75%もの女性が性交痛を経験しているのに、話題にされることはほとんどない

もしもあなたがセックスで痛みを感じることがあったとしても、それは決して珍しいことではない。実に75%もの女性が性交痛を経験しているからだ。

しかし、そのことを話せないまま我慢している女性も同じくらい存在している。

性交痛を軽減してくれるプロダクト”Ohnut”を開発したエミリー・ザウアーもその一人だった。Ohnutはシリコンでできたリングをいくつか重ねたものを男性器に装着することで挿入深度をコントロールすることができるプロダクトだ。

Ohnut開発者のエミリー・ザウアー氏(Laundry Box)

「私には当時、誰にも言えない悩みがありました。それは時々セックスが痛みを伴うものだったということです。婦人科医師に相談しても何も解決しない状況が10年以上続きました。その間、期待値にそぐわない身体について自分を責めながら、この気持ちは誰にも理解されないだろうと思っていました」

痛みに耐えかねた彼女は挿入深度をコントロールするプロダクトの開発に着手した。Ohnutのプロトタイプを作った彼女が気づいたのは、そのプロダクトがフィジカルに効果的だということだけでなく、このプロダクトが多くの人の助けになるような素晴らしいアイデアであるということだった。

「気づけば医師を含め多くの知らない人たちからOhnutの研究開発に関する電話やメールが来るようになりました。そこから私は発明家であり提唱者、そしてビジネスウーマンになったんです」

エミリーはOhnutの開発支援の高まりを受け、Kickstarterでクラウドファンディングのキャンペーンを開始した。

Ohnutのようなプロダクトを待ち望んでいた人々がいる一方で、性交痛についてのキャンペーンをシェアすることに躊躇する人も少なくなかった。

「女性たちは、痛みについて内在化し沈黙する習慣がついてしまっているせいでしょう。しかし、私たちのSNSには、これまで誰にも共有することのできなかった悲痛な経験談や応援コメントで溢れたのです。

アメリカのメディアNow This NewsでOhnutについて私がインタビューを受けた動画は、たった3日で100万再生もされました」

セックスで自信を持つということは、自分に自信を持つということ

Laundry Box

Ohnutのビジネス開発初期には、Ohnutを2つのブランドに分けたほうが良いといった声も挙がったという。ひとつは、よりセクシャルプレジャー(性的喜び)に特化したもの。もうひとつはクリニカル(医療的)な性質のもの。

しかし、エミリーにとってOhnutはどちらも不可分だった。

「Ohnutは両方のカテゴリーに属するものです。セクシャルヘルスや性的に自信を持つということは、肉体的・性的な範囲にとどまらず、生きる上での自尊心そのものに影響するものです。単純に”肉体的満足を得るための行為”としてしまうと、セックスが感情を持った人間の営みであるという大切なことを見失ってしまうことになります」

セックスの痛みがいかに自尊心を傷つけるものであるかを実感していたエミリーの体験こそが、Ohnutというプロダクトを形作っている。そしてその効果を実感しているのがユーザーだ。

「ユーザーからのフィードバックは、驚くほどポジティブです。まず、セックスがいかに複雑なものになり得るかをOhnutが気づかせてくれること、そしてその理解こそが自分に自信を持たせてくれると喜んでいるのです。セックスで何かがうまくいかなかったり、気持ちが良くなかったりする時、私たちは自信を失い、自尊心が傷ついてしまうことがあります」

痛くても痛いなんて言えない……うまくいかないのは自分のせい……気持ちよくなれない自分がいけない……そんなふうに考えて沈黙したり自分を責めてしまうことは、少しずつ自分を傷つける行為なのに、多くの女性が自分を追い込んでしまっている。

「痛みや苦痛を伴うセックスは、いつも沈黙のうちに起こりますが、それを続ける必要はないのです。男性だってパートナーを傷つけたくないと思っている人がほとんどですから」

Ohnutは話すきっかけをつくってくれる

そうは言っても、なかなか言い出すことが難しいのも事実。

「性交痛について話し合うのに一番簡単な方法は、手助けになるものを探すこと。何か記事や動画、プロダクトでもいい。ちなみにOhnutのとても良いところは、話しやすいところ!そしてそういうものを多くの人が求めていたわけです。しかもとってもかわいいでしょう!」

たしかにこのポップでかわいらしい見た目のアイテムなら、話すきっかけを作りやすくなりそうだ。エミリーによれば、Ohnutの真髄は”親しみやすさ”にあるそう。ぐにゃぐにゃと柔らかい素材、色、質感、そしてリングの形。すべてが親しみやすさにこだわって作られている。肌のような質感に、ほとんどの男性がつけていることさえ忘れてしまうという。

「デザインは当初からドーナツ型で、Ohnutという名前はそこからきています。よくユーザーからは深海生物のようだとか、植木鉢のようだとか、セックスレゴのようだとも言われたことも。みんながOhnutでクリエイティブになってくれるのが私たちはとても嬉しいのです。セックスの時にカップルがリングを足したり減らしたりして、お互いにとってどのくらいの深さが気持ちいいのか、楽しみながらカスタマイズしていく。安心してリラックスできるセックスをつくっていくことができます」

カップルにとって一番親密な瞬間だからこそ、安心できることはとても大切だ。多くの女性ユーザーにとって、Ohnutは自尊心を取り戻してくれるだけでなく、パートナーとの関係を良好にしてくれる”ライフセーバー(救い)”だったとの声も寄せられるという。

「しかも、新たにエキサイティングな体位を試せるようになったという喜びの声もね!:) 」

Photo by Toa Heftiba on Unsplash

きっと自分だけじゃない

「何かきっかけを作って、男性でも女性でもいいから友だちと話してみてください。セックスの痛みにどれだけの共感が得られるか驚くはずです」

自分だけじゃないと知ることは、自分を責める必要がないということに気づかせてくれる。

「未来はとっても明るいわ!私たちはこれからフェムテック界の他のパイオニアたちや会社と協力して、よりグローバルな視点で女性のセクシャルヘルスや骨盤の健康について(pelvic health)の課題解決に取り組んでいきます。そして、医療業界とも協力して研究にも貢献していきたいと考えています。Ohnutは、ミッション重視のブランドであることを誇りに思っています」

現在のフェムテック界では、Ohnutのようにこれまで表面化していなかった女性の課題に向き合うプロダクトが数多く生まれているのだ。そう、未来は明るい。どんどん話そう。

*ランドリーボックスではOhnutの取り扱いを開始しました。

Laundry Box

今後もフェムテック商品と関連情報をお届けします。

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