生理前は食欲増加により、ついつい甘いものに手が伸びる…。そんな人はとても多いのではないでしょうか。さらには食べてしまったことに対して落ち込んでしまう、なんて人も。いったん負のループに入ってしまうと、なかなか抜け出せません。
今回はそんなふうにお悩みの人のために、3人の専門家にアドバイスをもらいました。

お話を聞いた方

国際中医専門員

田中友也

神戸市にある漢方相談薬局・Coco美漢方薬局勤務。

針灸師

CHIHIRO

銀座、恵比寿、広島など都内を中心に8店舗を展開する、女性限定鍼灸サロンCALISTA、C by CALISTA総院長。

精神科医

鹿目将至

日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。

Q.生理前になると塞いだ気持ちを盛り上げるために、つい甘いものなどカロリーの高い食べ物をたくさん食べてしまいます。結果として太ってしまい、また落ち込みます。負のループから脱出する方法はありますか?

A1.穀類、イモ類、キノコ類などで体の元気と血を補いましょう

田中さん(国際中医専門員):生理前に落ち込んだり、気持ちが不安定になる人は中医学では「体の元気」や「血」が不足している人が多いです。体の元気や血が足りていないと普段なら気にならないことが気になったり、落ち込まないようなことで深く落ち込んだり、といつも以上に感情の起伏が激しくなります。

このタイプの人には、体に元気を補うトウモロコシ、お米などの穀類、かぼちゃ、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類、えのきやしいたけなどキノコ類。なつめやクコの実、プルーン、ぶどうなど赤い物、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげなど黒い物、人参やホウレンソウ、小松菜などの緑黄色野菜、レバーなどを積極的に摂って、体の元気と血を補いましょう。さらに睡眠不足や長時間のスマホ、パソコンなどによる目の疲れにも気をつけながら、しっかり休息する時間をとるようにしましょう。

A2.多少食べてもいいと思ってあげることも必要です

CHIHIROさん(鍼灸師):必要以上にものを食べてしまう、ということは身体が緊張状態にあり、心と身体のバランスが不安定になっています。東洋医学では、五行といって五蔵(肝心脾肺腎)の状態によって、強く欲する味覚があると考えます。例えば、「肝」が弱っている時は酸っぱいものを食べたくなりますし、生理前は「脾(ひ)」が弱っている状態なので、自然と甘いものを食べたくなります。このタイミングなら多少食べてもいいと思ってあげることも必要ではないでしょうか。

また、糖質の多い食べ物は筋肉の緊張を弱めてくれる効果もあるので、身体がリラックス状態を求めているということでもあります。食べたくなった時に意識的にリラックス効果のあるものを少量取り入れると、食べすぎてしまうということも減るでしょう。食事中はよく噛む(一口30回目安)ことを日頃から実践することでも、「脾」の力を高めることができます。なお、鍼灸の治療を定期的に受けることで、五蔵が整って体質が変わり、「甘いものをそれほど欲しくなくなった」という人も多いですよ。

A3.まず野菜や豆腐を食べてから、甘いものを一口二口食べてみましょう

鹿目さん(精神科医):生理前になると、落ち込んだ気持ちをなんとかしようとスイーツについつい手を伸ばしがち。お饅頭やショートケーキ、たっぷりのクリームが乗ったホットケーキなど、最高ですよね。私も大好きです。でも、食べてびっくり、そのカロリーの多さに罪悪感を感じて悩んでしまいます。糖質は脳を刺激してドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を分泌させ、幸せを感じさせる一方で、糖尿病や肥満の原因にもなります。

私の場合、イライラでストレスのはけ口を食事に求めてしまいそうになるときは、まず野菜や豆腐を食べてから、甘いものを一口二口食べるようにしています。そうするとお腹も満足、気持ちも満足させられるのかなと思います。結果として、カロリーの摂りすぎを予防することができます。

Profile

田中友也

鍼灸師、登録販売者、国際中医専門員、メンタルヘルス・マネジメントⅡ種資格保有。関西学院大学法学部卒業後、「イスクラ中医薬研修塾」にて中医学の基礎を学び、北京中医薬大学、上海中医薬大学などで研修。現在は兵庫県神戸市にある「CoCo美漢方(ここびかんぽう)」で日々健康相談にのる傍ら、Twitterで日々、時節に合った親しみやすい中医学や養生の知恵を発信している。

Twitter

CHIHIRO

女性限定鍼灸サロン CALISTA/C by CALISTA総院長。大学卒業後、TV・ラジオ局アナウンサー、PR会社勤務を経て、鍼灸師按摩師マッサージ指圧師になり、CALISTAを設立。セミナー講師や講演会を精力的に行うほか、著書の執筆、雑誌や書籍の監修を多数手掛ける。

CALISTA公式HP

C by CALISTA公式HP

鹿目将至

精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ 』や『「もうもたない…」折れそうでも大丈夫』を出版。「気軽に生きる」をモットーに活動中。

ランドリーボックス では特集「#わたしをいたわるメンタルケア」をはじめました。
世界中で大変なことが起きた2020年も、ようやく終わりを迎えます。
おうちで過ごす時間が増えた今、自分の心やからだと向き合う時間にしてはいかがですか。
たくさん悩んだり、不安になったりして疲れてしまっているあなたのからだと心のために、専門家からもらったアドバイスをぜひ、参考にしてみてください。

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