお悩み】

「季節の変わり目の寒暖差や気圧の変化についていけず、朝なかなかベッドから起き上がれません」

実際の漢方相談でも気温や季節や気圧など何かが変わるときに影響が出やすい人は結構多いように思います。

中医学的には気温や季節、気圧などの変化はすべて外界からの刺激の1つと考えます。

では影響が出る人と出ない人の差はなにでしょうか?

身体にバリアを張ってくれる「衛気(えき)」不足タイプ

1つめの要因が、身体を守るバリア機能の働きをしてくれる「衛気(えき)」です。

この衛気がしっかりしていると、気温や気圧、花粉やウイルスなど外界からの影響を受けにくいと言われます。衛気が不足するとバリアをしっかり張れず、周りの影響を受けやすい状態になってしまいます。

普段から、以下の点が当てはまる人は衛気が不足しているかもしれません。

  • 風邪をひきやすい
  • 冷たい風にあたると体調を崩しやすい
  • アレルギー体質
  • 厚着していないのに、ダラダラ汗が止まらない

胃腸が弱る「脾虚(ひきょ)」タイプ

もう1つ環境の影響を受けやすい人の特徴として挙げられるのが「脾虚(ひきょ)」と呼ばれる、脾(胃腸)が弱いタイプの人です。

胃腸は身体を作る中心であり、全身の水分代謝にも関わる臓器です。脾は湿気に弱い特徴があり、周りを海に囲まれた湿度の高い環境で暮らしてきた日本人にはそもそも胃腸が弱い人が多いです。

さらに脾を弱らせる原因となる脂っこい、甘い、味付けの濃いものや冷たいものといった肥甘厚味(ひかんこうみ)を摂り過ぎることで脾は弱ってしまいます。

脾が弱ることで身体の元気そのものが作れなくなるので、元気の一種類である衛気も当然作れなくなります。

そして全身の水はけが悪くなるので、身体に余分な水分や汚れである「湿(しつ)」が溜まりやすくなり、特に雨の日や気圧の影響を受けやすくなってしまいます。

この結果から気温や季節や気圧など周りの影響を受けやすい人は

1.衛気をつける

2.脾を元気にする

この2点を普段から心がけましょう!

衛気をつけ、脾を元気に保つためにすべきことは?

では、実際にこの2点をケアする方法をご紹介していきます。

健脾・益気作用のある食材をとろう!

胃腸を元気にする(健脾作用)、身体の元気を増やす(益気作用)のあるお米やもち米、鶏肉やきのこ、ジャガイモ、サツマイモ、かぼちゃ、キャベツ、豆腐、リンゴなどを意識して食べましょう。

また、胃腸を弱らせる肥甘厚味(ひかんこうみ)のもの、冷たい物は控えめに。温かくてあっさりしたものをよく噛んで、胃腸の負担を減らしてあげましょう。

写真=本人提供/Laundry Box

睡眠をしっかりとる

睡眠をしっかりとることで、身体の元気も血も補うことができます。また、睡眠はその日に傷ついた細胞や粘膜を修復する働きもあります。遅くてもその日のうちに寝るようにして、身体の元気を補いましょう。

散歩やウォーキング、ランニングなど有酸素運動を取り入れる

衛気を補うには胃腸を元気にするほか、肺を元気にすることも大切です。肺を元気に、強くするには有酸素運動で心肺機能を高めることが大切です。無理のない範囲で、日々お家の周りなどで10分程度でもいいので身体を動かすようにしましょう。

趣味や1人の時間を持ち、ストレスをこまめに発散

過度のストレスがあると気の消耗に繋がり、元気そのものを減らすことに繋がります。しかし、ストレスは誰しも必ずあるものです。

まったく0にするのは無理でも、日々のストレスをこまめにコツコツ発散するようにしましょう。自分の好きなこと、スッキリすることで毎日ストレスを溜め過ぎないように、発散しましょうね。

以上のことを毎日の習慣に取り入れることで胃腸を元気に、衛気を補って、気圧や気温、季節など外部からの影響を受けにくい身体づくりを、日々コツコツしていきましょう。

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