株式会社エムティーアイが運営する女性の健康情報サービス『ルナルナ』は、20周年を機に2020年11月より女性のカラダとココロの理解浸透プロジェクト「FEMCATION(フェムケーション)」をスタートした。
ルナルナはプロジェクトの1周年を記念して、生理周期に伴う女性のカラダとココロについて、男性側の意識や理解度などの本音を調査した「FEMCATION白書」を公開した。
ランドリーボックスでは、一部を抜粋して紹介する。
生理とは何か「自信を持って説明できる」と回答した男性は1割以下
「生理」とはどういうものか説明できるかという質問に対して、「自信を持って説明できる」と回答した男性はわずか8.7%という結果に。「なんとなく説明できる」と解答した人を含めても全体の半数以下に留まった。
また、交際経験のない人や未婚の人と比べて、交際経験のある人や既婚の人のほうが「説明できる」と解答した割合が多いこともわかった。身近に女性がいるかどうかで生理についての知識量も変化するようだ。
また、女性から生理に関連することで理解や助けを求められた際にどのような対応がとれるかという質問では「特に自分にできることはないと思う」(17.0%)と答えた人のうち、学ぶ機会がなかった人は22.1%、学ぶ機会があった人は3.9%と比べて大幅に多い結果に。生理について学ぶ機会の有無が、サポートへの積極的な姿勢に関係していることがわかった。
そのほかには「話を聞いて寄り添ってあげる」(53.6%)と「具体的に必要なサポートを聞いて対応する」(54.2%)が全体においてほぼ同数で最も多い回答となった。
約8割の男性はPMSを理解していない
生理について説明できると回答した男性が半数いたのに対して、PMSについては「他人へ説明できるほど理解している」と「なんとなく理解している」をあわせても全体の約2割にとどまる結果に。8割近くの男性がPMSについて理解していないことがわかった。
交際経験のある男性や既婚男性ではではPMSを知っている割合が少し増えるものの、生理と比べるとその割合は圧倒的に少ないことが判明した。
PMSについて理解していると答えた男性でも、半数以上は、「あまり/まったく学ぶ機会がなかった」と回答し、生理に対して同様の質問をしたときとほとんど同じ結果となった。
学ぶ機会があったと思う理由を質問すると「妻や恋人、パートナーから教わったから」が36.8%と最も多く、身近な女性に学んでいる男性が多いことがわかった。
PMSの症状で女性が困っていた場合の対応として、最も多かったのは「どうして欲しいか聞く」、続いて「家事や仕事のサポート」「症状を尋ねる」の項目。PMSについて学ぶ機会がなかった男性は「どうしていいかわからない」の割合が26.2%で、学ぶ機会があった男性の5%と比べて圧倒的に多い結果となった。
PMSについて学ぶ機会があった男性は、学ぶ機会がなかった男性に比べてほとんどの項目においてサポートの姿勢がより積極的になっていて、「そっとしておいてあげる」と回答する人の割合もPMSを知っている人の方が圧倒的に多く、女性への配慮として認識されているようだ。
生理について会話することにタブー意識を持つ男性が多数
家庭内で生理について会話をしたことがある男性は全体の36.7%という結果に。交際経験のある男性では6割弱、妻がいる人でも4割近くが家庭内で生理について会話したことがないという結果になり、家庭内でも生理について会話するのは難しいと感じている男性が多いようだ。
その理由については、家庭内、職場内ともに「話す機会がなかった」が最も多い結果に。次いで「なんとなく話さないようにしていた」「話さないのがマナーだと思っていた」「タブーだと感じていた」という回答が多くあがり、生理について話すことがはばかられると感じている男性が一定数いることがわかった。
生理について会話したことで困ったことがあるかどうかを聞いた質問では、家庭内と職場内で大きく結果が分かれた。家庭内では「特にない」が47.4%で半数を占めたのに対して、職場内では「セクハラにならないか不安になった」が36.6%と最も多い結果になった。
「現在の風潮では男性から女性または、その逆において女性特有の体調について多くを語らないのがとても残念。私は姉妹がいるので、家の中の日常会話で生理はよく耳にします。ところが他人となると言いづらいし聞きづらいのでもどかしい。(40〜44歳、会社員・公務員)」という意見も寄せられ、家庭内と職場内では男性の意識も変化しうることがわかった。
同調査ではルナルナを利用している女性にもアンケートを実施した。
生理に関して男性から質問や問いかけがあった際に、どういった対応がとれるかを女性に尋ねた結果、最も多かった回答は「自分の実体験をまじえて答えてあげることができる」(73.7%)で、7割以上の女性が回答。次に多かったのが「女性のカラダの仕組みをまじえて答えてあげることができる」(39.5)だった。
「答えたくない/自分にできることはないと思う」「産婦人科医師へ質問するようにすすめる」「ほかの女性に質問するようにすすめる」と答えた人の割合はいずれも1割以下だった。
男性の不安とは裏腹に、生理について周囲の男性と会話すことに抵抗を持っていない女性も多くいるようだ。
女性の健康課題を解決すべきだと考える男性は約8割
女性特有の健康課題は解決すべき課題だと「非常に/やや思う」と回答した男性は77.1%で、多くの男性にとって社会的な課題と認識されていることがわかった。年齢別では、15歳~24歳で「非常に思う」の割合が最も高い結果に。また、女性の健康課題に関連した福利厚生が充実している職場で働いている男性も、解決意向が高いという結果が見られた。
解決すべきだと考えている女性の健康課題としては「妊娠・出産関連(不妊)」が81.8%、「生理関連」が73.2%で最も多くあがった。次いで「女性特有疾患(乳がん・卵巣がん)関連」が55.5%、「セクシャルウェルネス(性の健康)関連」が52.1%、「更年期関連」が44.5%で、女性にとっては大きな課題でも、出産などと比べると男性からの理解は低いことがわかった。
女性の健康を学びたいと考えている男性は7割越
女性特有のカラダの仕組みについて、男女関係なく学ぶべきだと考える男性は、「とても必要だと思う」が43.3%、「やや必要だと思う」が39.7%で、合わせて83.0%に。大半の男性は女性のカラダに関する知識をみんなが持っておくべきだと考えていることがわかった。
女性特有の健康課題の認知同様に、年代別で見ても24歳以下の若い世代が「必要だと思う」と回答した割合が高く、「必要と思わない」の割合が低くなっている。
ただ、年代別では30〜34歳、女性特有の福利厚生制度充実度別では勤務先で適用されている女性の健康課題に関連した福利厚生制度が0〜2個の「low」層では「全く必要だと思わない」の回答がそれぞれ13.5%、10.8%とやや高めになっていることには留意したい。
また、男性に自分自身の課題として女性の健康を学びたいと思っているかを尋ねた項目では、「やや学びたい」が54.9%と最も多く、「とても学びたい」が21.2%という結果に。積極的はあまりないものの、学ぶ意欲のある男性は半数を占めているようだ。年代別で見た結果はこれまでと同じく、24歳以下の若い世代ほど「とても学びたい」の割合が高くなっている。
「男性にとっては全く未知の世界であり、女性同士でもそれぞれ異なるので理解しにくい部分が多いが、きちんと理解して、「サポート」ではなく私自身主体となるべきだと思った。 (15〜19歳、学生)」という意見も寄せられた。
学びたい内容は「生理関連」が79.8%、「妊娠・出産関連(不妊)が72.4%と多く挙げられ、「解決すべきだと思う課題」の回答と似た傾向を見せた。ここでも更年期や女性特有疾患、セクシャルウェルネスに対する関心は生理や妊娠と比べるとあまり高くないようだった。