30代のときに、いわゆる「おひとりさま」な日々の漫画を本やブログに描いて発表していた私。42歳のときに当時38歳の夫と入籍し、ちょうど結婚生活8年が経ちました。
子どもはおらず、夫婦ふたりで暮らしています。
「おひとりさま」じゃなくなることが怖かった
優しくて家族を大事にする夫と夫婦になれてよかったなぁという思いも大前提でありつつ、結婚当初は独身じゃなくなることがちょっと怖かったのです…。
「おひとりさま」が肌に合っていたし、漫画にもしていたぐらい自分のアイデンティティでもありました。
長いことひとりで頑張ってきて、そんな生活が楽しかったのに、結婚したことで自分を取り巻く世界がまるっと変わってしまうのがさみしくもあったのです。
結婚後もしばらくは結婚した自分を受け入れられず、心のどこかで受け入れたくないと思っていました。
夫の同僚に会ったり、法事や親戚の集まりなどで、「○○さんの奥さん」「○○さんのお嫁さん」って見られることがあると「私は私なんだよ!」ってひとりでモヤモヤ~。
独身でもそうでなくても、私は私。ひとりの人間なのに
当時結婚したことについて「脱おひとりさまだね!」といった言葉をかけてもらうことも多く、その度に「結婚はしたけど、私は私なんだけどな!芯の部分は独身のときと何にも変わってないんだけどな!」と心の中で思っていました。
独身だろうが独身じゃなかろうが、私は私、ひとりの人間で、それ以上でも以下でもないのに。
時間が経つに連れて、個を大切にできるようになった
そんなモヤモヤからどうやって脱却したかというと、結局時間だったんですよね。
結婚して1年たち、2年たち、自分が「○○さんの奥さん」「○○さんのお嫁さん」として人と会う機会も少しずつ重ねて、なんとなく人との距離や付き合い方がわかってきました。
もちろん、夫との関係性も月日とともに変わってきて…。
子どもがいないのも大きいかもしれませんが、夫と私は家族の部分ももちろんあるし、お互い個人の人間だなと自然と思えるようにもなってきました。
夫婦の部分と個人の部分を住み分けできるようになった
先日「観たい映画がある」という夫と一緒に映画を観に行くプランがありました。
だけど私は正直そこまで興味がわかない映画だったので、結局夫はひとりで映画を観に行ったのでした。
結婚した当初は「夫婦で楽しむこと」「ひとりで楽しむこと」の線引きがまだよくわからなくて、夫の趣味のアウトドアに付き合って一回で懲りたり、いろいろ失敗もしました。
最近になってようやく「ここは一緒に楽しもう」「それはお互いそれぞれで楽しもう」と、夫婦の部分と個人の部分とがなんとなく住み分けできるようになってきたような気がします。
そういうことが経験を重ねてわかってきたのも、結婚している自分を自然に受け入れられるようになった理由のひとつなのかも?
その時々の状況で考え方や夫との関係性もこの先変わっていくんだろうけど、個々の気持ちを尊重しつつ、もちろん夫婦としての時間も大事にして、うまくやっていけたらいいなって今は思っています~。
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ランドリーボックスでは特集「#ひとりのわたし」をスタートしました。
性別に限らず、私たちには様々な「役割」があります。
ですが、その「役割」をまっとうすることだけが自分の人生ではありません。
私たちには様々な役割と同じように、様々な価値観や欲求が存在しています。
あらゆるジェンダー規範に囚われることなく、一度きりの人生、わたしの人生を謳歌してほしい。
わたしを謳歌するということは、自分で選択し、自分の足で前に進むということでもあります。
女として、妻として、母として、子供としてではなく、ひとりの「わたし」として。
ただ、それは決して、ひとりきりであるということではありません。
そんな想いをこめて、ランドリーボックスでは、それぞれの「ひとりのわたし」に関するコンテンツをお届けします。
目の前に続いていく道が、「ひとりのわたし」たちが手を取りあえる未来に繋がりますように。