【お悩み】

貧血になりやすいです。生理中はもちろん、緊張したときになることが多く困っています。

生理のとき以外でも、貧血のような症状が出る人もいる 

生理のときに貧血になる人は少なくないと思います。

その中にはご相談者のように緊張したときに貧血のような症状が見られる人もいます。

今回はそんな緊張時の貧血についてお話します。

過度の緊張は「肝」機能の失調が原因 

人前で話をしたり、初対面や慣れない場所では誰でも緊張しますよね。

緊張すること自体はごく自然なことであり、病気でもなんでもありません。

しかし緊張が強すぎたり長く続いたり、日常的に繰り返されると、次のような体調不良の原因となります。

・貧血
・めまい
・寝付きが悪い
・胸が苦しい
・動悸
・頭痛
・肩こり
・喉のつかえ感
・のぼせ
・冷え
・暑くもないのに汗が出る
・口の中がねばねばする
・過度のイライラ
・不安感

西洋医学では、このような過度の緊張は、自律神経系のバランスが崩れ、交感神経が優位な状態が必要以上に長く続いている状態ととらえています。

この緊張状態が続くと自律神経失調症、高血圧症、不安神経症、不眠症、うつ病、動脈硬化、不整脈、更年期障害などの生活習慣病のリスクも高くなります。

中医学では、過度の緊張は五臓の「肝」の機能の失調が大きく影響していると考え、その肝の機能を調整することにより、「緊張体質」そのものを改善していきます。

「肝」は五臓の1つで、疏泄(そせつ)と言って身体の諸機能を調節する臓腑です。

自律神経系や情緒の安定、気血の流れと深い関係があります。

肝には、そのほかに血を貯蔵して循環を調整する(血を蔵する)機能と、筋肉や関節の運動を調節する(筋をつかさどる)働きもあります。

この肝の機能が失調したり、弱ったりすると、疏泄機能がスムーズに働かなくなり、過度の緊張状態となり、血を消耗していくので、貧血が見られるようになります。

「肝」を機能させるためのおすすめ食材

貧血症状の対策としては(1)肝を伸び伸び働かせる、(2)貯蔵している血の量を増やしていく。この2つが大切です。

まず(1)肝を伸び伸び働かせるための食養生のポイントは「気の巡りをよくする」ことです。

そのためには、みかんやレモンなどの柑橘系。パクチー、ミント、三つ葉、セロリ、紫蘇、ジャスミン茶、ハーブティーなど香りのよいもの。これらを意識して摂るようにしましょう。

画像=本人提供

また(2)の貯蔵している血の量を増やすには

クコの実、ナツメ、ぶどう、イチゴやブルーベリーなど色の濃いベリー類など赤い色の食材。黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、ヒジキ、シジミ、牡蠣など黒い色の食材。レバーやほうれん草、小松菜など緑黄色野菜。これらを意識して摂るようにしましょう。

画像=本人提供

また、生活の養生としては次のことを意識すると良いでしょう。

①ストレスは溜め過ぎず、こまめに発散

②予定はギュウギュウに詰め込まず、ゆとりのある生活を

③頭を揉んで、気を巡らせる

④体の横側を伸ばして、ストレッチ

⑤夜更かしはせず、遅くてもその日のうちに寝る

⑥考えても答えの出ないことを考え過ぎない

⑦スマホやPC、タブレットなどで目を過度に使わない

特に①~④は(1)の肝を伸び伸び働かせるための養生。⑤~⑦は(2)の貯蔵している血の量を増やすための養生です。

「肝」養生におすすめのツボ

最後にそれぞれの体質におすすめのツボをご紹介します。

(1)  の肝を伸び伸び働かせるための、おすすめのツボは「太衝(たいしょう)」です。

イラスト=本人提供

足の甲の足の親指と人差し指の骨が交差するところの前の、凹んだ場所にあります。

指で少し強めにイタ気持ちいい強さで「5秒押して離す」を1セットとし、3~5回を目安に繰り返しましょう。

(2)  の貯蔵している血の量を増やすためにおすすめのツボは「血海(けっかい)」です。

イラスト=本人提供

膝のお皿の内側端から上に指3本分上に上がったところにあります。

こちらは深呼吸して息を吐きながら5秒押して、息を吸いながら5秒でゆっくり離す」を1セットとし、3~5回を目安に繰り返しましょう。

特に生理がある女性では、貧血や緊張しやすい体質は一朝一夕では改善しないことが多いです。

しかし毎日できる範囲でコツコツ続けていくことで少しずつ変わっていくと思います。

無理のない範囲で続けていきましょう。

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