生理(月経)は隠すべきもの、恥ずかしいもの、という認識はまだまだ強い。特に男子禁制のもののように扱われることも多いけれど、人間の半数である女性に当たり前に起こる生命の現象を男性も知っておいた方が良いと思う。まず、知ることが、家族であれ、恋人であれ、友人であれ、大切な女性を理解することにつながるから。
という趣旨で実施した、男子のための生理(月経)の教室。
【謎解き:避難所での生理用品の配り方】と題して、避難所に救援物資として届いた生理用品を配布する係員を小学生男子達にやってもらいました。
個数の限られた生理用品。これをどうすれば適切な量を適切な相手に配布できるのか。謎解きゲーム風の授業です。
(授業内容はこちら)
彼らがまだ生理に対して抵抗感や恥ずかしさを持っていない年齢というのもあるかもしれませんが、かなりかなり盛り上がり、面白いコメントもたくさん出たので、そんな中から印象的だったものをピックアップ。
生理が来ることのない彼らも、楽しく、真面目に生理に向かいあっていた様子をお伝えします。
1. 持って帰っていい?
これは何度も聞かれた質問。ギミックに夢中(特にタンポン)な子が多かったせいか欲しくなったようです。
最後にあげようかな、と思ってましたが終わりがドタバタしてしまい叶わず。
手に取って一人でゆっくりと見るのも良いことだと思うので、今後は持って帰れるようにするつもりです。
2. パンツにつけて良い?
ナプキンの班で聞かれた質問。どうやらパンツに実際につけてみたくなった様子。
「この場でパンツ脱げないでしょ」と答えると、脱げるよ!とあっさり答えられてしまいました。
もちろん、パンツを脱ぐのは止めました(笑)。
手触りが気持ち良いねー、と喜んでる子がいたので、「ただ、これを長い時間付けてると汗でムレるよね」と教えてたら、「なるほど…」と考えこんでました。
3 新しい折り方見つけた!
月経カップの班で、彼らが編み出した新しい折り方を教えてもらいました。
説明書を読み込み、通常の使い方をマスターした彼らはなんと、新しい折り方を作ってました!
(実際には添付文書に無いだけで、一般的な折り方だったが)。
今までに、月経カップの折り方をここまで考えこんだ日本人男性っているのでしょうか。
4 水は使えるの?
これも月経カップの班。見たことも効いたこともない月経カップを手に、添付文書や私たちの出したヒントを基に頭をひねっていた最中の質問。
月経カップは洗えば再度使える、ということを知り「ここの避難所は水が使えるのか?」という質問を私達にしてきました。
震災時の避難所はどんな状況なのかを想像できなければ出てこない質問です。
5 余分に配ろう
この授業では生理中の人に生理用品(ナプキン、タンポンまたは月経カップ)をいくつ配れば良いのか、各班に考えてもらいました。
ナプキンの班はこの配布する個数に苦戦していたところが多く、「大体○個配ればよいかな」という感覚的な回答も少なくありませんでした。
途中から「大体5時間おきに交換だから一日5個必要。5から7日続くとして25から35個」と計算した回答が出ました。
(周囲からは「算数じゃん!」と突っ込まれていた。そのとおり!)
(※交換頻度はメーカーや商品によって異なります。例えば『エリス』のサイトによると、多い日で2~3時間おき、少ない日で3~6時間おきの交換を推奨しています)
そしてとある班からは「ナプキンは本当は25個から35個使うけど、何かあった時のためにさらに余分に配る」との答えが。
ギリギリの個数を配らず、相手の立場になって考えられてるなあ、と感心。
6 匂いつきは良いね!
今回使用した生理用品に、『ロリエ スリムガード 香りつき』を入れてました。その匂いが男子達に好評!「なんか安心する〜」とたくさんの子が喜んでました。
こんな感じで男子小学生達は生理を、そして生理用品を身近に感じられたようです。
私達は今後もこの授業を展開していきたいと考えています。
興味のある方はこちらまでご連絡ください。
(本記事は、2019年8月11日note掲載「男子のための生理(月経)の教室」を編集し転載したものです)
ランドリーボックスでは特集「#ボクとわたしの生理」を始めます。
ボク?男性に生理は関係ない?そう、生物学的な「男性」に生理はありません。
だけどみんなで社会を築いていく。そう考えたら、それぞれがお互いを知る必要があるのかも。
生理に向き合う多様な人たちの声を集め、性について考えていきたいと思います。