画像=Laundry Box

【お悩み】

26歳、会社員です。学生時代の友人と金銭感覚が合いません。

昨年の年末、久しぶりに忘年会やプチ旅行で何人かの友人と出かけました。

お店選びや旅行先は友人が提案してくれた候補があったのですが、どれも私のお財布事情からするとお高めに感じてしまいました。

私は、将来が不安なのでなるべく貯金や投資をしていざというときのために備えておきたいので、遊びにまわすお金の余裕がそこまでありません。

しかし、友人たちは今を楽しむことにお金を使いたいようで、友人たちとの食事などに行くと、お金の心配をしてしまい思いっきり楽しむことができません。

学生時代からの大好きな友人たちなので、一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っています。

どうしたら不安なく楽しむことができますか?

こんにちは。露の団姫(つゆのまるこ)です。

お金の悩みはなかなか尽きないものですね。でも、右肩下がりの世の中を見てきた20代であれば、将来への備えを意識するのは当然のことです。

今回も一緒に考えていきましょう。

自分と友人の金銭事情の「軸」をアップデートする

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まずは、友人たちの現在の状況を整理してみましょう。

というのも、学生時代であれば、実家や親の金銭事情が大きく関わるものです。

学生時代は友人との金銭感覚の違いが気にならなかった人でも、社会人となると金銭事情の軸が「実家・親」から「自分」にシフトするため、ここでひずみが生じることもあります。そこで、あなた自身、そして友人の金銭事情の「2つの軸」をアップデートする必要がでてきます。

「実家暮らし」か「一人暮らし」か

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一つ目の軸は、「実家暮らし」か「一人暮らしか」という点です。

もちろん、学生時代も実家暮らしの人もいれば一人暮らしの人もいたかと思いますが、学生時代の「一人暮らし」は親が家賃を負担、または援助している場合が多くあります。

ところが社会人の一人暮らしとなれば、家賃は基本的に本人が負担します。このように、一人暮らしの社会人と、実家暮らしの社会人とでは、金銭感覚や実際に遊びに使えるお金も違ってくるでしょう。

「会社員」か「自営業」か

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そしてもう一つ、見落としがちなのが「会社員」か「自営業」か、という点です。

これは落語家という自営業を営む私自身の経験でもありますが、私は21歳の頃、社会人になったばかりの姉と遊びにいき、姉のお金の使い方を見たときに「私はお金に余裕がある」と感じたことがありました。

なぜなら私の収入は、姉の給料の倍近くあったからです。

ところが後日、楽屋で先輩落語家がこのような話をしていました。

「自営業の人は同世代の三倍稼いで、やっと同じぐらいだと思わなアカン」

当時の私はなぜ?と思いました。

しかし先輩曰く、自営業者というのは、まず経費が自分もちということです。

落語家の場合、仕事に必要な着物は安いものでも何万円もしますし、落語会の打ち上げは先輩が後輩にご馳走するしきたりで、大人数であれば一回の打ち上げで十万円以上の出費がある場合もあります。

さらに、保険や税金なども、すべて自分で支払いをします。それらを計算していくと、同世代の会社員の手取り給与の三倍ほど稼げるようにならなければ、「同じ」と考えるのは危険だということでした。

また、自営業の人は毎日のようにお金の出入りがあるため、「稼いでいる感」が会社員の人よりも大きくなっている場合も少なくありません。「稼いでいる感」が大きくなると、出費の感覚もゆるみます。そこに若さが加われば、万能感が生まれる人もいるでしょう。

私はその当時、会社員の給与形態をよく分かっていなかったため、「姉もきっと自分と同じぐらい稼いでいるだろう」「同じぐらいの金銭感覚だろう」と思い込み、平気で姉を遊びに誘っていました。

それは、「知らない」が引き起こす感覚のズレだったのです。

姉妹でもそうですが、青春を共にした友人であれば、ついはじめて出会ったときの状況や背景がその人の情報の土台になりがちです。だからこそ、この二点の軸を社会人になった時点で一度アップデートすることが必要なのです。

そして、情報がアップデートされれば、金銭事情は働き方や暮らし方によって人それぞれだということが改めて分かるため、ここで「正直に話す勇気」を持つことができます。

人間は、自分の経験や環境を基本に物事を考えるため、環境の違う人にははっきりと言わなければ伝わらないことがたくさんあります。

仏教における「友情」とは「無条件」の友情

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でも、もし金銭事情を話して、友人に「付き合いづらい」「面倒だ」と思われたら…?

仏教における「友情」とは、慈悲の「慈」の意味があり、「無条件の友情」のことをいいます。

恋人でもそうですが、人間関係は「条件」で作り上げるものではありません。

もし、金銭感覚が合わないという「条件」で友人たちがあなたを遠ざけるのであれば、それは真の友情とは呼べないでしょう。そして反対に、あなたの話を受け入れ、一緒に楽しむことを現実的に考えられる友人であれば、一生大切にすべき友だと思います。

お金のことが気になって楽しめない関係は、すでに「付き合い」と化しています。

人生は大海原を航海するようなものですが、その舵はあなた自身がとらねばなりませんし、燃料は自分で調整しなければいけません。

大海を渡るには、「付き合い」で寄れる港は少ないでしょう。自分の目標地をなるべく安全に目指すならば、休息をとる場所もきっと近場で現実的に探しますよね。

一時的に無理をしてもそのツケを払うのは自分自身です。楽しむことも大切ですが、まずは生きるための優先順位を考えてみてくださいね。

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