生理中はいつもより不調を感じる人もいるでしょう。そのため、生理中は運動をしないほうがいいのではと考えるかもしれません。しかし、適度な運動は気分転換やストレス解消にもつながるので、うまく取り入れてみましょう。生理中の運動の効果や運動時におすすめのアイテムも紹介します。
生理中は運動しないほうがいいの?
生理中でも適度な運動であれば問題ありません。むしろ身体を動かすことで、血行改善やストレス解消などの効果が期待できます。
血行促進につながる
女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、身体の冷えを感じる方がたくさんいます。また、基礎体温は生理が始まると低くなるため、生理中に冷えを感じる女性は多いかもしれません。生理中に適度に身体を動かすことは、血行促進につながり冷えが改善されやすくなります。
ストレス解消
生理前から生理中は女性ホルモンのバランスが大きく変化します。PMSなどの身体の不調や生理痛に悩まされる人もいるでしょう。生理痛が重い場合は安静が必要ですが、症状が軽ければ無理に安静にする必要はありません。気持ちが沈んでいるときは、散歩やストレッチなどで少し身体を動かすことで、気分転換になります。
寝つきがよくなる
生理中に寝つきが悪くなる人もいます。適度な運動で心地よい疲労感があると、寝つきがよくなる効果が期待できます。
生理中におすすめの運動と注意が必要な運動
生理中におすすめの運動は、ヨガやストレッチ、散歩などです。ヨガやストレッチは自宅でも手軽にできます。最近では動画サイトでも気軽に確認できるので、自分に合うものを見つけてみてもいいでしょう。
散歩は自宅近くの公園や近所を歩いてみましょう。外の景色を見ることで気分転換にもつながります。
ただし、生理中は経血の排出があるため貧血になりやすいので、ハードな運動はなるべく避けましょう。普段からハードに運動している人は自分の体調に気を配りながら、運動するようにしましょう。
生理時の運動を快適にするおすすめアイテム
生理時の運動で気になるのは、ナプキンがずれることによる経血のモレではないでしょうか。そんなときにおすすめのアイテムが、月経カップとタンポン、吸水ショーツです。それぞれの特徴をまとめましたので、自分に合うものを選んでみてください。
タンポン
タンポンは、経血を吸う吸収体を、膣内に挿入する生理用品です。挿入したままプールや温泉にも入れて、運動で身体を動かしても経血が漏れにくいです。ドラッグストアなどでも手に入りやすく、挿入しやすい形をしているので手軽に試せます。
注意点としては、4~8時間で必ず新しいものに交換することです。タンポンの正しい使い方については、「タンポンを使うときの注意点」の記事でくわしく紹介しています。
月経カップ
月経カップは医療用シリコンなどでできたカップ型の生理用品。膣内に入れて経血を溜めて使用するため、ニオイやムレが気になりにくいです。挿入したままお風呂やプールにも入れます。繰り返し使えるので、経済的でエコなアイテムです。
月経カップは自分で膣内に専用カップを挿入して使用します。慣れるまでは少し時間がかかります。使い方についてくわしく知りたい人は、「月経カップの使い方」の記事をチェックしてみましょう。
吸水ショーツ
吸水ショーツは水分を吸収してくれるショーツです。量が少なくなってきたタイミングなら、吸水ショーツのみでも過ごせます。さまざまな吸水ショーツが発売されていますので、どんな商品があるのか知りたい人は「吸水ショーツの比較」を確認してみてください。
生理中は気分転換やリラクゼーションにつながる運動を
生理中の適度な運動によって、心身共にリフレッシュできます。ハードすぎる運動は避けながら、ヨガやストレッチ、散歩などで気分転換してみましょう。
監修者プロフィール
淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田綾子
2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修。世界遺産15カ国ほど旅行した経験から女性や母親を支援する職業になりたいと産婦人科医を専攻する。 総合医療雑誌J-COSMO編集委員を務め、主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。