【今月のお悩み】
生理前のイライラで、つい彼と喧嘩してしまいます……。
「体調不良」+「環境」=「イライラ」
こんにちは。落語家であり、天台宗僧侶である露の団姫(つゆのまるこ)です。生理前にイライラしてしまい、彼と喧嘩になってしまう…。若い女性を中心に、このようなお悩みをよく聞きます。すると、真面目な人ほど「気持ちを落ち着かせなくては…」と考えてしまいがちですが、ちょっと待ってください!
実は生理前のイライラは「気持ちを落ち着かせる」前にできることがあるかもしれません。例えば、「彼との関係の見直し」です。
というのも、生理にまつわるイライラは女性ホルモンの影響のほか、「環境」に起因している場合もあるかもしれません。
例えば、会社も休みで彼とも会わない生理の日を思い出してみてください。自宅でひとりゆっくりと過ごす時間は、「体がしんどい」「眠い」などの症状はあっても、「イライラ」はそれほど感じない、という人もいるのではないでしょうか。もし心の変化があるとしても、それは誰かに対するイライラではなく、ネガティブ思考になる等の症状で、アロマや読書などのリラックス、ストレス解消を通じて自己解決できることもあるかもしれません。
しかし、その体調不良に「他者」が関わると、イライラが発生しやすくなります。しかも、それは他者が関わることで起こる反応ですから、自分だけでどうこうできる問題ばかりではありません。その他者との「環境」を改善しなければ、いつまでたってもイライラはつきまとうのです。では、その環境とは何なのでしょうか。
あなたより先に、彼がイライラしていない?
例えば、職場という環境で考えてみましょう。働きやすい上司といるときと、「結婚しないの?」としつこく聞いてくる上司といるとき、どちらが生理前のイライラが出やすいですか?後者のほうがイライラしやすい人もいるのではないでしょうか。このように、同じ体調でも環境によってイライラの度合いが変わってくることもあります。
では、彼との時間はどうでしょうか。ムカつく上司と違い、彼とは好きで一緒にいるはずです。しかし、好きなはずの彼といるのにイライラしてしまうのであれば…それこそが、彼との関係があなたにとって良くない「環境」であるサインなのです。
例えば、生理のときに彼からこんな言葉をかけられたことはありませんか?
「え?生理なの?じゃあHできないじゃん」
これは悪魔のひと言です。
この言葉をかけられると多くの女性が悲しい気持ちになったり、「申し訳ない」気持ちになったり、彼に気を遣って謝る人もいるでしょう。
しかし、これは冷静に考えてみれば、謝る必要のないことです。あなたの身体より自分の性欲を優先するDV予備軍の男性の言葉でしかありません。それでも、「好き」な気持ちが真実にモヤをかけてしまうので、彼の言葉や態度に焦り、心は余裕をなくしてしまいます。
そして、一度でも彼からこの言葉をぶつけられたり、それに順ずる圧力を感じた経験があると、生理前であっても「生理がきたらどうしよう。彼のキゲンが悪くなるかもしれない…」と、不安にさいなまれます。
そして、自分にぶつけられた不本意な彼のイライラが、また違うイライラとしてあなたの中で再生産されてしまうのです。無言の圧力であれ、実際の言動であれ、あなたの生理にイラつく彼は、いくらあなたが好きでも、あなたの幸せな未来を共にする人ではありません。
生理にまつわるイライラは、あなたのホンネ
お酒に酔うとホンネが出てしまうように、生理で体調が悪いときにでるイライラは、あなたが普段「我慢」というフタをしているホンネかもしれません。生理前のイライラを自分だけのせいにしてしまうことは、我慢に我慢の上塗りをするだけですから、これは心身ともに良いことではないでしょう。
正直な心の声を聞かせてくれる生理前のイライラこそ、生活上の問題点をあぶり出してくれるリトマス紙とも考えられます。このイライラを分析することは、生き方改善のチャンスであると言えるでしょう。
イライラを分析していけば、「日常茶飯事すぎて慣れてしまっていたけど、上司のコレって、セクハラじゃない?」と、今の会社で働き続けることを問い直すきっかけにもなります。
また、「待てよ?なんで私が生理だからって彼に謝らなくちゃいけないの?」と、相手への冷静な視点を持つこともできます。その中で、場合によっては「これは明らかに相手への八つ当たりだったな」など、本当に反省すべきイライラも見えてきます。
「本当にこの職場でいいのか?」
「本当にこの彼でいいのか?」
「本当にこんなことで八つ当たりする自分でいいのか?」
大切なことを教えてくれる生理の「イライラ」に、どうぞ、耳を傾けてみてください。
*生理にまつわるイライラなど、症状がひどい場合は婦人科への受診をおすすめします。