生理中だけどプールに入ったり、温泉に入ったりする用事が重なりそう。ナプキンの漏れが気になる。そんなときはタンポンを使うと安心です。この記事では、タンポンの仕組みや正しい使い方、注意点をお伝えします。
タンポンの仕組み
タンポンは腟内に入れて使う生理用品です。
もっともポピュラーなアプリケータータイプは、以下ふたつの部分でできています。
・アプリケーター
吸収体を正しい位置に挿入する助けになります
・吸収体
生理の経血を吸収します。この吸収体を腟内に入れることで、生理の経血を吸収します。
アプリケータータイプ以外に、吸収体のみのフィンガータイプもあります。アプリケータータイプの方が正しく挿入しやすいので、タンポンに慣れるまではアプリケータータイプがおすすめです。
また、タンポンは、ナプキンと同じように生理の量によって商品が分かれています。生理の量に応じて、タンポンを選ぶようにしましょう。
タンポンを使うメリット
タンポンを使うメリットは、おもに以下のふたつです。
・生理中でも、プールや温泉に入れる
・運動などで激しく動いても、生理の経血が漏れにくい
生理用ナプキンと比較すると、生理中でも自由に動きやすいことがタンポンを使うメリットです。
タンポンの入れ方
初めてタンポンを使用する場合は、タンポンが比較的挿入しやすい生理の量が多い日に、リラックスできる自宅のトイレやバスルームで試すのがおすすめ。慣れるまではアプリケータータイプのほうが挿入しやすいです。
【アプリケータータイプのタンポンの場合】
1.手をきれいに洗ってから、袋からタンポンを取り出します。取り出し用の糸がついていることを確認してください。タンポンのアプリケーターの真ん中のギザギザの部分が持ち手です。持ち手を親指と中指で挟み、白い筒の部分を腟に入れます。
痛みなく挿入するためには、挿入する向きを真上ではなくやや斜め後ろにするのがポイントです。身体に力が入っているとスムーズに挿入できないので、ゆっくりと呼吸しながら入れてみてください。
2.タンポンを挿入していき、持ち手を握っていた指が腟の入口まできたら、筒の部分を押します。すると、吸収体がアプリケーターによって押し出されて、吸収体が腟の奥に入ります。
3.アプリケーターを最後まで押し切り、タンポンの吸収体が無事に入ったら、アプリケーターは抜き取ってください。このとき、タンポンのひもはひっぱらないようにします。タンポンのひもは取り出すときに使うので、必ず腟外に出しておいてください。
タンポンの違和感を感じない場合は、正しい位置である無感覚ゾーンに収まっています。もし、タンポンを入れた後に違和感がある場合は、挿入位置が浅すぎる可能性があるので、新しいタンポンで挿入をやり直してみてください。
【フィンガータイプのタンポンの場合】
1.手をきれいに洗い、袋からタンポンを取り出します。取り出し用の糸がついていることを確認します。
2.親指と中指でタンポンを挟み、腟のなかに指の第2関節まで入るくらいまで押し込みます。
3.十分に腟の奥に入ったら、そのまま指だけ腟から抜いてきます。取り出し用のひもは必ず腟外に出しておいてください。
タンポンの外し方
タンポンを外すときは、手を洗ってからトイレ等で取り出します。身体の力を抜いて息を吐きながら、タンポンのヒモをそっと引っ張ってください。取り出した吸収体はトイレには流さずにサニタリーボックス(汚物入れ)へ入れましょう。
ヒモを引っ張ると手の上に落ちてくることもあるので、気になる方はあらかじめトイレットペーパーを手のひらに広げておくなど、準備をしておきましょう。
タンポンを使うときの注意点
タンポンを使用して一番困るのは、なかなかタンポンが抜けないとき。タンポンを長時間使用して、経血をたくさん吸った吸収体が膨張すると、タンポンが抜けにくくなってしまいます。タンポンは4~8時間で必ず新しいものに交換するようにしましょう。そして、タンポンのヒモは、外すときに使うので絶対に切らないようにしてください。
また、タンポン使用時に手が清潔でなかったり、使用時間の8時間を超えて長時間使用したりすると、黄色ブドウ球菌が腟内で増殖し、発熱、腹痛、発疹、吐き気などが出てくることがあります。これはTSS(トキシックショック症候群)と呼ばれ、黄色ブドウ球菌が生み出す毒素が引き起こす病気です。
そのため、タンポンを挿入するときは手を清潔にして、8時間以上は腟に入れたままにしないようにしましょう。タンポン使用中に体調の変化を感じたときは、タンポンの使用を中止し、産婦人科へご相談ください。
月経カップを使うという選択肢もある
生理中にプールや温泉に入るときは、タンポンではなく月経カップを使うという選択肢もあります。
月経カップは、医療用シリコンでできたカップ型の生理用品で、腟内に入れて使用します。
経血をカップ内に溜めておけるので、経血のにおいやナプキンの蒸れなどの悩みから解放されます。
メーカーによって違いがありますが、経血量が多くない場合は最大8時間~12時間装着して置けるので、タンポンよりも交換の手間が省けます。
月経カップの使用方法が気になる方は、「慣れてしまえば超快適!月経カップの使い方」の記事をチェックしてみてくださいね。
監修者プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子
2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。