メーカー各社が新商品をリリースし、話題の吸水ショーツ。GUが吸水ショーツを発売するなど、手が届きやすくなったことで、購入を検討している人もいるかもしれない。
「デリケートゾーンのムレから解放される」「かさばらない」「洗ってくり返し使えるから経済的」など魅力的な声を聞く一方で、私を含めて未だ使用したことがない人からすると、不安な点もあるだろう。それは……
「本当にちゃんと吸ってくれるの…?」
そこでランドリーボックス編集部では、メーカー規定水量を吸ってくれるのかを実際に調べる「吸水実験」を行いました。
実験の目的と検証方法
今回は、下記の目的と手法で実験を進めました。
- 目的:メーカー各社が発表している吸水量(以降、規定水量)を吸うかどうか確認する
- 検証方法:それぞれの吸水ショーツの吸水パッド部分に、規定水量の水をゆっくりと数回に分けて注ぐ
- 実験道具
小ビーカー、中ビーカー、食紅、水、小麦粉
*水道水を食紅で色付けする
*どろっとした質感を再現するため、小麦粉と水・食紅を混ぜた粘度があるパターンでも実施
今回エントリーした吸水ショーツ 8ブランド
- modibodi(ハイウエスト 多い日用)
- ムーンパンツ(シームレス 普通の日用)
- OLTER SHORTS(レースタイプ)
- Nagi(FULL)
- Thinx(Hiphugger)
- GU(トリプルガードショーツ)
- Period.(ハイウエスト)
- ベア(シグネチャーショーツ)
吸水ショーツを揃えてよく見てみると、素材や厚さ、吸水パッドの面積の広さなど、それぞれに特徴があることを感じます。
また、未使用による撥水(水滴が転がり落ちるように弾くこと)を避けるため、事前準備として、ショーツを1度洗濯機で水洗いし、自然乾燥しました。
準備はOK。それでは実験をはじめましょう。
①modibodi(規定水量:20ml)
*動画は全て1.5倍速です。
吸水部分がふわふわしていて触り心地がいいmodibodi。ゆっくりと水を吸い、表面もサラッとしたままでした。ただし、動画にはありませんが、水洗い1回では水馴染みが悪いのか、水を弾いてしまうこともありました。
②ムーンパンツ(規定水量:10〜15ml)
*実験では10mlで行いました。
およそ10秒で約半分の量を吸収しました。また、吸収パッドの表面がすぐに乾き、公式サイトでうたっているように、速乾力があると言えます。しかし、クロッチ部分に染み出してしまうこともありました。
③OLTER SHORTS(規定水量:30ml)
カラーがかわいく、吸水面積が広いOLTER SHORTS。水はじわじわと浸透し、規定水量を吸ってくれました。しかし、クロッチの端から漏れてしまいました。
④Nagi(規定水量:45ml)
ビーカーに45mlの規定水量を入れて「え、こんなに吸うの?」と驚きながら実験をスタートしました。水は吸水面に浸透し、ゆっくりとですが、しっかりと吸っていることがわかります。
*吸水力アップ前の商品を使用。現在のNagi Fullの規定水量は105ml。
⑤Thinx(規定水量:27ml)
無事に規定水量を吸収しました。しかし、後半になると縫い目の部分から染み込んでいることがわかります。実際の分泌液はゆっくりと少しずつ出てくるため、同じ条件とは言えませんが、分泌量が多くない日に使用するのがいいかもしれません。
⑥GU(規定水量:15〜20ml)
*実験では15mlで行いました
GUは低価格であることから機能面で不安がありました。ですが、少し撥水力があるものの、水が馴染んだあとはしっかり規定水量を吸ってくれました。
⑦Period.(規定水量:30ml)
メッシュ状の吸水面がしっかりと吸水。後ろにつたいそうになっていく水もキャッチしてくれ、吸水力は高いようでした。
⑧ベア(規定水量:120ml)
今回の実験で最大量となる120mlを吸水することをうたっているベアのシグネチャーショーツ。吸水面が前面からお尻・腰まで広範囲に広がっています。また、ふわふわした肌触りとずっしりした重量感になんとなく安心感があります。
しかし実験してみると、前面のクロッチ部分から染み出して漏れてしまいました。
手法を変えて再チャレンジ。吸水面が広がっているおまた〜お尻面を中心に注いでみたところ、規定水量を吸ってくれました。広い吸水面全体で確かに120mlを吸ってくれるようですが、前述したように、前面のクロッチ部分にはやや不安が残ります。ただし、長時間うつ伏せ寝などの体勢にならない限り、前部分に多くの水分が流れるシーンは少ないでしょう。
おまけ:ドロっとしたものは吸わない
吸水ショーツはドロっとした粘度の高い液体は吸ってくれません。今回は、よりリアルに近い状況を試すために、小麦粉を混ぜた液体でも吸水実験を行いました。
10分後の結果は写真のとおりで、水分のみを吸収し、固形物は残ります。生理中、ドロっとした液体やかたまりが気になる場合は、ティッシュやトイレットペーパーで表面を拭って使用することをおすすめします。
実験結果
全てのショーツで、メーカー規定の水量を吸ってくれました。
しかし同時に、吸水部分の同じ面に一気に水分がかかると吸収しづらいこと、そのためクロッチ部分や腰回りに染み出してしまうこともわかりました。
水分量が多い日は他のアイテムとの併用が安心です。また、吸水量もショーツによってさまざまなので、自分のタイプや日によって選ぶとよいでしょう。
*今回は実験の都合上、数分の間にメーカー規定水量をかけているため、実際の着用感とは異なる場合があります。
実験結果をもとに編集部で比較表を作ってみたので、参考にしてみてください。
また、今回の実験はあくまでも吸収力と速乾力のみの検証です。着心地や肌触り、価格など、ショーツ選びになにを重視するか、価値観は人それぞれあります。
ランドリーボックスでは、吸水ショーツの使用レポートを紹介しています。他の人の価値観や使用感を参考に、自分にあったアイテムを選べるといいですよね。
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吸水実験を経て、感じたこと
今回の実験を通して、吸水ショーツ初心者の私は素材も吸水量もメーカーによってさまざまであることを体感しました。
「本当に吸ってくれるの?」という不安に対しては、条件をクリアしていれば吸うと感じました。同じ面に一気に多量の水分をかけないこと、水馴染みするまでは撥水する場合があること。これらさえ気をつけていれば、メーカー規定の水量を吸ってくれるという安心は感じられました。
これを機にGUトリプルガードショーツを購入した私。まずは、量が少ない日からチャレンジしてみようかな。