生理、セックス、性感染症、避妊、不妊症、妊娠・出産、更年期症状、婦人科のがん…女性の体の悩みは尽きない。
「こんなことで産婦人科を受診していいのだろうか」と、迷えるすべての女性への頼もしい味方になる『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100 (電子版付) 』が日本医事新報社から発売された。
本書はランドリーボックスの記事でも監修を務める産婦人科医の柴田綾子先生が、共同執筆者に名を連ねている。
本書の発売に際し、柴田先生に話を聞いた。
女性のカラダに関して、誤った情報が溢れているから
——本書を執筆した意図について教えてください
柴田先生:女性の体に関する情報はインターネット、雑誌、本などで多く見られますが、その中には個人の勘違いや、間違った情報が含まれていることがあります。よくある誤解としてたとえば「体を温めると生理痛が改善される/不妊症が治る」「生理痛の薬はクセになる」「生理が痛いのは当たり前」などがあります。
また避妊、セックス、不妊症、婦人科がんなどは、「何が正しい情報なのか」が分からなくなっていることも多いです。そんな中で「まずはこの部分をおさえよう」というポイントを、見開き2ページで解説するようにしました。
まずは目次にある100個の質問の中から自分の興味のあるものをチェックして、解説を読んでもらえたらと思います。
現場でよくある質問を、専門医の視点でわかりやすく
——医師向けにも参考になる内容だとうかがっていますが、一般の読者として、どんな人に読んでもらいたいですか?
柴田先生:産婦人科の外来で、女性から多くいただく100の質問を想定し、エビデンスに基づく回答をQ&A形式で解説した本です。医師でもそうでない方にもお役立ていただける内容です。医師以外の読者のみなさまには、次のような形で活用していただけたら嬉しいです。
①思春期の子どもを持つ親御さんへ
おりものや性感染症、セックス、避妊のことなど「質問されたらどうしよう!」となりやすい事柄について、産婦人科医の視点から分かりやすく解説してみました。性教育のときに参考にしてください。
②働く女性へ
生理痛、不妊症、更年期障害、妊娠・出産、、、働く女性が抱えるさまざまな病気について、自分でできるセルフケアや、どんなときに産婦人科を受診したほうがいいのかを解説していています。
③不妊治療中の方へ
不妊治療を実際にしている産婦人科医より、現場でどのように説明しているかを解説してもらいました。治療中の疑問や分からないことがあったときは参考にしてください。
④婦人科がんの治療中の方へ
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんについて、診断や治療について解説しました。参考文献のところにさらにに詳しく知りたい方への資料も紹介しています。最近は検査や治療が複雑で大変だと思いますが少しでもお役に立てば嬉しいです。
書籍情報
『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100 (電子版付) 』(日本医事新報社)
監修者プロフィール
柴田綾子(しばた あやこ):淀川キリスト教病院産婦人科医長
2011年群馬大学医学部医学科卒業。 沖縄県立中部病院を経て,2013年より淀川キリスト教病院産婦人科に勤務。2020年より現職。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中! 』(中外医学社),『産婦人科研修ポケットガイド』(金芳堂)。
重見大介(しげみ だいすけ):産婦人科専門医/公衆衛生学修士/(株)Kids Public「産婦人科オンライン」代表
2010年日本医科大学卒。「産婦人科×公衆衛生」を中心に,臨床,研究,教育,ビジネスの視点を組み合わせた新たな価値の創造を目指す。2018年より(株)Kids Publicの産婦人科部門を統括し,遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」を運営。産婦人科領域の臨床疫学研究にも携わっている。
監修者・執筆者プロフィール
菊地 盤(きくち いわほ):メディカルパーク横浜院長/順天堂大学医学部産婦人科学講座客員准教授
1994年順天堂大学医学部卒。同大医学部附属順天堂医院産科・婦人科准教授,同浦安病院リプロダクションセンター長を経て,世界初となる公費助成による千葉県浦安市「卵子凍結保存プロジェクト」の責任者として活躍。 プロジェクト終了後の2019年より現職。