ニュージーランド議会は、2020年3月24日、流産や死産を経験した女性とそのパートナーが3日間の有給休暇を取得できるようにする法案を全会一致で可決した。New York Timesなどが報じている。
妊娠期間に関係なく有給休暇を取得できる
ニュージーランドではこれまで、妊娠20週以降に死産を経験したカップルに有給休暇が与えられてきた。
今回新たに可決された法案によって、妊娠期間の長さに関係なく、流産も「忌引有給休暇」の対象となる。法案は、今後数週間で法制化される予定。
また、同法案の提出者であるジニー・アンダーセン議員(労働党)は、「女性たちがストイックに人生を歩むのではなく、精神的かつ肉体的に回復するための時間が必要だと感じたとき、必要に応じて休暇をリクエストできると分かっていることが女性に自信を与えられると思った」とNew York Timesで語っている。
ただし、人工妊娠中絶は今回の法案では適用外であるとアンダーセン議員は述べる。
流産を経験した人が働きやすい環境を目指す
働く女性は、妊娠・出産のようなライフイベントによって仕事との両立が困難になったり、昇進などの機会を逃してしまうことがある。
アンダーセン議員は、今回の法案に対して「これは労働者の権利と公平さに関する法案だ。この法案が人々に悲しむ時間を与え、流産に対する寛容さを促進することを願っている」とツイート。
今回のニュージーランドの法案は、流産を経験した女性を精神面で支え、パートナー共々支援していくことを国が発信した法案と言えるだろう。
なお、ニュージーランド政府は「生理の貧困」対策にも取り組んでおり、2021年6月からは、すべての学校で生理用品が無料提供されることになった(くわしくはこちらの記事にて)
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