生理が始まると、なぜかお腹がゆるくなる。そんな経験はありませんか?

腹痛や頭痛と比べると話題にならず「自分だけかも」と感じている人もいるかもしれません。

ランドリーボックスがXで行ったアンケートでは、127票のうち、約94%が「生理中に下痢になる」と答え、約48%は「毎回」と答えました。

この記事では、生理中に下痢になりやすい理由を解説します。

「毎回下痢になる」が約48%

ランドリーボックスの公式Xで、生理中の下痢に悩む人は多いのかを尋ねたところ、次の結果になりました。

回答割合票数(目安)
毎回下痢になる48%約61票
たまになる45.7%約58票
なったことない6.3%約8票

「毎回」「たまに」を合わせると93.7%。約半数が「下痢になる」と答えています。

このアンケートは、自己申告による127票のため偏りはあるものの、生理中の下痢は、特別な一部の人だけの悩みではないのかもしれません。

生理中の下痢の背景にある「プロスタグランジン」

生理中の下痢の要因として「プロスタグランジン」という物質が挙げられます。

プロスタグランジンは、子宮内膜をからだの外へ出す際に子宮の筋肉を縮めるはたらきをします。これが生理痛を引き起こす要因のひとつです。

ただし、プロスタグランジンは子宮だけにとどまりません。

さまざまな臓器の平滑筋(筋肉)にも作用するとされています。腸にも平滑筋があり、生理痛に伴って下痢や吐き気などの消化器症状がみられることがあります。

ただし、同じように生理があっても、感じ方や体質は人それぞれです。「毎回なる人」「たまになる人」「ならない人」がいるのは、からだの反応の個人差と考えられます。

生理中の下痢、どう対処したらいいの?

自宅でできるセルフケアとしては、以下が挙げられます。

  • お腹と下半身を温める:腹巻きやカイロ、湯船などで、冷えを避けます。
  • 食事をやさしくする:おかゆやうどんなど消化のよい温かいものを選び、冷たい飲食物や刺激物、食べ過ぎを控えます。
  • 睡眠と生活リズムを整える:睡眠をしっかりとり、生理中は特に無理のない予定を組むようにします。
  • 市販の整腸剤を使用する:水様便が続くときは市販の整腸剤も使用できます。

「生理中の下痢は毎月のことだから我慢する」ことが、必ずしも正解ではありません。セルフケアだけではつらいときは、痛み止めの早めの服用や低用量ピル服用の選択肢もあります。

痛み止めは、痛みが強くなってからでは効きにくいとされ、早めの服用がすすめられています。

市販の鎮痛薬を使う際は、体調や他の薬との相性があるため、薬剤師や医師に相談してから選ぶようにしましょう。

こんなときは、病院に相談を

生理中の下痢は、多くの人が経験する身近な症状です。

一方で、次のようなときは、婦人科や消化器内科に相談する目安とされています。

  • 生理が終わったあとも下痢が続く
  • 血便が出る
  • 症状がだんだんひどくなっている
  • 体重が減っている、高熱がある
  • 生理痛が強くて、日常生活や仕事に支障が出ている

生理痛が強い場合は、子宮内膜症など婦人科の病気が隠れていることもあります(論文参照)。

体質だからと決めつけず、気になるときは医師に相談してみてください。

つらさは我慢しなくていい

生理中の下痢は、プロスタグランジンが子宮だけでなく腸などの筋肉にも作用することで起こることがあると考えられています。

「自分だけではなかった」と知るだけで、少し気持ちが楽になる人もいるはずです。

温める・食事をやさしくするなどの工夫を試してもつらいときや、いつもと違うと感じるときは、「毎月のことだから」と我慢せず、医師に相談してみてください。

生理の悩みは個人の問題とされがちですが、職場や学校で「トイレに行きやすい」「休める」といった配慮が当たり前になることも、同じ悩みを持つ人にとって大きな支えになります。

監修者プロフィール

<監修者プロフィール>

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子

2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。

https://twitter.com/ayako700

参考論文:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7056393/
参考:MSDマニュアル プロフェッショナル版「月経困難症」、日本女性心身医学会「月経困難症(月経痛)」

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