任意団体「#みんなの生理」が、7月16日(金)に「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」に「生理の貧困」対策が盛り込まれたことを受けて記者会見を開催した。

#みんなの生理 は「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」の「生理の貧困」対策における方針の問題点や懸念点を指摘し、それを反映させる提案を行った。

女性活躍・男女共同参画の重点方針2021とは 

女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」の内容はコロナ禍において特に女性に対して就業から生活面について様々な形で深刻な影響を与えており、「生理の貧困」問題が顕在化し女性の健康や尊厳に関わる重大な課題となっていることを受けて定められたものだ。

コロナ対策を推進していく中で、女性に重点を置き、女性を取り巻く構造的な問題に取り組む必要があるとの記載がある。雇用や労働に関わる支援や「生理の貧困」への支援、そのほかにも男女間の経済格差に関しても検討する。

経済的な内容で生理用品を購入できない女性の問題が顕在化していることを受けた「生理の貧困」対策としては以下の6つがあげられた。

  1. 地方公共団体が相談支援の一環として行う生理用品の提供を、地域女性活躍推進交付金により支援(内閣府)
  2. 多様かつ複合的な困難を抱える子供たちに対し、地域子供の未来応援交付金により支援(内閣府)
  3. 学校、ハローワーク、福祉事務局などにおける生理用品の提供に関する積極的な協力や関係部局の連携など(内閣府、文科省、厚労省)
  4. 小学校、中学校、高校において生理用品の入手に困難な児童・生徒が判明した場合は、生活支援や福祉制度につなぐ(内閣府)
  5. コロナによる女性の生活習慣等への影響を調べる調査の一環として「生理の貧困」がもたらす健康影響について2021年度から調査する(厚労省)
  6. 横展開に資するよう、各地方公共団体における取り組みの情報提供を開始(内閣府)

懸念点と改善のための提案

画像=©#みんなの生理2021

#みんなの生理はこの対策における問題・懸念点として、以下の4つを指摘した。

  1. コロナ対策の一環とされているために一過性の取り組みになりかねない
  2. 生理用品の提供方法が明らかにされておらず、窓口配布の可能性が高い
  3. 女性活躍の文脈で扱われており、生理のある人が「女性」に限定されている
  4. 経済的要因のみが「生理の貧困」の引き金とされているため、その他の理由で生理用品や生理における情報やケアなどにアクセスできない人々のニーズが不可視化される可能性がある

【関連記事】「#生理の貧困」に声を上げ続けるべき4つの理由。施策を一時的なもので終わらせないため

提案は主に以下の3つだ。上記の懸念点を反映させた改善策として提案した。

  1. 生理用品の軽減税率適用(1、2に対応)
  2. 学校のトイレへの生理用品設置(1、2に対応)
  3. より包括的な調査の実施(3に対応)

#みんなの生理 のメンバーは、2021年7月9日に厚労省が公表して一部で批判の声もあった、見過ごされがちな月経痛などを早期に発見して適切な医療につなげる取り組みを学校や職場などで進める不妊予防の支援策について、以下のようにコメントした。

「将来の体のためにこのような要望を出しているのではなく、単に今の自分の体に関するニーズを満たした社会にしたいという思いで活動しています」

応援メッセージも寄せられた

ライターやアクティビストからの応援メッセージも寄せられた。 #なんでないのプロジェクト の福田和子さんは「生理用品へのアクセスは権利です。決して贅沢品ではありません」とコメントした。

またノンフィクションライターのヒオカさんは「健康で文化的な最低限度の生活のために生理用品が十分に手に入るということは本当に欠かせないこと」だとし、ライターの長田杏奈さんは「軽減税率の対象を決める場に、生理のある人、生理用品を毎月買わなければいけない人がどれだけいたのか疑問です」とコメントした。

イギリスで生理用品への課税(Tampon Tax)撤廃の実現に関わったアクティビストのローラ・コリトンさんからは「私たちにできたのですから、あなたたちにもできます」と力強い応援メッセージが送られた。

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