「こちとらしがない生理なので」

生理を擬人化したキャラクター『生理ちゃん』。月に一度、ガチャっとドアを開けてやってきて、血を抜いたり、お腹にパンチしたり、ときには寄り添ったり—。多くの女性たちから愛される、小山健さんの漫画『生理ちゃん』が実写で映画化され話題になっている。

映画『生理ちゃん』

今回ランドリーボックスでは、映画『生理ちゃん』の主題歌に選ばれた『する』を歌う、ガールズバンド「the peggies (ザ・ペギーズ)」の3人に、映画の魅力や曲に込めた思いを聞いた。

「the peggies (ザ・ペギーズ)」はボーカル&ギターの北澤ゆうほ(写真中央)、ベースの石渡マキコ(写真左)、ドラムの大貫みく(写真右)の3人で結成したガールズバンド。中学で軽音部に所属していた北澤ゆうほが、2人を誘いコピーバンドを始めた。高校入学時にはオリジナル楽曲を制作。高校2年の2012年2月にEMIミュージック・ジャパン主催の「REVOLUTION ROCK」で優勝。2017年5月シングル「ドリーミージャーニー」にメジャーデビュー。2019年2月メジャー初のフルアルバム「Hell like Heaven」をリリース。同アルバム曲の『する』が映画『生理ちゃん』の主題歌に選ばれる。

—the peggies(ザ・ペギーズ)の『する』が映画「生理ちゃん」の主題歌に選ばれました。どんな気持ちですか?

石渡マキコ:まず知ったとき、えー!!ってびっくりしました。

私たち原作者の小山健さんの大ファンで、オモコロで『ツキイチ!生理ちゃん!』の連載が始まったときからずっと見ていました。

「生理」がテーマの漫画ってことでとてもセンセーショナルでした。しかも毎回すごくおもしろい。さすが小山さんだなって。

小山さんは、the peggiesのCDジャケットのイラストを描いてくださっていました。そんな小山さんに、今回この映画で私たちから楽曲を提供できることがうれしかった。

Laundry Box

北澤ゆうほ:私たち3人で小山さんの個展も見に行ったんです。小山さんとは本当にご縁を感じます。

タイアップのときは、いつも楽曲を書き下ろすんですけど、今回はすでにリリースしてあるアルバムの中からピックアップしてくださって、それがとっても新鮮でした。

映画向けに作っていないのに、ちゃんと作品にマッチするのか、どんな仕上がりになるのか、最初は想像できなかった。

大貫みく:まず、実写っていうのが衝撃でしたね。実写だと生理ちゃんのキャラクターが私たちが過ごしている日常に溶け込んでいて、より身近に感じられました。もともとある曲なのに、歌詞と映画がシンクロしていて、めっちゃアガりました(笑)

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—曲には、どんな想いを込めたんですか?

北澤ゆうほ:いつもは、自分の気持ちから一歩引いて、新たな主人公を頭の中に描いてから詞を書くようにしているんです。たくさんの人に「こんなふうに感じてほしい」と考えながら書くので。

でも『する』は「私はこう思う!」と、自分の中にある葛藤とか、日々もがいている状況をそのまま、素直に歌詞に込めました。アルバムの曲だったこともあり自由度が高かったんです。ペギーズの曲のなかでは特異なこの曲が、映画の主題歌に選ばれたっていうのは、特別な気持ちになります。

—映画『生理ちゃん』を観て、印象に残っているシーンは?

北澤ゆうほ:やっぱり私たちの曲がかかったシーンです。劇中で曲が使われたシーンは、ストーリーの中でも大きなターニングポイントになっていたと思います。二階堂ふみさん演じる青子が、自分の中の殻を破った瞬間。そのシーンと曲がバッチリ合っていて、めちゃくちゃアガりました。

石渡マキコ:私は性欲くんが登場したとき、思わず笑っちゃった。意外と声がダンディで、そのギャップが最高(笑)

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大貫みく:大きな生理ちゃんを背負った人もいれば、小さな生理ちゃんもいて可愛かった。作品の中には「生理あるある」が散りばめられているんですけど、生理中に「眠くなる」っていうのが自分とも重なってわかる〜って思いました。生理の日はまじで何にもしたくない。家でだらだらNetflix見て過ごしたい(笑)

—生理にまつわる悩みってありますか?

石渡マキコ:肌荒れと眠くなるのが悩み。でも仕事のときは気合を入れてがんばります。仕事の合間にiPhoneでマリオカートやって、ダッシュ決めてテンションあげる。そういう小さなことで気持ちを高めています。

北澤ゆうほ:生理中カラダがむくんで、体重がちょうど2kg増えます。ほかにもイライラしちゃうとか眠くなるとかいろいろあるんですけど、曲の制作期間中に生理が重なるとつらい。

家で作業するときに全然集中できなくて。締め切り迫っているのにいつの間にか寝ちゃったときとかへこみますね。

私は普段から寝ている時間が好きじゃなくて。だらだらしている自分が嫌なんですよ。だから生理中は、人に迷惑かけちゃうんじゃないかって気にしちゃうので、精神的なほうがしんどいです。

大貫みく:生理の悩み……。お酒飲んでるとき急に悲しくなって泣いちゃうことかな。さっきまで楽しく飲んでいたのになんでだろう?って。

北澤ゆうほ:それ、生理じゃなくても、よくある気がする(笑)

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—お互いに生理をオープンに話す?

北澤ゆうほ:「きたんだけど!」ってすぐいいます(笑)

大貫みく:私たちはお互いオープンに話すし、なんとなく周期をわかっているから「ゆうほに生理きたら私は来週」とかで認識しています。

石渡マキコ:みくはいつも痛み止め持ってて「ハイ」って渡してくれるよね。

北澤ゆうほ:しんどいとかお腹痛いっていうことを、お互いに言い合えることに救われています。恥ずかしくて言えないとか、わかってもらえなさそうだから言えないっていう環境だったらもっとつらいかも。

—映画の中でも「生理を理由にできないことがつらいんです」っていうセリフがありましたね。

北澤ゆうほ:男性のスタッフさんに「体調悪いの?」って聞かれたとき「生理で」と応えると「反応に困る」とか言われたことがありました。いや、別に反応しなくていいし。お腹痛いのと同じ対応でいいんだけどなって思いました。

私はずっと女子校に通っていたし、三姉妹なので生理は隠さなきゃっていう認識がなかったんですよ。学校でも、わざわざ違う言い方をしている子も中にはいて、なんでだろう?って違和感ありました。

コンビニやドラッグストアで生理用品を買うとき、見えない袋に入れてなくてもいい派です。ゴミが増えるし。生理を「恥ずかしいもの」と捉える考え方が少しでも薄まってほしいなと思います。

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石渡マキコ:あの銀色のビニールに入っている方が不自然で気になるよね(笑)

—生理ちゃんをどんな人に観てもらいたいですか?

石渡マキコ:原作を知らなくても、生理に興味がなくてもいい。きっかけは「the peggiesが主題歌だから」でもなんでもいい。絶対楽しめる映画なので、とにかくいろんな人に観てほしいです。

大貫みく:男の人にも「生理」っていうワードにビビらずに観てほしいな。この作品は男女ともに共感できるポイントがたくさんあるし、人間の素敵な成長ストーリーだと思います。

北澤ゆうほ:映画『生理ちゃん』を観ればわかると思うんですけど、生理と日常を掛け合わせたんじゃなくて、生理って日常の中にもともとあるもの。男性にも、自分のすぐ隣でこういう世界があったんだって知ってもらえたらいいな。

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2019年11月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開。本作の公開を記念して、抽選で映画『生理ちゃん』ムビチケ前売券を3組6名様にプレゼントします。

<応募方法>

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