世界最大のプロレス団体WWEと選手兼コーチ契約を結んだ里村明衣子選手。イギリスに拠点を移しながらも、日本のセンダイガールズプロレスリング(仙女)でも選手兼社長として団体を率いります。

そんな里村さんですが、実はボディビルダー(※)としての顔も持っています。今回は生理時期中の減量に関する苦悩をつづってもらいました。

(※女子ボディビルは現在女子フィジークに名前が変更になり、多種目のカテゴリーがあります)

写真=本人提供

かっこいいを求めて、ボディビルに挑戦

生理前は無性に食欲が増しませんか?体が糖質、炭水化物を欲しがりますよね?

私は年に一度、プロレスとは別競技の“筋肉美”を競うボディコンテストにも出場しています。「自分が思う1番かっこいい身体に鍛えたい」と思ったことがきっかけです。

大会前は脂肪を極限まで落とすために2カ月かけて66kgから54Kg、−10kg以上減量。

普段は甘いもの、お肉、揚げ物、炭水化物が大好きでやめられません。食べることが大好きです。しかし、減量時は頭を切り替えます。

【Before】減量前のお腹 (写真=本人提供)

ストイックに鍛えても……

大会に向けて、トレーニングや食事も変更し、体を鍛えていくのです。さらにボディビル雑誌『IRON MAN』やボディビル関連のYouTubeを見まくります。

ボディビルは男性の競技人口が多いため、おのずと男性向けのトレーニングや食事制限を真似していました。しかし、男と女は体のつくりが違います。

とくに生理前から生理中は、トレーニングが思うようにいきません。

生理の1週間前から食事制限をしても、トレーニング量を増やしても、体重が落ちなくなるのです。そして体が浮腫みます。

良い結果を出すためには、脂肪を指で掴めなくするまで皮下脂肪を落とさなくてはいけないのに、生理前はお腹の肉がたぷたぷ。鏡を見るたびに焦ります。

その理由は生理前に「プロゲステロン」という女性ホルモンが増えるため。そして血糖値が下がることで、甘いものや炭水化物を欲してしまい、食欲につながります。生理が終わった途端、スーッと体重が落ちるのは不思議ですよね。

【After】鍛え上げた体 (写真=本人提供)

間違った努力もたくさんしてきた

数年前、生理日とバッティングすると分かっていた試合がありました。浮腫みやすい時期だったのと、「食べたら脂肪がつく」という思い込みでプロテインとアミノ酸だけで5日間を過ごしました。

根性で食欲には勝ちましたが、結果、筋肉量も失われてコンテストは惨敗。栄養も固形物も摂っていなかったので、その月と翌月、なんと生理がきませんでした。

かっこいい体に鍛えたかったのに、自分の体を苦しめるというかっこわるい結果に。しくじりましたね。

“No pain No gain”から健康第一に

痛み無くして得るものなし“No pain No gain”、そう思ってアスリートの世界で結果を出してきました。努力することは大切ですが、間違った努力もたくさんしてきたなと思います。

41歳になったいま私の答えは、健康が1番。健康とは、体と心、両方の健康です。これに尽きます。

健康第一と思えるようになったのは、仙女の代表になってからでしょうか。自分が怪我や病気で仕事ができなくなったら、会社が回らなる。多くの人に迷惑をかけてしまう。

立場が上に行くほど代わりはいなくなるので、10年、20年先の身体を考えるようになりましたね。そして健康でいることが、私の強さの秘訣でもあります。

写真=本人提供

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