Photo by Femtech Forum

テクノロジーで女性の健康をサポートする「フェムテック(Femtech)」業界は急成長しており、多くのスタートアップや支援の動きも生まれています。一方で、発展の障壁となる多くの課題も見えてきました。

2020年6月25日、イギリスに本拠地を置く国際フェムテック団体Women of Wearablesが主催する「Femtech Forum」が、オンラインで行われました。

イギリス時間の午前9時〜18時を通して、異なるトピックのパネルディスカッションを1時間毎に開催。欧米中から集まったフェムテック企業の創設者、研究者、投資家、インフルエンサーなどが意見交換を行い、各セッションの後半には視聴者からの質問に答えるQ&Aコーナーも設けられました。

医療系フェムテックのプレイヤーたちによるディスカッション

Photo by Femtech Forum

午後2時からのパネルディスカッションのテーマは「メディカルリサーチにおけるジャンダーギャップ」。医療研究の現場で女性を対象とする動きがまだまだ少ないことが明らかにされました。

パネリストは以下の4人。

  • ジル・アンジェロ(アメリカ):閉経に関する遠隔医療サービスGennevの創設者兼CEO。
  • イルカ・シェルシュミット(ドイツ)製薬会社バイエルの女性の健康臨床部長。
  • ヘレン・ギョーム(アメリカ):女性の身体のサイクルに合わせたトレーニングアプリWILD.AIの創設者兼CEO。
  • ブリタニー・バレット(アメリカ):NPO Femtech Focusの共同創設者兼CEO、遺伝学者。

進行役は、健康に関するニュースサイトMobiHealthNewsの編集者ローラ・ヴァレットさん。

アメリカでは臨床試験の対象に女性を入れることを国立衛生研究所が義務化する1994年まで、医療研究はほぼ男性視点のみで進められていました。それから約25年経った今、現場の実情はどうなっているのでしょうか。

製薬会社バイエル勤務のイルカ・シェルシュミットさんは、製薬業界においてだんだんと臨床試験対象に女性が含まれるようになってきたこと、ただし学術研究ではまだその認識が十分に広まっていないことに言及。

「ドイツの製薬会社は腫瘍学や心臓病学など多くの分野において、現在は女性を臨床研究に入れることが義務化されています。ただ、生殖機能の関係で女性を対象に入れるのが難しいこともあります。例えば、女性は治療中に妊娠する可能性があり、妊婦への安全性のエビデンスがない薬の場合、リスクを回避するために男性のみを対象にすることがあります。現在では大規模な臨床試験ではかなりの数の女性が対象となっているのは確かです。

ただし、製薬業界とは違って学術研究業界では規制は緩く、状況は異なります。予算が限られているため、製薬会社のように多くの試験もできない。アカデミックな分野のこうした現状に対しては、権威ある団体や機関が『女性を対象に含めるように』と要請していくことが必要なのだと思います」

ここからは、「データのジェンダー格差と多様性の欠如」、「テクノロジーはギャップを埋める助けとなるか」、「テック系企業と製薬会社の提携の理想の形」、「現在のデジタルヘルスケアは“メンテック”」といったテーマで熱い議論が繰り広げられました。

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