ぷーこ / Laundry Box

生理中、家族やパートナーとの関係は良好ですか?

私の夫は、結婚するまで家族が生理痛に苦しんでいた様子を見たことがないとか。

一方、私は一度生理痛が始まったら床に転がっていることしかできないタイプ。

そんな私を見て「?」状態だった夫が、今では「そういう時期かー」と率先して動いてくれるようになりました。

生理を経験したことがない男性にも、生理のつらさをわかってほしい——。そのために、どう説明すれば伝わるのか。

ここに至るまでの、10年間。私たち夫婦の話し合いを振り返ってみました。

「生理痛で苦しむ」ということが理解できない夫

夫の母や妹は、生理が軽い体質だったそう。どちらも学校の職員でもちろんフルタイム勤務、とてもアクティブな人たちなので、休みのときでも、あまり寝込んでいるのを見たことがないとのことでした。だから夫は「女性は生理痛が酷くて苦しむ人もいる」という実感があまりなかったようです。

対して、私はとても生理痛が重いタイプ。

痛み止めは4時間おきに飲んでいたり、朝はしばらく動けなかったり。毎月必ずぐったりしていたので、結婚後、夫はかなり驚いたようです。

「重病ならともかく、毎月こんなに大騒ぎしているなんて。うちの妻は痛みに弱いタイプなのかもしれない」と思ったとか。

これは弱かったら耐えられないほどの痛みなのですが……。

彼は結婚して半年以上、 私の生理中まるで腫れ物に触るような扱いでした。気を使ってくれるときもあれば、「なんでそんなに酷いんだ」と怒るときも。

彼には、どう対応していいのかわからなかったのでしょう。

結婚したとき夫はすでに40代でした。彼の世代では、保健体育でも生理に関する話題はあまりされていなかったのでしょう。私も、生理痛に関しては、小学校で女子だけが集められて話を聞いたときくらいです。

まずは夫に「この期間は大変つらい。最低限のことしかできない。ごめんね」と伝え、納得してもらわなければなりませんでした。

男性には生理をどう説明したらわかりやすい?

写真=本人提供

夫にきちんと説明しようと決意しました。

彼は、いくら苦痛を訴えても大して共感はしてくれない。でも論理的に説明すれば話を聞いてくれる。そういうタイプです。

医学的な話に持っていけば、さらに彼にとっては理解しやすいらしい。そこで、こんなふうに説明してみました。

1. 生理痛の重さは体質なので「個人差がとても大きい」。妻と夫家の女性は同じではない。私より軽い人はたくさんいるけど、私より重い人だってたくさんいる。

2. 生理のときは、子宮の内膜が剥がれて落ちる。そのための出血や痛み。

3. 生理痛の痛みを例えると、内蔵に手を突っ込んでぎゅーっと強く握りつぶされるような痛み。これが間欠的に続く。ついでに頭も痛いし吐き気もする。基本的に食欲はあまりない。

4. 痛みは一瞬ではなく、3~4日間、断続的に続く。

5. 生理期間は個人差があり、私の場合は6~7日くらい。すぐに終わるわけではなく、自分で短くすることもできない。基本は受け身。

6. 生理期間だけでなく、その前1週間くらいもPMS(月経前症候群)で腹痛や頭痛、メンタルの不調がある。

7. 私はかなりはっきりした排卵痛があるため、生理と生理の中間の時期も痛みがある

8. 生理中は身体的につらいが、生理が始まる前はPMSで精神的にもつらく、鬱っぽい感じになる。

9. 生理前に暴飲暴食気味になる。

10. すべてはホルモンのせいで、自分では意識してもコントロールしにくい。悪気はないが、自分ではなかなか解決できない。

このように説明すると、共感はできないけどそういう症状があるなのだな、と理解はしてくれました。説明する際のポイントは次のような感じです。

・論理的に、冷静に

・できれば医学的な用語を混じえて

・たとえ話は有効

・個人の体質であって、本人のせいではないことを強調する

とくに最後の項目は重要でした。男性は「解決」を求めやすいと言われていますが、なかなか解決できないものであることを知ってもらわなくてはいけません。

ピルなど、改善に向けて取り組む姿勢を見せた

理屈では納得できても、まだ実感できないという感じで「どうしてそこまで痛いのか」と不思議な顔をしていました。ここまで話しても「家事は手を抜いても怒らない」程度の理解です。

そのうち2度の妊娠・出産を経て、その話はウヤムヤになりました。立ち会い出産もしたし、第2子はリスクのある出産だったので「出血量が多いし、いろいろ大変なんだ」というのはだいぶわかってくれたらしいです。

2回とも産後2カ月で生理が再開していたので、最初の頃はもう痛くて育児どころではない。そのため生理期間だけは里帰りしていました。これでは育児にも教育にも夫婦関係にも悪影響がある、という判断です。

出産後は、積極的に痛み止め以外の手段を模索し始めました。

まずはピルを試してみました。第3世代、第2世代と試すのですが、なかなか自分に合いません。婦人科に通うようになって、ついでに子宮内幕症と子宮筋腫も見つかりました。

病気のせいもあって出血量も多く痛みも強いのだ、ということで納得される。自分としては中学生くらいからすでに生理痛が重かったので、体質が大きいと思っています。

婦人科に行くたびに「医師とこういう話をした」「これからはこういう治療をする」「薬はこういうの」と詳しく説明していました。

生理の話というよりは健康状態の話ということで、夫も聞きたいようでした。

婦人科でいろいろ試しているところを見たり聞いたりして「現代医学で考える手段を最大限に使って改善を試みてもこんなもんか」と諦めたのか、子どもの世話などはとても積極的に取り組むようになってきました。

食洗機や洗濯乾燥機など、家事の負担を軽減する家電も導入してくれました。

婦人科ではディナゲスト(子宮内膜症の治療薬)なども試したのですが、最後に試した第1世代の低用量ピルが私に合っていたようで、30年近く悩み続けた生理痛が、ようやく軽くなってきました。

ピルはオーソ(現在は製造停止)を服用していたのですが、子宮内膜症でルナベルという名前のものに切り替え、その後10年以上服用することになります。

ピル生活はなかなか快適でした。生理痛が軽くなるだけでなく経血量も少なくなるし、なにより出血期間をコントロールできる自由さが素晴らしい。

これのおかげで社会生活ができていた、と言っても過言ではありません。もちろん、10年以上かけて共に学習してくれた夫のおかげでもあります。

夫婦で話し合いを重ね、少しずつ理解を得てきた

48歳になったところで、年齢的にピルをやめました。しばらく不正出血が続いたので、婦人科に相談して、今はIUS(ミレーナ)に移行しています。

ピルは30代から20年近く断続的に服用してきました。コストや手間もかかるのですが、その点については夫は何も言いませんでした。

彼は「多少の費用がかかってもQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が重要」というのが持論ですし、とにかく私が少しでもラクになったほうが家庭が平和だと考えたのでしょう。

まったく正論ですが。その結論に至ったのも、冷静に説明して、疑問には答えて、少しずつ理解を得てきたことが勝因だと思います。

パートナーや家族に、生理の症状を理解してもらえずに困っている人は多いのではないでしょうか。私たち夫婦の話し合いの過程が、少しでも参考になればうれしいです。

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