【お悩み】
おならが止まらないしにおいも臭いです。
おすすめの養生はなんですか?
本来は「においがしない」が正常
おならの悩みは誰かに相談しにくいぶん、人知れずお悩みを抱えている人もとても多いですね。
一般的にはおならは大人で1日平均0.5L~1.5Lくらい出ています。
においのあるものとないものがあり、においのないものが正常だと言われています。
おならは、呼吸や食事と共に入ってくる空気が9割、食物の消化や腸内細菌による発酵で発生するガスが1割でできています。
においの原因は、肉類・ネギ類・ニンニクなど硫黄成分の多い食品が腸内で悪玉菌により分解され、腐敗すること。そうしてにおいのきついガスが発生します。
また胃腸・肝臓・膵臓などの内臓疾患によってタンパク質の分解がうまくいかず腐敗してしまい、においのあるガスが発生することがあります。
芋類などの食物繊維が多い食品は、腸内でガスが大量に発生しますが、無臭のガスのため、においはしないと言われています。
中医学でみる「おなら」とは?
では中医学的にみるとどうでしょうか?
中医学では、おならは失気(しっき)という、体質を判断する1つの要素となります。
胃腸の働きが弱いと消化吸収、排便がうまくいかず腸内でガスが発生しやすくなります。
その原因は、大きく分けると次の2つ。
①胃腸の元気不足
②身体の気の流れが悪い状態
この2つが改善し、胃腸の機能がしっかりしていると消化吸収がうまくでき、大腸の負担が減るため、おならの状態が適切になると考えられています。
では、それぞれの原因と対策を見ていきましょう。
①胃腸の元気不足
胃腸の元気が足りないことや、食べ物の消化吸収が遅れるため、ガスが発生しやすくなります。
もともと胃腸が弱い人(脾胃気虚:ひいききょ)や暴飲暴食で胃腸に負担をかけて、消化吸収が追いつかない人(食積:しょくせき)に多く見られます。
以下の食材を積極的に摂るようにしましょう!
- 胃腸を元気にする:お米やもち米、鶏肉やきのこ、ジャガイモ、サツマイモ、かぼちゃ、キャベツ、豆腐、リンゴなど
- 消化を助ける:大根、パイナップル、キャベツ、チンゲン菜、リンゴ、みかん、キウイフルーツ、サンザシ、柚子、レモンなど
また、胃腸を弱らせる肥甘厚味(ひかんこうみ)のものや冷たいものは控えめに、温かくてあっさりしたものをよく噛んで、胃腸の負担を減らしてあげましょう!
②身体の気の流れが悪い状態
中医学では五臓の『肝』が気の流れを調節をしています。肝は過度なストレスの影響を受けると、気の流れの調節がうまくできなくなります。
この状態を気滞(きたい)と言います。
気滞が続くと胃腸の働きにも影響が出て、ガスの排泄がうまくいかなくなり、お腹が張ってガスが出にくくなったり、逆にガスが異常に出たりすることがあります。
最近ストレスが多いな…と感じる人は身体の気の巡りを改善する香りのよいものを積極的に摂りましょう。
- みかんやオレンジ、レモン、柚子など柑橘系のフルーツ
- 三つ葉や春菊、紫蘇、パクチーなどの香草
- ジャスミン茶などのハーブティー
またこまめなストレス発散や、体を動かしたり、友達とお話したり、カラオケ、ストレッチ、ヨガなどで気の巡りを改善しましょう。
におい対策
また消化不良である「食積」や胃の過剰な熱「胃熱」、身体の余分な湿気や熱、汚れにあたる「湿熱」などがあるとおならのにおいがきつくなります。
消化を助ける①の食材や胃熱と湿熱を取る食物を積極的に摂りましょう。
- 胃熱を取る:トマトやスイカ、ほうれん草、蕎麦、キュウリ、冬瓜、ニガウリ、豆腐、リンゴ、バナナ、みかん、ミントなど
- 湿熱を取る:小豆、大豆製品、青梗菜、セロリ、大根、冬瓜、みょうが、トマト、きゅうり、苦瓜、もずく、昆布、しじみ、アサリ、バナナ、スイカ、パイナップルなど
どのタイプも、おならの回数が増えたり、においが臭くなったときはまず食事を見直しましょう。
「味付けが濃い、脂っこい、甘い」ものを食べ過ぎたり、暴飲暴食したりしていませんか?
最近おならや便、体臭や口臭がひどくなったな…。と感じる人はそれは身体からのサインです。
サインを見逃さずに、しっかりと対策しましょうね!