韓国の裁判所は25日、雇用法で保護されている生理休暇を従業員が取得するのを拒否したアシアナ航空の元CEOに対し、罰金200万ウォン(約19万円)の支払いを命じた。BBCなどが報じている。
支払いが命じられたのは、アシアナ航空の元CEOキム・スチョン氏。
彼は、2014年と2015年に計15人の客室乗務員からの生理休暇申請を却下していた。
元CEO「生理を証明する書類が提出されていなかった」
1953年から、生理痛がある場合は月に1日の生理休暇の取得が認められるようになった韓国。
BBCによると、キム・スチョン氏は、従業員が生理を証明する書類を提出しなかったと主張していた。
司法の判断は「プライバシーおよび人権侵害にあたる可能性がある」
また、2017年の時点で裁判所から有罪判決を受けていたキム氏。
韓国聯合ニュースによると、キム氏は従業員が休日や休暇の前後に生理休暇を申請するといった「生理かどうか疑わしいケースが多かった」と主張していたという。
しかし、キム氏の主張に対して、2017年に下級裁判所が下したのは、従業員に生理の証明を求めることは「プライバシーおよび人権侵害」にあたる可能性があるとの判断。
この判決は、高等裁判所でも支持されたという。
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日本では未だ利用する人が少ない生理休暇。
生理の症状に個人差はあれど、生理休暇があるだけで、働く際のストレスが減っている人もいるはずだ。今回の韓国の事例からは、当事者にとっては欠かせない生理休暇を気兼ねなく使えるためには、職場の理解がより必要と示した事例と言えるだろう。