セックスレス大国と言われている日本ですが、その原因は「通勤や職場でのストレス／疲労」や、それによる「性欲減退」、「住環境」などさまざまです。
セックスレスの要因の1つとなる「性機能」の実態について、25年ぶりとなる大規模調査が行われました。
一般社団法人日本性機能学会の臨床研究促進委員会が、日本の20歳から79歳の男性6,228人に対して行った性機能障害に関するオンライン調査の結果を紹介します。
日本人男性の約3人に1人が勃起障害（ED）
調査の結果、勃起頻度スコア（EHS）によるEDの有病率は30.9％あり、国勢調査の日本人男性の人口にあてはめると約1,400万人（約3人に1人）がEDであることが示されました。
1998年の調査と比較するとED有病者数は、123.9％（約270万人）の増加となっています。
また勃起頻度スコア（EHS）2以下をEDの有病と定義して年齢との関係を示唆するデータでは、30代、40代よりも20代の有病率が高いことが分かりました。
20～24歳の有病率は26.6％で50～54歳(27.8％)とほぼ同等の結果となっています。
＜参考記事＞
勃起障害「ED」の原因とその治療法は？医師が解説します
性欲はあるけど、性行為はしない？
性交の頻度はどれくらいですかという質問に対しては、「毎日〜1カ月に1回程度」が29.6％との結果になりました。
「1カ月に1回未満〜1年に1回未満」と「性交未経験」を合わせると70.4％となり、全年代とも性行為の回数が少ないことが分かります。
「性交未経験」の割合は20〜24歳で43.9％と全年代でも圧倒的に高い割合になっています。
自慰行為については「毎日～1カ月に1回程度」が大半を占めることから、性欲はあるものの性行為はおこなっていないことが分かります。
＜参考記事＞
「セックスレス」の定義とは。なぜこんなに悩むのか？ | ランドリーボックス
早漏で悩んでいる人は約910万人
早漏で悩んでいますかという質問に対しては「はい」が23.4％となり、日本人男性の人口にあてはめると約910万人が悩んでいることになります。
年代別では20〜39歳が30％前後と高く、それ以降の年代では徐々に少なくなっていきます。
＜参考記事＞
どれくらいを「早漏」って呼ぶの？治療法は？医師が解説します
国際性機能学会（ISSM）のガイドラインでの早漏の定義は「挿入前、挿入後1分以内に射精してしまう」とされており、早漏は「射精障害」に分類される疾患の1つとなっています。
挿入してから射精までの時間を聞いたところ、「挿入前に射精してしまう」と「1分未満」をあわせると5.1％あることが分かりました。
＜調査の概要＞
・調査実施期間：2023年5月29日（月）～6月24日（土）
・調査方法：調査会社(株式会社マクロミル)によるインターネット調査
・調査対象者：全国の20歳から79歳の日本人男性37,485人
※各年代において総務省統計局国勢調査の人口比率に基づき、年代、地域性を考慮し実施
・回収サンプル数：6,228人
