女性向けセルフプレジャーアイテムはここ数年で数多く発売されているが、その中でも、ここ数年以上、不動の人気なのが「吸引トイ」ではないだろうか。

吸引トイとは、電動型プレジャーアイテムで、クリトリスにアイテムをあてがうと、まるで吸われているような感覚と快感を得られるプレジャーアイテムです。

そんな吸引トイの生みの親と言われているのが、ドイツのプレジャーブランド「ウーマナイザー」です。

なぜ吸引トイが生まれたのか。

ウーマナイザーのプロダクトマネージャーIsabell Schulze Lohoff (イザベル・シュルツェ・ローホフ)さんと、ユーザーリサーチ責任者・セクソロジストのElisabeth Neumann (エリザベス・ノイマン)さんに話を聞きました。

Isabell Schulze Lohoff (イザベル・シュルツェ・ローホフ)
ウーマナイザー プロダクトマネージャー

Elisabeth Neumann(エリザベス・ノイマン)
ユーザー・リサーチ責任者兼セクソロジスト

ウーマナイザーの生みの親とは?

ーー ドイツに本社があるウーマナイザー。現在は何名ほどの方が働かれているんでしょうか?

現在、ウーマナイザーは、Lovehoney Groupのブランドです。

ウーマナイザーは、2014年にドイツの発明家 Michael Lenkeさん(ミハエル・レンケ)がプロダクトを発明し、ブランドを設立しました。

2017年にWOW Tech Groupがウーマナイザーを買収し、ドイツ・ベルリンにウーマナイザーチームとオフィスを設立して、ブランドを成長させました。

その後、WOW Tech Groupは、スイスのAmoranaとイギリスのLovehoneyと合併し、2021年にLovehoney Groupが設立されました。

合併後は、WOW Tech GroupのCEO Johannes Plettenberg(ヨハネス・プレッテンベルグ)が率いり、現在、世界11カ国にオフィスを設けています。

オフィスに加え、倉庫管理、製品製造に携わる社員を含むと、グループ全体の社員数はおよそ900人以上になります。

その中で、ウーマナイザーの開発には、製品担当とブランド担当が専属で4名います。ただ、開発プロセスにはもっと多くの人々、エンジニアリング、デザイン、パッケージ、ユーザーテスト、マーケティングなどの担当チームも関わります。

ーー 2014年に発売開始したウーマナイザーですが、吸引トイが誕生した経緯があれば教えてください。


ウーマナイザーを発明したのは、ドイツの発明家ミハエル・レンケさんです。

2012年、ミハエルさんは、男女のオーガズム・ギャップに関する研究記事で「男性に比べ、多くの女性がオーガズムに達することが難しい」という事実を知り、女性のオーガズムに関する悩みを解決するプロダクトがまだ存在していないことに気づいたそうです。

そこで、ミハエルさんは、市場に出回っているセックストイや女性のアナトミー(解剖学)について研究し、女性器の中で最も敏感で、性的興奮に関わる神経終末が多く含まれる「クリトリス(外陰部の陰核と呼ばれる部分)」に焦点を当てたプロダクトの開発を始めました。

彼は研究により、クリトリスの神経終末への刺激は優しくなければならないことに気づき、最初のプロトタイプは、水槽ポンプを改造したものだったそうです。

ーー 水槽ポンプ…!すごいですね。吸引を再現する際に難しかったのはどのような点だったのでしょうか?

ウーマナイザーを最初に試した人は、ミハエルさんの妻のBrigitteさん(ブリジット)でした。

彼女に何回も試してもらい、ミハエルさんは試行錯誤を重ね、約18カ月間かけて開発に取り組みました。

最終的にブリジットさんから「これは世界的に成功する」という前向きなフィードバックがあったそうです。

それが、特許取得済みの吸引技術「Pleasure Air Technology(プレジャーエアーテクノロジー)」です。

この発明により、ウーマナイザーという、セックストイ業界初の吸引タイプのトイが誕生しました。

ウーマナイザーOGプロトタイプ

女性の快楽を追求していきたい

ーー 次々と新しい製品を発売していますが、現在ウーマナイザーが技術面で注力していることについて教えてください。

ウーマナイザーはこれまで特許取得済みの技術「Pleasure Air Technology(プレジャーエアーテクノロジー)に焦点を当ててきましたが、エキサイティングなテクノロジーの開発にも取り組んでいます。

例えば、昨年11月に発売された「ウーマナイザーOG」は、史上初のGスポットを吸引するバイブレータ―です。元々は女性のクリトリスに吸引マッサージを行う技術として発明されたプレジャーエアーテクノロジーを、Gスポット向けに再開発したものです。

2014年にウーマナイザーが誕生してから、2023年現在、およそ15種類以上のウーマナイザーが誕生しています。

吸引技術の改良はもちろん、サイズ、使い心地、デザインにもこだわり、ユーザーの気持ちに寄り添って、開発しています。

例えば、「ウーマナイザープレミアム2」は肌に触れたときにだけ自動で作動する「スマートサイレンス機能」や吸引パターンをセルフプレジャー中にトイが自動で調節してくれる「オートパイロット機能」があり、ユーザーはウーマナイザーに身を任せて、セルフプレジャーに没頭できます。


「ウーマナイザーリバティ」は手に収まるサイズ感と、衛生的にトイを保管することができるカバーもついていて、見た目からセックストイだと分からないデザインに仕上げています。

ーー 最近ではプレジャーアイテムになるシャワーヘッドも発表されましたね!

7月20日(木)に日本国内で発売されるシャワーヘッド「ウーマナイザーWave」は、ドイツのバスルーム製品のプレミアムブランド「hansgrohe (ハンスグローエ)」との共同開発で実現しました。

ウーマナイザーといえば「吸引」というイメージが強いですが、空気の波動で吸引マッサージを行うのと同じで、水の刺激で陰部にマッサージを行うイメージで開発されました。

今回の共同開発で誕生した特許取得済みの2種類のジェットモード:「プレジャージェット」と「プレジャーワール」においては、ウーマナイザーが持つ女性器の知識と「刺激」に焦点を当てたプレジャー技術が発揮されました。


水の出方や水圧など、ハンスグローエと何度も試行錯誤を重ね、多くのユーザーテストを行いました。こだわり抜いた「ウーマナイザーWave」を日本の皆さんにも試してもらいたいです。

参考記事:

ーー シャワーヘッドのように、今後はさまざまな企業とタッグを組む可能性があるのでしょうか?

ウーマナイザーはこれまで、英国シンガーソングライターのリリー・アレンや、マリリン・モンローなど、著名な方とコラボをさせていただいておりますが、他企業とのタッグは、今回のハンスグローエが初めての試みとなります。

今回の「ウーマナイザーウェーブ」の誕生を機に、今後も他分野を専門とする企業とのタッグも検討されると思います。続報をお待ちください。

ーー 新商品を開発するときには、何名くらいの方の意見をきくのでしょうか?

製品開発の初期段階から最終段階まで、すべてのプロセスでユーザーテストを行い、フィードバックを集めます。

イノベーティブな製品を開発するには反復的なプロセスが必要です。

プロトタイプのユーザーテストを行い、ユーザーフィードバックに基づいて改良し、再びテストを行い、その後も改良を続けます。

プロジェクトの複雑さや新規性に応じて、ユーザーテストで必要な人数はプロジェクトごとに異なります。最低35人は必要ですが、過去には200人以上のフィードバックを得たプロジェクトもありました。

ーー ユーザーの声を聞き続けているんですね。吸引トイを発売以降、ユーザーからはどのような声が届いていますか?

2014年10月に最初のウーマナイザーが発売された当初は、レンケご夫妻宛てに世界中の女性から「ウーマナイザーのおかげで初めてオーガズムに達した」という嬉しい報告の手紙がたくさん届いたそうです。

今も同様に初めてオーガズムに達したという声をいただいています。

ーー 今後の展望について一言ずついただけたら!

Isabell:具体的にお伝えすることは難しいのですが、ウーマナイザーは引き続き、女性のセクシャルウェルネスに寄り添う革新的なプレジャートイを、さまざまなテクノロジーを取り入れて開発していくことに取り組み続けます。

Elisabeth: ウーマナイザーは、人々が自身のセクシュアリティと向き合い、探求できる環境をつくり、人々が独自の方法で「プレジャー(快感、快楽、悦び等)」を発見できるサポートをし続けて、セクシャルウェルネス市場の未来をリードしていきたいと思っています。

ーー ありがとうございました!

独自の目線で、女性の快感と向き合い続けるウーマナイザー。

女性が心地よさに身を委ねることができるアイテムや市場を作り続けていく彼らの今後の取り組みに期待ですね!

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