膣に入れずに「膣トレ」できるフェムテックアイテムが登場。すきま時間にコソ練してみない？

膣トレってやったことありますか？

一般的な膣トレは、ゆっくりと息を吐きながら、膣と肛門をギュッと締める。それを繰り返し行うというもの。このトレーニングを毎日続けると、3カ月ほどで骨盤底筋が鍛えられると言われています。

実際やってみるとわかるのですが、これが驚くほど地味。ピラティスも初めてやったとき地味だな〜と思ったのですが、それの100倍くらい地味です。

しかも、

「ん？これで合ってるのか？」

「効いてるのかどうなのか、よくわからない」

と、すぐに迷子になってしまい、即モチベーションを失います。

産後に膣トレを薦められて始めてみたものの、赤ちゃんのお世話に家事、仕事と目まぐるしい日々のなか「こんなん続けられるかーい！」となった人も多いのではないでしょうか。

スマホで可視化してくれる、膣に入れない「膣トレ」アイテム

それならば「フェムテック」の恩恵にあずかろうじゃないか。

なんとこれ、お腹に装着してトレーニングすると、アプリと連携してトレーニング効果を可視化、記録してくれる「ペリノス™」というアイテム（商品ページはこちら）。

これまでも、膣トレボールなど膣内に挿入して膣圧を感知するタイプのフェムテック商品はいくつかありました。でも「デバイスを膣内に入れることに抵抗がある」という声も。

この「ペリノス™」はおなかに装着するだけで計測できるため、より手軽にすきま時間を利用した膣トレができるのです。しかも、膣に入れないから生理中でも安心して使えるのがうれしい。

この動画のように連携アプリが「（息を）吸って」「吐いて」「力を入れて」と教えてくれて、案内通りに行うと「上手にできています」と伝えてくれます。

このひと言があるだけで迷子にならないし、ちゃんと鍛えられていることがわかるとモチベーションも維持できそう。ありがとうフェムテック！

力の入れ具合や回数など伝えてくれるので、まるでトレーナーがそばにいるかのような安心感だとか。
※アプリ画面は開発中のものであり、変更となる可能性があります。
画像＝アルプスアルパイン株式会社

どんな仕組み？

「ペリノス™」は、インナーマッスルのペリネ（骨盤底筋群）と協働する腹横筋の動きをセンサが検知し、正しくトレーニングできているかがアプリでわかります。スマートフォンや車に使われる高精度なセンサを手掛けるアルプスアルパイン社が開発したそう。

「ペリノスTM」を使用したエクササイズイメージと、「ペリノスTM App」の開発中の画面。
画像＝アルプスアルパイン株式会社

専用アプリ「ペリノス™ App」（iOS）が筋肉の小さな動きを、グラフィックで可視化し、リアルタイムで音声でのガイダンスをしてくれます。アプリが導いてくれる通りに動けば、正しく効果的にエクササイズできるということ。

3秒間息を吸う→5秒間ゆっくり息を吐く（お尻の穴をしめて、膣を引き上げるイメージで）この動きをセンサが検知して測定します。
画像＝アルプスアルパイン株式会社

アプリでは、甲南女子大学監修による「骨盤底筋エクササイズ」が数種類用意されていて、いつでも見ることができます。運動履歴も記録できるので、ささやかな達成感を実感しながら、すきま時間を活用したコソ練ができちゃいます。

骨盤底筋を鍛えると何がいいの？

そもそも、なぜ骨盤底筋のトレーニングが必要なのでしょうか？

エクササイズのメニューを監修した甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科准教授の山本綾子さんは次のように説明します。

「ペリネ（骨盤底筋群）は骨盤を正しい位置に整え、骨盤内にある膀胱、子宮、直腸などの臓器を支える縁の下の力持ちのような筋肉です」

「出産により女性は骨盤底筋にダメージを受けます。また出産経験の有無に関係なく、加齢によっても筋力が衰えます。骨盤底筋が弱ると体形崩れや尿もれ等の原因になると言われています。女性が生涯守らなければならない筋肉なのです」

骨盤底筋は、腹横筋と連動することが大学の研究機関などで実証されています。

腹式呼吸で息を吸うと、横隔膜と骨盤底筋が下方向に下がり、吐くときは、横隔膜と骨盤底筋が上に引きあがります。次の図のように横隔膜、腹横筋、骨盤底筋がバランスよく動くことで骨盤底筋を正しく鍛えることができます。

「ペリノス™」は、お腹に付けて腹横筋の動きを見るので、骨盤底筋トレーニングができているかがわかるのです。

「これって尿もれ？」

「体型崩れが気になる……」

そんな人にとって、「ペリノス™」のようなアイテムを使った日常的なトレーニングが有効だというわけです。膣トレが、健康や美容にいいとされている理由についてわかった気がしました。

（ペリノス™の詳細はこちら）

「いつまでも活き活きと暮らせる身体を手に入れてほしい」

共同開発者のひとりである松野さんは、自身の出産経験と産後の悩みが「ペリノス™」開発のヒントになったそう。

「子どもを出産し復職すると、家事や育児・仕事にてんてこ舞いで、自分のことなんて構っていられませんでした。その後、第2子を出産。ふと鏡を見ると、なんとも情けない自分の姿が……。慌てて、整体に通い施術を受けると、施術の効果を維持するために骨盤底筋トレーニングを勧められました。でも実際にやってみると、これであっているのかよくわからない。結局続けられませんでした。」（松野さん）

「社内で200人以上にアンケートを取ると、体形の崩れや尿もれなどに悩み、自信を喪失したり、社会活動に積極的になれなくなってしまう女性たちが多くいることが分かりました。忙しい毎日の中で無理なくセルフケアできて、いつまでも活き活きと暮らせる身体を手に入れてほしいと思っています」（玉澤さん）