膣に挟むことで経血の伝い漏れを防ぐ生理用品「シンクロフィット」。ナプキンとタンポンの“合いの子”のような生理用品で、個包装も本体もトイレに流せる画期的なアイテムだ。
一度使えばシンクロフィット信者になる人も多いのだが、ほかの生理用品と比べると売れ行きは少なかった。
その度に、シンクロフィットを存続させてくれているのがユーザーの声だという。シンクロフィット開発担当者、マーケティング担当者に話を聞いた。
斬新すぎて使い方がわからない
ユニ・チャーム社内で新規開発プロジェクトが立ち上がり、新しい生理用品を作ることになった。数年後に誕生したのが「シンクロフィット」(旧ボディピース)だ。
「ナプキンと身体の隙間で経血が広がり、漏れてしまう。その間を埋めたい」
「ナプキンではカバーできない漏れを防ぎたい」
隙間ができることで発生する経血の伝い漏れをいかに防ぐか。ナプキンも凸形状にするなど改良が重ねられていたが、隙間を完全に埋めることは難しかった。
一方、タンポンは、膣内に挿入するため、より漏れを防ぐことができるが身体の中に入れるため抵抗を感じる人も多い。
であれば、膣内には挿入せず、身体に直接くっつけて経血を受け止められないか。こうしてシンクロフィットの開発に着手。
開発中は、使用後のナプキンや女性の身体を調べた。膣表面に挟んでも違和感を感じず、落ちない大きさは?動いても落ちない厚みは?小さすぎると経血が吸収できないのでは?形や大きさ、素材を幾度となく試作した。
「試作品の数はわかりません。1000人以上に試してもらいながら改良していました」
商品販売に向けて、とくに難しかったのが使用方法やメリットの説明だ。市場に存在していない生理用品であるため、どう伝えれば理解してもらえるのか。なかには、タンポンと同じように膣内に挿入してしまう人もいた。
誰が使っても正しい場所にあてることができるデザインとはどのようなものか。
誤った使い方を防ぐために、装着時の目安となるよう「指ポケット」が考案された。そして、取り外しやすさを考慮したスリットも開発した。
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水で流せる生理用品を開発
2005年、「ボディピース」(現シンクロフィット)が発売された。当初は水には流せない仕様だった。
「開発初期から流せる設計をしていましたが、身体につけて吸収する物と水に流して分解される物の両立が難しかった。これらを解消するのに時間を要しました」
水に流せる仕様が追加されたのは、2008年。新たに「シンクロフィット」という名前で販売された。
テレビCMじゃ売れない…廃番の危機を救ったのはTwitter?
何年もかけて完成したシンクロフィットだが、使い方がわかりづらく、社内でも理解されにくかった。
2005年のボディピース発売時には大々的にテレビCMも放映したが商品は売れず、ドラッグストアでの取り扱い数も減少した。
「本当に全然売れなくて……広告を打つにしても、身体のどこに、どうつけるかを大々的に言えないため伝わりにくかった」
現在もナプキンなどの主要商品と比べると売れ行きは決していいとは言えない。
「正直、売上は苦戦中ですが、いつもギリギリのところでお客様に助けられています。でも、これに代わる商品が市場にはない。『シンクロフィットをなくさないでください』というお客様の言葉で続けられています」
日々、お客様センターにはさまざまな声が届くが、売り上げに対してシンクロフィットへの応援の声が明らかに多い。その傾向はTwitterにも見られる。
「最近SNSで流行っていたので半信半疑で使ったら、めっちゃいい。なんでCMしないの? SNSで宣伝しておきますね」「取り扱い店舗があまりなくて今後買えるか心配なので私がおすすめしておきます」
昨年は、ユーザーのツイートが拡散され、売り上げが1.5倍になった。ほかの生理用品と比べSNSとの親和性が高い。ドラッグストアの取り扱い数が限られていることもあり、シンクロフィットはネット販売率が高い。
「シンクロフィットは使い方も含め、15秒CMで説明するのは難しいですが、SNSを通じた口コミが広がりやすいんです」
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シンクロフィットに魅せられた人々
シンクロフィットはとくに経血量が多い人に人気だが、立ち仕事が多い人や、ナプキンをなかなか取り替えられない人からも支持されている。
同じようにシンクロフィットに魅了された社員も多かった。発売までは誰もが懐疑的だったが、試しに使ってみた社員たちから支持されるようになったという。
マーケティングを担当しているある男性社員からは、こんなエピソードが上がった。
男性社員は、就職活動中さまざまな会社を見てきたが、渋谷のスクランブル交差点でふと感じた。
「自分には生理はないが、いま交差点にいる人たちの4人に1人は生理がある」
それなのに、なぜ生理を取り巻く環境はネガティブなのだろう。それをポジティブに変えられたらいい社会になるのではないか。ネガティブを超えていく瞬間を見たいし、貢献したい。そんな思いが沸き、彼はユニ・チャームに入社した。
国内におけるタンポンの普及率は25%程度。アメリカでは70%。便利だとわかっていても「怖い」と感じる部分が普及率をとどめているのが実情だ。
タンポンを普及させたいと考えていたが、入社後、シンクロフィットの存在を知った。挿入が怖いと感じている人にも最適な商品なのに、タンポンの比ではないくらいに普及していない。
男性社員は、営業担当として地方のドラッグストアを回り、バイヤーや販売員にシンクロフィットの良さを伝えるために奮闘した。マスマーケティングではなくドラッグストアの店員をはじめとする、利用者の口コミの重要性を認識したのだ。
「こんなにお客様の声に助けられてもらっている商品はないと思います。決して売上が大きいとは言えない商品ですが、お客さんの声で棚から落ちないよう耐えています」
シンクロフィットの去年までの認知率は約3.5%だったが今年は約5%。タンポンの認知率(80%)との差は歴然だが、1.5倍に伸びた。
発売から約15年。当時集められた開発メンバーは、現在はさまざまな商品に携わっている。
「あの頃を思うと本当に感慨深いんです。開発期間が長く、苦労も多かった。ですが、シンクロフィットを通じて女性の身体をはじめ、ものづくりに関する多くを学びました。
開発から数年後、ようやく発売が決まったときのことは忘れられません。チーム以外のメンバーまで立ち上がり拍手をしてくれたんです。本当に嬉しかった。
だからこそ、発売から約15年経った今、SNSなどを通じてシンクロフィットが日の目を見ているのがすごく嬉しいんです。使ってくださっている皆さん、ありがとうございます」
(*シンクロフィットのレビュー記事はこちら)
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