ピリオドトークの続編です。今回は「男性の生理観」がテーマ。引き続き参加者は4名。女性3人に加え、アメリカ人のChandler(チャンドラー)です。ああ、アメリカで大人気だったドラマ「フレンズ」を思い出す!

Photo by Hiromi Takahashi / Laundry Box

メンバーは女性3人と男性1人。左からLiz、Julie、Chandler、Eva。

男性と生理に関して語る機会ってなかなかないですよね。筆者の経験では日本人男性と生理について語ったことは一度もないです。

しかも私とチャンドラーはこの時が初対面。そんな彼に、生理観について色々聞いてきました。

ー生理という言葉を聞いたときに、パッと思い浮かぶことはなに?自分から遠い存在だと感じる?

Chandler:昔は「生理」についてからかっていたし、自分には関係のないことだと思ってた。女友だちが不機嫌なときは、「生理なんだろ」とか言ってたな。

でもそれは正しくないと気づいてからは、どうしたら生理中の彼女、友だち、妹たちをサポートできるかを考えるようになった。それでもやっぱり自分に生理はやってこないし、頭の片隅に「生理」という言葉はあるけど、未知な存在ではある。

ー何がきっかけで生理をからかうことは良くないと気づいたの?

Chandler:実は気づくまでにはかなり時間がかかった。アメリカでは、州によって異なるけれど、高校生になるまでに1回性教育の授業があればいいほう。その授業でも男子は生理について学べないことが多いし、生理について深く語ることは全くなかった。だから、大学に入るまでに生理の基本的な知識はあったけど、タブー意識はまだあった。

本当の意味で生理って普通のことなんだと気づいたのはJulieが生理についてあっけらかんと話してくれたことがきっかけだった。普通に体に起こる生理現象として話してくれたことで、やっと生理に対するタブー意識が取れたんだよね。

Photo by Hiromi Takahashi / Laundry Box

Julie:私も最初は、男友だちに生理について話すのには抵抗があったけど、話してみたら男友だちも意外と親身になって聞いてくれた。そこからオープンに話すようになったかな。もちろん話したくないっていう人もいるけれど、それはそれでいいと思ってる。

ー生理用品についての知識はあった?

Chandler:タンポンやナプキンみたいな基本的な生理用品は知っていた。

ちょっとおもしろいエピソードがあって。付き合っていた彼女からタンポンを買ってくるように頼まれたことがあったんだ。意気揚々とスーパーに行ったんだけど、生理用品の棚を見つけるなり、「失敗した……」と思った。壁一面がタンポンの棚だったんだ。ブランドや種類が多すぎて、どれを買えばいいんだか全然分からなかった。

「多い日用」「少ない日用」「普通の日用」とか言われても何を基準に測るんだよって思った。今までにスーパーには数え切れないほど来ているのに、生理用品の売り場には近づいたことがなかったんだよね。

Julie:確かにアメリカのタンポンの種類の多さはすごいよね。

筆者:私もおもしろエピソードあるよ。イギリスに住んでいた頃に付き合っていた彼氏と、私が日本に帰国してからも遠距離恋愛をしていたの。その彼が日本に遊びに来ることになった。イギリスのタンポンは日本のタンポンより安いから、お土産にタンポンをどっさり買ってきてほしいってお願いしたのね。

彼はちょっと戸惑っていたけど、了承してくれた。しかもイギリスのスーパーで生理用品を大量に抱えているときに友だちに遭遇してすごく恥ずかしかったらしい(笑)。

そして日本のアパートに着いて、「ほら、買ってきたよ!」ってドヤ顔で見せられたのが、大量の紙ナプキンだったの!

一同:爆笑

筆者の彼は紙ナプキンとタンポンの違いを知らなかった。生理用品は、全て紙ナプキンだと思っていたらしいです。筆者は彼の努力に感謝しつつ、呆れました(笑)。そしてそのときに、男性の生理に関する知識のなさ、教育の機会がなかったことに改めて気づきました。

生理と生理痛への理解

Photo by Hiromi Takahashi / Laundry Box

ー女性にとってはなにかとネガティブなイメージが強い生理だけど、男性としては生理や生理痛についてどういうイメージを持ってる?

Chandler:とくに特定のイメージはないかな。でも生理について話しづらかった原因は、知識のなさだったと思っている。生理がなんなのか、どうして来るのか、何回来るのかっていう基本的な知識がないと、よりタブー意識が強まると思う。

生理痛については、良い友だち・彼氏になれるチャンスだと思ってる。たとえば、生理痛で体調が悪いんだったらブランケットとか湯たんぽを用意したり。暖かい飲み物を作ったりして、その人の役に立てるいい機会だと思ってるよ。

Julie:彼女とか友だちに「おめぇの顔なんか見たくねぇ」って言われたらどうするの?

一同:(笑)

Chandler:そしたら静かに去るしかない……(笑)

 *

今回は男性目線からの生理について話を聞きました。男性参加者はChandlerだけだったので、男性全体の生理への価値観を聞けたわけではないのですが、1人の男性の生理に対する素直な感じ方を聞けたのはすごく新鮮でした。

生理が定期的にやってくる私たちに当たり前にある生理用品に関する知識は、男性にとっては当たり前ではないこと。生理痛をいい人になるチャンスだと捉えているなど、そんな風に考えてくれる人もいるのだという気づきにもなりました。

男性の生理観、もっと掘り下げてみたいかも!

ランドリーボックスでは特集「#ボクとわたしの生理」を始めます。
ボク?男性に生理は関係ない?そう、生物学的な「男性」に生理はありません。
だけどみんなで社会を築いていく。そう考えたら、それぞれがお互いを知る必要があるのかも。
生理に向き合う多様な人たちの声を集め、性について考えていきたいと思います。

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