生理中の症状の重さは、人によってさまざまですが、なかには働くのが困難なほど重い症状を持つ人がいます。
労働基準法で定められている「生理休暇」は、ひどい生理痛などで就業が難しい場合に、雇用先に休暇を請求できる権利。しかし、その請求率は、日本では1%を切るという調査結果があります。
ランドリーボックスで行った約300人へのアンケートから、生理休暇の取得状況や給与状況など、実態を見ていきます。
そもそも、生理休暇ってなに?
生理休暇は、生理日の体調不良によって、働くのが難しい人が休暇を請求した場合に取得できる休暇のこと。労働基準法第68条には、「就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできない」と記されています。
また、生理休暇の取得は、正社員だけでなく、アルバイトやパート、契約社員、派遣社員などどのような契約でも認められています。
Q1. 生理がつらいとき生理休暇をとったことある?
ランドリーボックスのアンケート調査では、会社勤めをしている人を対象に、生理休暇の取得経験を聞きました。
その結果、368人中もっとも多かった回答が「生理休暇をとったことがない」で、約4割という結果に。一方、「生理休暇をとったことがある」と回答したのは、わずか16%でした。
続くQ2からは、生理休暇を取得しづらい原因の1つを伺える実情が明らかとなりました。
Q2. あなたの会社の生理休暇は有給?無給?
「雇用先の会社の生理休暇は、有給か無給か」を聞いたところ、298人の回答が集まりました。
その結果、もっとも多かった回答は「無給」の約4割でした。
一方、「有給」と回答したのはわずか15%で、「条件付きの有給」を合わせると約2割強という結果になりました。
生理休暇は雇用形態に関わらず誰でも取得できますが、生理休暇を有給とするか無給とするかは、各企業によって任されています。そのため、特に無給の場合だと、生活や家計に影響が出るため、生理休暇そのものを請求しづらい状況になっていると考えられます。
Q3. 生理休暇はどうしたらとりやすくなると思う?(コメント紹介)
最後に、どうすれば生理休暇が取得しやすくなるか、ランドリーボックス読者に意見を聞きました。
生理休暇制度そのものの見直しが必要
満額じゃなくていいので有給にしてほしい。また、会社や管理者、上司が生理休暇の取得を呼びかけたり制度の説明を十分に行う。
生理休暇を申請しやすくするための環境改善が必要
「生理休暇」ではなく、誰もが自分を労わる日にする。名前を「セルフケア休暇」にするのはどうでしょうか。
申告方法がオンラインになればいいと思う。ボタンひとつで申請できる、など。
男性上司にも申告できるようにしてほしい(私の会社は、なぜか女性の上司にしか申告できません)
組織全体のあり方から変えていくべき
1人や2人かけた程度で影響を受けない、余裕のある人数編成と体制が必要だと思う。
学校の保健体育のように、社員全員に男女の体のしくみを理解してもらう。
アンケートでは、生理休暇を取得しやすくするためには、有給にすること、「生理休暇」を申請しやすい名前に変えること、社員全員の生理に対する正しい理解を進めること、組織全体のあり方を改善することなどが挙げられました。
また、生理に限らず、「更年期休暇」もほしいという意見も見られました。
とりやすい雰囲気づくりも大事
ランドリーボックスは、月に1回、体にまつわるさまざまなトピックをテーマにメンバー(ランドリーボックスラボメンバー)と座談会を開催しています。
5月に「生理休暇」をテーマに開催した座談会で、「どうすれば生理休暇をとりやすくなると思う?」とラボメンバーに質問したところ、多くのメンバーが賛同したのがこの意見。
周りが生理休暇を申請していると、とりやすくなる
周りが生理休暇をとっていないと、とりづらいと感じている人が多く、そういった雰囲気をなくそうと「積極的にとるようにしている」というメンバーも。
みんなが生理休暇を躊躇なくとれる雰囲気づくりも重要だということがわかりました。
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生理休暇が取得しづらい背景には、給与の問題だけでなく、職場の人からの理解が得られないことや、周りの生理に対する知識不足・誤解などがあります。
深刻な体調不良のときに体を休められるだけでなく、病院に行くきっかけも作ることができる生理休暇。その本来の意義が男女問わずに理解され、改善されていく必要があります。
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