【お悩み】

花粉症がつらいです。鼻水が出る症状ももちろんありますが、私の場合は頭痛と喉の痛みが特につらいです。おすすめ養生を教えてください。

花粉症の原因は「免疫力の低下」ではない

花粉症のお悩みはとても多い相談の1つです。

日本人の国民病とも言われ、およそ4人に1人が花粉症と言われています。

花粉症は「免疫力が低下している」と思っている人も多いですが、実は逆です。

ざっくり言うと「免疫機能の頑張り過ぎ」が原因です。

体内に入ってきた本来有害ではないスギやヒノキ、ヨモギやブタクサと言った花粉に対して過剰に反応してくしゃみや鼻水、涙などで外に出そうとしている体の反応が、花粉症の症状です。

それでは、花粉症は中医学ではどう考えているのでしょうか?

からだのバリア機能が弱まっている

中医学では、体を害する外的要因のウイルスや細菌、花粉、ホコリ、化学物質などを「邪気(じゃき)」と呼び、体内に侵入させないようにして病気を予防することを重視しています。

そのために大事なのが「衛気(えき)」のはたらきです。

衛気とは、皮膚や鼻・気管支などの粘膜細胞を強化して免疫力を整え、外的刺激から体を守るバリアのようなはたらきをしてくれる気のこと。

衛気は体表にバリアを張り巡らせて、邪気の侵入を阻止し、病気になる前に防ぐのです。この衛気が不足することで、花粉が体の深くまで入ってきて影響を与えると考えます。

この衛気が不足している状態を「衛気虚」と言い、外的刺激の影響を受けやすくなります。

具体的には、風邪をひきやすい、疲れやすい、冷暖房の風に弱い、多汗、季節の変わり目や気温変化で体調を崩しやすいなどの症状が表れます。

現代人は不規則な生活や食生活の乱れ、過度なストレス、睡眠不足、運動不足、生活環境の変化などにより、皮膚や粘膜の免疫力が低下し、衛気も不足しやすくなります。

相談者の場合は頭痛とのどの痛みが出ているということなので、炎症が起きてしまっているような状態ですね。

衛気不足に、熱邪が体に悪さをしていると思われます。

衛気不足を補う養生

衛気を付ける食養生は、以前公開したマスク肌荒れの記事をチェックしてください。

この食養生にプラスして、ミントやきゅうり、ゴボウ、セロリ、タケノコ、菊の花、緑茶などの体の余分な熱を取るものもおすすめです。

写真=本人提供

手軽な方法はミントガムを噛むこと。それだけでも頭痛がすっと軽くなることもありますよ。ミントティーもいいですね。

菊の花茶、緑茶も合わせてティータイムに取り入れられるとよいと思います。

避けたほうがよい生活習慣

花粉症対策として、避けたほうがよい日々の習慣もご紹介します。

1. 睡眠不足、夜更かし

睡眠不足が続くと免疫やホルモンバランスが乱れやすくなり、寝ている間に作られる衛気もきちんと補充されないので過剰に花粉に反応したり、花粉の影響を受けやすくなったりしてしまいます。

花粉症の症状がひどくなれば、鼻づまりやくしゃみなどで夜に眠れなくなり、余計に花粉症の症状もひどくなります。

できれば就寝1時間前からスマホやPCを見るのをやめて、心身ともにリラックスした状態でその日のうちに寝るように心がけましょう。

2. 脂っこい物、味付けの濃い物、冷たい物、乳製品などの食べ過ぎ

これらの食材は「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と呼ばれ、花粉などから体を守るバリア機能「衛気(えき)」をつくる脾(胃腸)に負担をかけ、弱らせる原因になります。

他にもサラダや冷たいヨーグルトなど、体を冷やす食べ物も同様に脾を弱らせる原因になります。

花粉症の症状がひどい人は普段からできるだけお粥やおみそ汁など、温かくてあっさりした和食を中心によく噛んで食べて、腹八分目に抑えて食べ過ぎないようにしましょう。

3. ストレスや疲れを溜める

ストレスや疲れを溜め過ぎると自律神経が乱れ、免疫のバランスが崩れてしまいます。

免疫のバランスが乱れると少量の花粉にも過剰に反応してしまいます。

そのせいで花粉症が悪化すると鼻もグズグズ、目も痒くて眠れなくなるなど、余計にストレスや疲れも溜まってしまう悪循環に…。

日頃から自分なりの方法でこまめにストレスを発散して、疲れを溜め過ぎないようにこまめな休息を心がけましょう。

4. 運動不足

花粉症の時期は外に出ると花粉の影響でくしゃみや鼻水が出るので、つい外に出る機会も減り、運動不足になります。

適度な運動で体を動かし、汗をかくことは、身体をリラックスさせてくれます。また、自律神経のバランスも整う、ストレス発散になる、身体の緊張もほぐしてくれる、などの効果もあります。

ヨガやストレッチ、階段の上り下りなど室内でできることや朝早くの花粉が舞い上がってない時間にウォーキングやランニングをするようにしましょう。

他にもさまざまな養生法がありますが、まずは基本的な「睡眠、食事、運動」から養生してみましょう。

お話した食事・生活週間を整えるだけでも、日々の生活が少し楽になると思います。

花粉症対策は1日にしてならず。

早めに始めて、コツコツ続けていきましょう。

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