写真=本人提供/Laundry Box

2カ月ほど前から、zoomを使ったオンライン個人相談のサービスを始めました。以前からSNSを通してフォロワーの方たちから悩みを相談される機会が多くありました。

しかし、文字でやり取りする場合は、顔が見えない・声も聞こえない状況で相手がどのようなバックグラウンドを持つ人なのかもわからず、どうしても齟齬が出てきてしまって適切な対話にならないという難しさを感じていました。また、顔を見たり声が聞けるライブ配信で話す場合も、ほかの閲覧者が見ているオープンの場で話せないこともあると感じていたこともあるため、今回のサービスを始めました。

相談内容は、体型の悩みや、家族のこと、恋愛のこと、仕事のこと、人間関係など多岐にわたります。私が行うことは、悩みについて一方的なアドバイスや答えを出すことではなく、相談者さんの話を聞き、気持ちに寄り添いながら、『一緒に考える』こと。

オンラインで私と相談者さんとの2人きりでの対話になるので、周囲の友達に話すには人を選ぶ悩みや、誰にも話したことがない本音を打ち明けてくださる人が多いです。また私のSNSやコラムを読んで、私がどんな人なのかをある程度理解してもらったうえでお申し込みをいただくので、より共感できる部分があってお話しやすいようです。

※私はカウンセラーではいので、精神的・心理的な病を治療することはできません。必要に応じて専門のカウンセリングを案内しています

今回は、私がさまざまな人の悩みを聞くうちに気づいた『悩みの癖あるある』や『誰かと対話することの大切さ』について綴っていきます。

1.解決方法に思い込みがあり、前に進めなくなっている

画像=本人提供

相談者さんからの相談で「◯◯すればいいと自分ではわかっているけど、うまくいかない・・・」というものがよくあります。それは例えるなら、迷路の中にいて、出口はわかっているのにうまく進めない状況。でも、よくよくお話を聞いていくうちに、行くべき道がひとつしかないと思い込んでいる場合や、そもそも自身の現在地がからないこと、本来とは違う迷路の中にいることが問題だとわかってきます。

便利な現代社会で、何かに悩んだときにはネット検索や、悩み解決の本を読むなど方法は多数あります。しかし、そういったものはあくまで一般論として語られているため参考にならない場合があります。また、そもそも悩みを捉え違えていることが前に進めない原因になっているパターンもとても多いと感じています。 本当は歯が痛いのに、歯科ではなく皮膚科に行ってしまうようなイメージです。

2.話しているうちに自分の正直な気持ちに気づく

始めに相談者さんからのお話をひと通り聞いたあと、「さっきのこの言葉は、具体的にどういう意味でしょうか?」「このとき、どう思っていましたか?」などと、お話の内容から質問していくうちに、相談者さん自身がモヤモヤの正体の輪郭を掴んでいくことがよくあります。

具体的には「ずっと痩せなきゃと思っていたけど、自分の意見が言えないことの方が問題だった」「恋人ができないことで悩んでいたけど、まず自分にとって何が幸せか理解していなかった」などです。

『悩み』だと思い込んでいたものが、実は悩みではなく『傷ついた経験』が癒されずに形を変えたものである場合もあります。

例えば、転んでしまったときにできる目に見える肉体的な軽い外傷であれば、時間経過で傷口が自然と治っていきます。しかし、誰かに言われた冷たい言葉や、心に受けた傷は放置して時間が経つほどわかりづらく、複雑化していたりします。

「相手には悪気がないから」「相手を恨んでいるわけではない」と思っている場合でも、傷ついたり怒ったり悲しんだ現実を無理に我慢して感情にフタをしてしまったことが、苦しさの元になっていたりするのです。

「私、怒っていいんですね」「今まで気づかなかったけど、これって自分にとっては重要なことだったんですね」と、自分の正直な気持ちを言葉に出すことができると、それだけで肩の荷が降りて安心感につながることも。

私も以前は「怒ってはいけない」「大人だから受け流すべき」「こうでなければいけない」と自分の感情を抑え込んでいたことが非常にストレスになっていた経験があります。

『喜怒哀楽』という言葉があるように、人間の心はいつでもポジティブである必要はのに「無理に前向きでいなきゃ」と自分の正直な気持ちを閉じ込めていると、だんだん歪みが出てきてしまうのかもしれません。

3.悩みを気軽に話せる人がいない

困ったときに頼りにできる人が周りにいない状況や、思い切って相談したら適切な相談相手ではなかったという場合、悩みをより1人で抱えこむようになります。

例えば、思い切って「◯◯で悩んでいる」という話をしたときに「自分の方がもっと悩んでいる」と自分の話にすり替えられたり、「時間が経てば解決するよ」など肩透かしを食らうような回答をされてしまうと対話にならず、「人に相談しない方がいいのかも」と思い込んでしまってより孤独に陥ることも。

普段は周りから頼りにされるタイプの人が困ったときにSOSを出せなくなってしまうこともありますし、相談する状況やタイミングが悪く、取りあってもらえなかった経験があると自己解決に勤しむようにもなります。

いずれにしても、自分だけの考えで悩みが凝り固まっていくほど盲目になり「解決方法はこれしかない」と思いこむことが状況をより悪化させていく場合もあるので、悩みのないときから、いざというときに相談できる人や相談場所を探しておくことが大事かもしれません。

また、そういった悩みの弱みを嗅ぎつけて人を騙したり詐欺をはたらく人もいるので、相談相手が信頼できる人なのかどうかを見極めることも大切ですね。

対話することの大切さ

相談者さんからセッション後に感想をいただくと、お悩みを解決することそのものも大事ですが、まず「気負わずに安心していろいろなことを話せたことで心が軽くなった」と言っていただくことも多いです。

昔から人間は、常にコミュニケーションをとりながら生き延びてきました。悩んだときは、対話することそのものが私たちには必要なのかもしれません。

*吉野なおのオンライン個人相談に興味がある人は、こちらまで。

New Article
新着記事

Item Review
アイテムレビュー

新着アイテム

おすすめ特集