「アフターピルはいつまでに服用すればいい?」「アフターピルはどこで処方される?」アフターピル(緊急避妊薬)という言葉を聞いたことがあってもくわしく知らない人は多いかもしれません。アフターピルは、避妊の失敗や性暴力の被害にあったときなどによる望まない妊娠を緊急に防ぐ薬のことです。この記事では、アフターピルの効果、処方してもらう方法を説明します。
アフターピルの効果
アフターピルは、避妊しなかった性交(セックス)や避妊手段が適切でなかった性交の後に、緊急に服用する避妊薬のことです。アフターピルには女性ホルモンが多く含まれていて、排卵を抑制したり、遅らせたりする効果があります。72時間以内に服用することで妊娠の確率を下げられます。
また、アフターピルを服用した約80%の女性は、5~7日間は排卵が行われないというデータがあり、その間に膣内の精子は受精能力を失うため、望まない妊娠を防ぎます。
性交後の時間が経つほど効果が落ちていくため、アフターピルを服用したいときは、なるべく早く婦人科を受診しましょう。
アフターピルの副作用
アフターピルの副作用として吐き気がみられることがあり、まれに嘔吐することがあります。服用して2時間以内に嘔吐した場合は、再度服用する必要があります。
また、アフターピルは排卵を抑制したり、遅らせたりする効果があるため、一時的に生理周期が乱れることがあります。
アフターピルの入手方法や費用
アフターピルはドラッグストアや薬局での購入はできず、医師の診察を受けた上で処方されます。費用は薬剤の種類により異なりますが、5,000~18,000円ほどになります。
アフターピルの種類
アフターピルには、2種類の薬剤があります。
ノルレボ
ノルレボは日本では2011年に認可された緊急避妊薬です。ノルレボは緊急避妊薬として開発され、女性ホルモンである黄体ホルモンが主成分として配合されています。
服用方法としては、性交後の72時間以内に1錠を飲みます。72時間以内に正しく服用した場合の妊娠阻止率は約85%程度です。
ノルレボの認可前に用いられていたヤッペ法よりも副作用も少なく、避妊率も高いことから現在ではノルレボが一般的です。
プラノバール(ヤッペ法)
プラノバールは緊急避妊用の薬剤ではなく、中用量ピルを使った性交後の緊急避妊法です。ノルレボが認可されるまでは使用されていました。
プラノバールには、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、性交後72時間以内に2錠、その後12時間後にさらに2錠服用します。
24時間以内に正しくヤッペ法を行った場合の妊娠阻止率は77%程度といわれています。吐き気や嘔吐などの副作用が出やすいです。性交から24時間経過すると、妊娠阻止率は40%以下に下がってしまいます。
万が一のときにアフターピルについて知っていれば、望まない妊娠を防げる可能性が高まります。しかし、アフターピルは緊急的な措置です。普段からコンドームを正しく使う、低用量ピルを飲むなどが確実な避妊につながります。
監修者プロフィール
鹿目将至
精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県内の病院に勤務。「気軽に生きる」をモットーに活動中。