職場でこんな経験はないでしょうか。

やばい。急に生理がきちゃった…!
生理用品の持ち合わせがない。
忙しくて買いに行く時間もない。

とても困るし、焦るし、なんか落ち込む…。ひとまずトイレットペーパーを挟んでしのいだり、親しい同僚に生理用品を持っているかどうかを聞いて回ったり。とにかく不安で仕事どころじゃなくなりますよね。

みなさんは、会社に生理用品を置いていますか?

デスクの引き出しやロッカーに置いていたり、常にカバンの奥に忍ばせていたり。自分なりに工夫して対策している人も少なくないでしょう。

でも「トイレットペーパーみたいに、ナプキンもトイレに常備されていたらいいのになあ」と思ったことはありませんか?

学校や企業で広がる、生理用品の配布

生理用品ブランド「ロリエ」を手がける花王株式会社が、2022年1月に20〜30代女性500人を対象に行った調査によると、「生理に関するお困りごと」でもっとも多かった回答が「職場での急な生理」だったそうです。

そんな働く人たちの声から始まった、生理用品の備品化プロジェクトが「職場のロリエ」。企業側の費用でナプキンを職場のトイレに設置し、ナプキンを必要とする従業員が、いつでも自由に使えるようにする試みです。福利厚生の一環として、試験的に導入を始めた企業もあるそう。

以前から独自に、女性用トイレに生理用品を設置している宿泊施設や、飲食店も見られました。2021年より、東京都をはじめとする複数の自治体では、学校での生理用品の無償提供が始まっています。

このように教育機関や公共施設などでトイレットペーパーと同じように生理用品が誰でも使えるようにする取り組みが広がっています。働く女性たちが活躍している昨今、従業員を対象にした取り組みも例外ではありません。誰もが安心して働ける環境作りのため、企業も動き始めているのです。

では職場に生理ナプキンを設置した企業では、どんな変化があったのでしょう?どんな思いで導入し、どんな成果が見られたのか、実際に「職場のロリエ」を試験導入した企業に聞きました。

「生理への理解が深まるきっかけに」宝島社

いち早く「職場のロリエ」を試験導入したのは、人気ファッション誌などを手がける出版社、宝島社。その背景を次のように説明します。

「​​女性にとって生理用品はトイレットペーパーと同じように必需品です。弊社は女性が多い職場ですので、ニーズはかなり高い。生理用品が急に必要になったとき、従業員同士で貸し借りをすることもありますが、言い出せなくて不便な思いをしている人もいるかもしれない。生理への理解が深まるきっかけになればいいと思います」

写真提供:宝島社

最近はリモートワークが増え、従業員同士での貸し借りもしづらい環境であることも考慮したそうです。利用者からは「買いに行かずに済んだ」「生理用品の持ち合わせがなくて助かった」という声が寄せられました。

宝島社・総務部の高野小百合さんは、これからの職場環境について「従業員の健康面に配慮して、休養をしながら無理なく働ける環境にしたいです。薬や病院など、医療に関してもひとりひとりに合う対応が見つけられたらいいですね。そのためにできるサポートをしていきたいです」とコメントを寄せています。

また宝島社では、2022年から「もっと話そう!Hello Femtech」というプロジェクトを発足し、生理やPMS、更年期などに関する様々な情報発信を行っています。生理や更年期など、女性特有の身体の問題に向き合う様子が伝わってきますね。

「不安なときも心強い!」「ストレスから解放された!」社員から喜びの声 (ゼリア新薬工業株式会社)

国内唯一(※1)のPMS治療薬「プレフェミン」(※2)を販売しているゼリア新薬工業株式会社は、職場のロリエを「有意義な企画」であるとして試験導入を開始しました。導入後は、従業員たちからこんな声があがったといいます。

※1:OTC医薬品として
※2:プレフェミン <第1類医薬品>
【効能・効果】月経前の乳房のはり、頭痛、イライラ、怒りっぽい、気分変調の緩和
プレフェミンは、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。

「もうすぐ生理かな~って不安なときにもとても心強かった!」
「以前は、小さい巾着袋をタオルや袖口に隠すようにしてお手洗いに持ち込んでいましたが、何も持たなくていいので周りの目も気にならない」
「急になったときに、一度ナプキンを取りに戻るストレスから解放された」
「忙しい朝、忘れずに生理用品の準備をしなければならないストレスがなくなった」

ゼリア新薬工業株式会社の林絵里香さんは、「職場のトイレに生理用品がある、生理休暇が取りやすいなど、生理に関するストレスができるだけ少ない環境づくりを目指したいと思います。全社員が女性特有のからだの不調を理解できる、男性・女性を問わず、そんな職場になることを願っています」とコメントしています。

「日々がんばっている女性をサポートしたい」(アクアクララ株式会社)

安心して飲める宅配水、ウォーターサーバーを提供しているアクアクララ株式会社も、職場のロリエを試験導入しました。きっかけは「職場のロリエ」の取り組みに深く共感したことだといいます。「アクアクララは子育て家庭向けのサービス子育てアクアプランなどをご用意しています。商品・サービスの内容は違えど、日々頑張っている女性をサポートしたいという思いは花王さんと同じです」(アクアクララ:大石有美さん)

写真提供:花王株式会社

導入後は利用者から「手持ちがないときに、自由に使えるのはありがたい」「安心して働ける」というポジティブな声が寄せられたといいます。大石さんは「生理はそもそも話しにくいことだという固定概念がありました。この取り組みをきっかけに社員から声が上がってくるようになれば、それは大きな変化だと思います」とコメント。

また生理はデリケートかつ個人差も大きいことから、この取り組みは、企業が従業員をサポートできる一助になるのではないかと期待を寄せます。

「ストレスがひとつ減り、安心して働くことができる環境を整えることにつながると考えます。女性スタッフが自分らしく輝ける職場にしていきたいと思います」

 *

生理に関するさまざまなお悩みを抱えている人が多いなか、「生理用品を設置する」こと自体は、些細なことかもしれません。それでも、そんな企業がこれから増えていくと、生理がある人も、そうでない人も働きやすい社会を形づくる一歩になるのではないでしょうか。

「職場のロリエ」公式サイトはこちら

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