「セックスの後にお腹が痛くなる」病気のサイン？原因と対処法（医師監修）

挿入をともなうセックスの後に、お腹が痛くなったことはありませんか？

セックス直後だけではなく、数時間、数日経ってから下腹部に違和感を感じるという人も。

これには、病気によるケースと病気ではないケースが考えられます。

今回は、セックスでお腹が痛くなったときに考えられる原因と、その対処法をご紹介します。

■病気ではないケース

原因1: 体位が合っていない

ペニスの挿入が深すぎることがひとつの原因として考えられます。挿入が深すぎると周囲の臓器に刺激や圧が加わるため、行為後に痛みを感じるようになります。また、挿入時に腸への刺激が強かった場合に、下痢などの症状をともなうこともあります。

女性の1〜2割は子宮が骨盤の底の方に傾いている（後屈）と言われていて、後屈の場合は性行為の痛みが強いことがあります。これには個人差があり、挿入が浅くなる横向きの体位を取ることで改善される可能性があります。無理な体位を避けて、自分とパートナーに合った体位を見つけることが重要です。

また、OHNUTのような挿入の深さをコントロールするグッズを使うのもおすすめです。

参考記事：75%の女性が経験アリ。誰にも言えない「性交痛」の悩みからプロダクト開発した彼女の挑戦

原因2: 排卵

性行為の前後に排卵が起こることで、排卵痛が長引くことがあります。排卵痛は病気ではなく、通常は1～2日で自然に治ります。

ただし排卵のときに卵巣から出血して、卵巣出血という病気がおこってしまうこともあります。この場合は、痛みが1～2週間続くことがあります。

原因3: 便秘

子宮や腟のすぐ近くに腸があるため、便秘により腸に便の塊があると、性行為のときに痛みを感じることがあります。

■病気によるケース

原因4: 性感染症

クラミジアや淋（りん）病といった、性感染症による骨盤内腹膜炎が腹痛の原因になっているかもしれません。

性感染症の疑いがある場合は、医療機関を受診して検査を行いましょう。

治療方法は病原体によってさまざまですが、完治させるのには時間がかかるものもあります。もしかして？と思ったタイミングでの、早めの受診を心がけましょう。

原因5: オーガズムによる症状

Postorgasmic illness syndrome（POIS：オーガズム後症候群）という病気は男性に多いのですが、女性にも起こることがあります。多くは風邪症状ですが、まれに腹痛をともなうこともあります。

これはセックスでオーガズムに達したときに分泌される精液等へのアレルギーや、自己免疫反応、脳内ホルモンの影響で、頭痛や倦怠感などのさまざまな不調が現れる疾患と考えられています。

原因6: 子宮・卵巣の周りの疾患

子宮や卵巣、そしてその周りにある膀胱・腟・腸などの病気が原因で性行為後に腹痛を感じている可能性があります。

考えられる疾患は次のとおりです。

• 子宮内膜症
• 子宮筋腫
• 卵巣や子宮の炎症・卵巣出血
• 卵巣嚢胞（のうほう）
• 性交後膀胱炎
• 腟痙攣（ちつけいれん）
• 過敏性腸症候群

対処法1: パートナーに相談する

セックス後の腹痛の原因が疾患をともなわない場合、パートナーとの話し合いで解決できることもあります。

お互い無理をすることがないよう、体位を工夫してみるなど歩み寄ることが大切です。

痛みを我慢し続けた結果、セックスレスになってしまうケースもあります。パートナー間だけで解決できない場合には専門家に相談してみるのも良いかもしれません。

対処法2： 婦人科を受診する

病院と聞くとややハードルが高いように感じる人もいるかもしれませんが、実際にこのようなお悩みで婦人科を受診される方も多いです。

セックス後の腹痛を放っておくと、痛みがひどくなったり、病気が進行したり、将来の妊娠に悪影響があるなど、より大きな問題を引き起こす可能性があります。

少しでも違和感を感じたら、婦人科医に相談してみてください。

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