女性を何十年もやっていると、あるときから目に飛び込んでくるようになる名詞があります。それは「大豆イソフラボン」。

大豆食品に含まれる成分を摂取すると、身体の中で女性ホルモンに似た働きをしてくれるといわれています。女性らしさをサポートしてくれるもの、「キレイになれる」成分、というイメージもあります。

でも、私は疑問でした。意識して豆乳を飲んでいたのですが、容赦なく更年期症状が現れ始めたからです。

情報を集めた結果、「大豆イソフラボン」の摂取だけではなく、専用の腸内細菌の存在が大切であるという研究結果があると知りました。

大豆イソフラボンそのものに効果がないわけではないのですが、専用の腸内細菌によって大豆イソフラボンから作られる「エクオール」という成分のほうが効果が期待できるというのです。しかし専用の腸内細菌は日本人の約半数にしかいないということ。

もしかして私は……? 自分で腸内を調べてみました。

大豆イソフラボンの概要をおさらいしてみよう

「大豆イソフラボン」とは大豆に含まれる微量成分で「ダイゼイン」とも言われます。化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ているため、生体内でエストロゲンの受容体と結合し、エストロゲンに似た作用を発揮することが知られています。

厚生労働省では、特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な1日上乗せ摂取量の上限値を30mg、日本人の食生活における1日の摂取目安量の上限を70~75mg/日と設定しています。

つまり、食品から摂取する量と特定健康保険用食品から摂取する量の1日の合計は、この量の範囲に収まることが望ましいとしています。

(参考:厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

「エクオール」とは大豆イソフラボンから作られる成分

大塚製薬のサイトによれば、「エクオール」とは大豆イソフラボンに含まれる「ダイゼイン」が腸内のエクオール産生菌によって代謝されて生み出される成分です。最近の研究では、大豆イソフラボン(ダイゼイン)のまま吸収されるより、この「エクオール」として吸収されたほうがエストロゲンに似た作用を発揮しやすいということが分かってきているといいます。

1日あたりのエクオール摂取量は10mgが目安とされています。個人差はありますが、エクオール10mgを体内で産生するためには、大体50mgの大豆イソフラボンが必要とのこと。50mgの大豆イソフラボンは、豆腐なら2/3丁(200g)、納豆なら1パック(50g)相当が目安となります。

「エクオール」を作れるのは日本人の約半数

問題は、全員がエクオール産生菌を持っているわけではないということ。さらにエクオール産生菌が腸内にいる人の中でも、十分な量のエクオールが産生できる人は少なく、約26%程度しかいないそうです。これが大豆イソフラボンの健康効果の差になっているというのです。

大豆イソフラボンやエクオールは1〜2日程度で尿として排泄されてしまうため、継続して摂取する必要があります。また、エクオールの産生量は腸内細菌の状態次第で変わります。腸内細菌叢は食生活などで変わりやすいため、常に一定量が必ず産生されるというわけでもないというのもポイントです。

作れるエクオールの量が更年期症状にも影響?

十分な量のエクオールが作れるかどうかは、更年期症状の程度にも影響があるといいます。

尿として排泄された大豆イソフラボン(ダイゼイン)やエクオールを調べたところ、ダイゼインの排泄量と更年期症状の程度に差は見られなかったそうですが、排泄されたエクオール量が多い、つまりエクオールを作れる人は更年期症状の軽い人が多かった、という調査結果があるそうです。

私の場合、毎日豆乳を1パックずつ飲んでいたことがありますが、それでも気がつけばイライラが多かった時期、頭皮からデリケートゾーンまでの謎の痒み、うつ症状にも似た気分の落ち込みや意欲、集中力の低下などに悩まされました。

そうしてたどり着いたのが「エクオール」の情報。豆乳の大豆イソフラボンでダメなら、もう変換後のエクオールをストレートに摂取してみようと考えてサプリメントを飲み始めました。

サプリメントの効果かどうかは定かではありませんが、1カ月続けたあたりから皮膚の痒みが消え始め、3カ月目には完全に痒みが消えるという経験をしました。自覚できる更年期症状のすべてが改善したわけではありませんが、メンタル以外についてはだいぶマシになったと実感できたのです。

もしかしたら私はエクオール産生菌がいないか、とても少ない側かもしれないと思うに至りました。そして調べてみたら、ゼロではないけれど、とても少なそうだということが分かった、というわけです。

「ソイチェック」なら病院にいかなくても検査を申し込める

エクオール検査キット「ソイチェック」。医療機関でも採用されているという(Photo by すずまり / Laundry box)

自分の腸内がエクオールが作れる腸内環境かどうかを調べてくれるのが、エクオール検査「ソイチェック」です。

同梱のキットに朝一番の尿を採取して郵送すると、オンラインで結果がわかるという手軽なものなので、病院に行く手間がありません。検査用のパッケージは通販サイトでも手軽に購入できます。

「ソイチェック」のパッケージ(Photo by すずまり / Laundry box)
採尿用のキット。付属の封筒にいれてポストに投函するだけです(Photo by すずまり / Laundry box)
採尿用の容器(Photo by すずまり / Laundry box)

サプリメントでエクオールを摂取している方は、3日前からやめる必要がある、大豆イソフラボンから産生されていることを確認するために、前日に豆腐や納豆、豆乳といったものを食べておく必要があるなど、検査の前に気をつけなくてはならないことがいくつかあります。詳しくは付属の説明書で確認できます。

注意書き(Photo by すずまり / Laundry box)

検査の結果、私の腸では大豆イソフラボンからエクオールが作りにくいと分かりました。これまで女性ホルモンを補う目的で大豆食品を摂取しても、効果を感じられなかった理由がはっきりしたのでよかったと思います。

結果はパソコンやスマートフォンで確認できます。私はエクオールを作れていませんでした
私のエクオール産生菌はゼロではないそうです

カラダチェックのサイトによれば、今後の食生活次第では改善する可能性もありそう。また、逆もしかり。今作れている人が作れなくなる可能性もあるわけなので、どちらにせよ大豆食品をはじめとして、腸に良いとされている食材はこれからも食べようと思います。

大豆製品を食べ続けても効果を感じられないと思っていた方は、1度検査してみるともやもやが解消されスッキリするかもしれません。

(Amazonで「ソイチェック」を見てみる)

更年期対策なら専門医に相談を

私の場合は市販のサプリメントとしてエクオールを摂取することで、皮膚やデリケートゾーンの痒みという悩みが改善された実感があります。ですが、気持ちが沈みやすいという症状については、多少改善したかな……?程度です。

長年お世話になっているかかり付けの産婦人科医にも話したところ、「あくまでもサプリメントなので、効果を感じてとくに問題がでていないのであれば、否定はしない」というコメントでした。

更年期の症状は、人によって千差万別ですから、エクオールがすべての人に有効かどうかは分かりません。気になる場合は、かかり付け医などに相談してみることをおすすめします。症状によっては、医学的な処置のほうが安心です。

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