【お悩み】
20代後半、転職して今の仕事についてもうすぐ1年が経とうとしています。職場の上司が、メンバーや会社に対してネガティブ発言によりチームを同調させようとしていてストレスを感じています。
上司は40代後半、女性。チームは20〜40代の男女5人です。
上司は仕事でなにか嫌なことが起きると、人が少ないときを見計らって「◯◯さん、△△の件についてどう思います?!ありえないと思いますよね!」などと、強めに話しかけてきます。話題はプロジェクトの進行について、メンバーの態度について、会社の制度・人事について、など。
他のメンバーの人たちも、同調して「そう思います。この会社、ありえないですよね」などと言っています。私には、ネガティブな気持ちでチームをまとめようとしているように感じてしまいます。
私は転職をして好きな職務内容にも就けたので、「今の会社で成果を出せるように頑張りたい」と思っている矢先なのに、上司から発せられるネガティブ発言によってモチベーションも下がるし、思い切り仕事に打ち込めないしで、ストレスが溜まっています。
上司ともうまくやっていきたいので強くは言えないですし、チームメンバーも同調しているので同じ会社で相談できる人もいません。
露のさんなら、どう対応しますか?教えてください。
こんにちは。露の団姫(つゆのまるこ)です。
上司がネガティブ発言でチームをまとめようとする…これはイヤな状況ですね。不快に感じて当然ですし、仮にそれでチームがまとまったとしても、そのような負の力でまとめられたチームはネガティブな働きしか期待できそうにありません。
しかし、せっかく転職できた好きな職種です。諦めず、今回も一緒に考えていきましょう。
苦しみの原因を変えられないときは、視点を変えてみる
私たちは人生の中でたくさんの困難、そして苦しみに出会います。一番良いのは苦しみの原因そのものを解決することですが、世の中には自分の努力やアクションではどうにもできないことも多々あることはご承知のとおりだと思います。
では、そのようなとき、一体どうしたら良いのか?
苦しみの原因を変えられないときは、視点を変えてみることです。
というのも、今のあなたの苦しみはネガティブ発言に対する嫌悪感と、そのストレスからくる仕事への影響だと思います。
「自分に対する被害」とは少し違う角度で、「そもそも、なぜ上司がネガティブ発言をするようになったのか」を考えてみましょう。そうすれば、少し気持ちが変わるはずです。
例えば以前、私の知人にお金にとても細かい女性がいました。
私はその女性とお金の話ややりとりをするたびに耐えがたい苦痛を感じていました。しかしあるとき、その女性が幼少の頃、家庭の事情で大変なお金の苦労をしていたことを知ったのです。
その背景を知ると、「この女性がお金に細かくなってしまったのも無理はない」と思えるようになり、私の不快な気持ちは驚くほど減りました。
では、あなたの上司はどうでしょうか?
ものごとに否定的な人は、自分自身が否定の環境下で育ってきた場合が少なくありません。また、否定という力で人をコントロールしようとするということは、自分自身もまた、否定に従ってきた、従わざるを得なかった過去をもっている可能性も高いでしょう。
それは、会社員になってからの経験かもしれませんし、学生時代、クラブ活動で起こっていたことかもしれません。
そのようなことを少し想像してみたり、また機会があればそれとなく生い立ちを聞いてみると、意外にも相手に対する心持ちは変わってくるものです。
否定的な力は彼女が「生産」したものなのか、彼女のなかで「再生産」されているものなのかを考えてみましょう。
その視点が、今後の彼女との付き合い方、仕事の仕方のヒントとなるうえに、あなた自身が将来上司という立場になったとき、否定を再生産しない強い心を育ててくれます。
部下として上司に自信をつけさせる方法
ところで仏教の教えは、「祈ったら上司の性格が良くなる」だとか「上司が転勤になる」という都合の良いものではありません。
今、自分が置かれた状況の中でいかにベストを尽くすか、と考えるヒントや、行動する勇気を与えてくれるものです。
では、あなたの場合、今できるベストな行動とは何でしょうか?
それは、どんなに小さなことでも構わないので、上司に褒められたり認めてもらえた経験を、口に出して感謝してみることです。
というのも、そもそも他者に対して否定的な人は自分に自信のない人であり、自分自身が否定に支配されているので、他者も否定で支配しようとします。
だからこそ、このようなタイプの上司に有効なのが「否定するより肯定するほうが部下に信頼してもらえる」と知ってもらうことなのです。
例えば、「私、以前○○さんにこう言っていただいたことがとても励みになっています」などと話してみしょう。
「否定」ではなく、自分の「肯定」が「部下を勇気づけている」という視点を上司に持たせるのです。
そのようなことを繰り返していけば、さすがに上司も「肯定したほうが部下ウケが良い」と分かります。やはり人間、嫌われるより好かれたい生き物ですから、上司の価値観のシフトチェンジのきっかけになるでしょう。
あなたの強みは「好きな仕事に転職できた」ことです。
「好き」という力は困難を乗り越える原動力になります。どうぞ、頑張ってくださいね。