はじめまして。uni’que(ユニック)の若宮です。

仕事では女性起業家を輩出するITベンチャー企業を経営していて、家では2人の娘を持つ父親でもあります。つまり、職場も家庭も「女性が多数派」。

そんな環境にいるからか、ランドリーボックスの男性読者のみなさんに向けて、女性とのコミュニケーションについて連載を始めることになりました。

どこか遠くの、「生理」の話。

初回のテーマは、「生理」の話。そう、あの月に一度の、アレです。

「アレ」なんて言い方は女性のみなさんには叱られるかもしれないけれど、男性にとっては口にするのもちょっとそわそわするワード。

もしかしたら時代とともに変わっているのかもしれませんが、僕が子どもの頃は、小学5年生くらいになると女子だけが体育館に集められ、男子はその間教室で待機。ませたクラスメートが「なあ、今女子がなんの話してるか知ってるか?」とかニヤニヤしながら言う。まあ、そういうのが僕たちの「生理」とのハジメマシテ、でした。

本当はその時間に男子にもしっかり女性のカラダの仕組みや避妊のことを教えたらいいと思うんだけれども、僕らにはなにも教えられず、女性の性は半分タブー、半分興味本位の、よそよそしいものになってしまった。

そんなハジメマシテのおかげで男性は「生理」のことを敬遠したり、なるべく考えないようにしがちだったかもしれません。でも男性に見えていなくても、プライベートにも仕事中にも生理はやってきます。女性の体調の変化に気づかず、旅行先で無理をさせて急に具合が悪くなってオロオロしたり、喧嘩になったり…。そんな経験、ありませんか?

 「ちがい」を知ることは大事

男性は「生理」に対しての「知識」がないだけでなく、知識がないせいで「共感」も不足しがちです。

僕は以前女性向けのヘルスケアサービスを立ち上げたことがあるのですが、そのときだいぶ女性のカラダについて勉強しました。当時、「女性には四季がある」という言い方をしていたのですが、女性は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類のホルモンの変化によって、一回の月経の間にも体調が大きく、かつ周期的に変化します。

画像=Laundry Box

それに比べると男性は「常夏」みたいなもので、変化がすごく少ない。自分に変化がないからどうしても、女性の心とカラダの変化について想像力が足りなくなりがちです。毎月、毎日、あるいはもしかしたら数時間ごとに体調が変わるなんて想像できないのですね。

「女心と秋の空」なんてことわざもありますが、ただ気分屋というのではなく、ホルモンの変化が原因かもしれません。

こんなふうに「女性は」「男性は」という言い方をすると、男女で区別するのはよくない、それが差別につながる、という意見もあるかもしれません。しかし僕は、こういう「ちがい」について学ぶことは「まずは一歩」としてやっぱり大事だと思っています。

ジェンダーの話をすると、「女も男も変わらないんだから、区別せず同じく扱うべきだ」という話が出ることがあります。そういう考え方は平等主義的で、ユニバーサルな価値観です(uni-verseというのは「一方向に向ける」という意味)。でもその実は、どこかで誰かが無理して合わせている、という状態になりがちです。

「ダイバーシティ」という言葉があります。多様性を受け入れる社会を目指す言葉ですが、実はさきほどの「平等」とは逆の言葉でもあります。di-verseとは「別々に向ける」という意味で、「みんな同じ」ではなく、「ちがい」を増やすことなのです。

ですから、女性も男性も同じ、ではなく、まずその「ちがい」を学ぶことが大事です。そして、ここが重要なのですが、問題は男女を2つに分けたところで終わり、「女性はこう」「男性はこう」と二分法や決めつけをしてしまうことです。

女性と男性の「ちがい」について知った上でそれぞれの女性の中の「その人自身」の個性を知ろうとする。それぞれの「ちがい」まで目を配ること。

「生理」と一口にいっても、時期も重さ軽さも人それぞれ違います。腹痛や貧血のダメージが大きくてなにもできない、という人もいれば、出血はあるけど意外と元気、という人もいます。一週間しっかりの方もいれば2日目が過ぎれば収まる人も。逆に生理前のほうがメンタルも含めて一番つらくて、生理が来たら元気になるという人もいます。

また、女性のホルモンの変化はカラダだけではなく心の状態にも影響します。男性は経験しないので共感しづらく、イライラや落ち込んでいるのを「気の持ちよう」と考えてしまうこともあります。でも女性の心身の変化はホルモンによる影響と言われていて、本人にもアンコントローラブルなのです。そういうときは、「ホルモンの影響かも」と少し意識するだけで、今よりも相手を気づかえるようになるでしょう。

今月のやってみよう

男性とは違うカラダをもち、しかもひとりひとり違う女性とコミュニケーションするために、どんなことを心がけたらよいでしょうか?

今月は3つのTipsをお伝えしたいと思います。すぐに100点!とはなりませんが、「ちがい」を知ることから少しずつ、コミュニケーションが変わっていくと思います。

[STEP1] 基本を知る

最初のステップは、まずきちんと生理について知ることです。男性は「生理」というと出血する月経中のことだけ考えがちですが、女性の体は月経排卵を節目に1カ月を通して常に変化しています。「エストロゲン」「プロゲステロン」という言葉をはじめて聞いた、という人は、ぜひインターネットで検索してみてください。女性のカラダの変化について知ることができます。

[STEP2] 周期を知る

パートナーや家族、友人など身近な人については、その人の生理の周期についても知っておけるとよいでしょう。最初のうちは忘れてしまうでしょうが、意識をしておくだけで、女性の体調の変化にだんだん敏感になり、「そろそろ生理かな」と気づけるようになったり、予定やその時の体調も気づかえるようになります。

[STEP3] ニーズを知る

周期だけでなく、症状も人それぞれ。STEP2まで進めたあなたは、きっとパートナーと生理について話すことにそんなに抵抗がなくなっているはずです。生理についての話が出たら、相手にどんな症状が出るか、どういう時期にどんなサポートをしてほしいか、一緒に話してみましょう。

最近は月経カップなど新しい生理用品や低用量ピルという選択肢もあります。そんなことも知りながら、一緒に生理との付き合い方を考えられたら最高ですよね。

冒頭に書いたように、(特に日本の教育においては)「生理」は男性にとってなんとなく遠いもので、知識や意識、想像力が不足しがちです。チームワークを発揮するためには、メンバー同士の情報共有がもっとも重要!「ちがい」があるからこそ、「ちがい」について学んで、サポートし合う心がけを持てるといいですね。

追伸:女性読者のみなさんへ

残念ながらみなさんの想像以上に、女性の性についての男性の知識・意識は低いのが現状です。本人の努力不足だけでなく環境のせいもあるので、ちゃんと知るだけで行動が変わることもあります。こんな事も知らないの?とイライラしたり唖然とすることもあるかもしれませんが、懲りずに少しずつお付き合いいただけると嬉しいです。

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