シャープは生理用ナプキンを一枚ずつ取り出せる「生理用ナプキンloTディスペンサー」と、機器の利用状況を一元管理できる「在庫管理システム」を独自に開発した。
これらの技術を活用し、10月1日より静岡県浜松市での実証実験を開始する。
生理用品の配布にまつわる課題
近年、経済的・環境的理由により十分な生理用品が手に入らない「生理の貧困」の課題が顕著化している。
そのほか「生理用品を持ち合わせていない時に生理が始まってしまった」など、女性の身体特有の悩みが社会課題として取り上げられるようになった。
行政による生理用品の無料配布も進められてはいるが、衛生面や大量持ち去りなどの課題に加え、必要とする人に的確なタイミングで支援を届ける難しさなど、課題も多い。
これらの課題をふまえシャープは、生理用ナプキンをトイレの個室内に衛生的に配置し、大量持ち去り問題にも配慮した「生理用ナプキンloTディスペンサー」を開発した。
防災備蓄品を有効活用した生理用ナプキンloTディスペンサー設置の実証実験
今回の実証実験では、「生理用ナプキンloTディスペンサー」を浜松市立高等学校など、4箇所の公共施設内女子トイレに設置。
浜松市が貯蓄している防災備蓄品のうち、使用期限（推奨3年）までに使用される見込みのない生理用ナプキンをディスペンサーを通して無料配布する。
ディスペンサーの使い方は簡単で、センサー部分に手をかざすだけでナプキンを一枚ずつ取り出せる。
同社によると、「在庫管理システム」では利用状況や在庫状況を確認するだけでなく、収集したデータを利用して生理用品の効果的な配布方法の検証も行うという。
◼︎「生理用ナプキンloTディスペンサー」概要
- 会員登録などの手続きをしなくても、必要な時にすぐに利用できる
- 1枚ずつの配布と取り出し直後の利用制限（2分間）により大量持ち去りを防止
- さまざまなサイズ、厚さのナプキンに対応
◼︎「在庫管理システム」概要
- 生理用ナプキンloTディスペンサーと管理システムが連携することで、管理者に補充タイミングを通知する
