はじめまして。
私は主にTwitterやInstagramなどでコンドームについて情報を発信しているコンドームソムリエAiと申します。「コンドームソムリエ」と聞くと、 ギョッとされる人も多いかと思いますが、普段は学校に勤務している「養護教諭(保健室の先生)」です。児童生徒の性被害の急増という現状がありながら、学校の性教育は不十分。その葛藤の末、2008年11月にコンドームソムリエのアカウントを立ち上げました。
普段はコンドームの種類や選び方をSNSで投稿するほか、実物を触って嗅いで引っ張れる 「コンドーム試触会」というイベントを開催。自分に合ったお気に入りのコンドーム=「推しコン」を見つけ、コンドームの使用率を高めてもらえるような活動をしています。
興味本位でコンドームという言葉を検索した子どもたちにこのアカウントを見つけてもらい、教科書には載っていない正しい知識や必要な情報を届ける、というねらいも兼ねています。
コンドームはアダルトグッズではなく、管理医療機器
みなさんはコンドームについて学校で学んだことを覚えていますか?
実はコンドームが初めて登場するのは中学3年生の保健で、教科書では「性感染症予防具」として紹介されます。ここでは写真やイラストもなければ、避妊具としての説明はありません。高校に入るとコンドームの写真やイラストが登場し、「避妊具」として低用量ピルとともに紹介されますが、ここでも具体的な装着方法などについては触れられていません。
コンドームは必修事項であるはずなのに、具体的な装着方法や使用上、保管中の注意事項、またラテックスアレルギーに対する注意喚起などもなく、その指導は必ずしも十分とは言えません。コンドームについて十分に学ぶ機会がないがゆえに、コンドームの正しい使い方すら知らない大人も少なくありません。
またコンドームを猥雑なものとして誤解している人も多いですが、実はコンドームはアダルトグッズではありません。その証拠にコンドームを買う際「年齢制限」はありません。「18歳未満お断り」という表記をつけて販売規制がかけられているアダルトグッズとは異なり、コンドームはコンビニやドラッグストアでもほかの商品と同様に陳列され、誰でも買えるように販売されています。さらに付け加えると、コンドームは「管理医療機器」という分類であり、その承認を得るために厳しい商品チェックを経て製造、販売されています。同じ管理医療機器 として「体温計」などがあります。
コロナ禍が続く中で、私たちの生活にマスクは欠かせないものとなりました。飛沫感染を防ぐマスクが必需品なら、コンドームだって性的接触を防ぐための必需品です。つまりコンドームを買う際に、後ろめたい気持ちになったり、恥ずかしい気持ちになる必要はないのです。
コンドームを使わないのであれば、別の手段で避妊と性感染症対策を
コンドームはセックスをする人たちにとって必需品です。予期せぬ妊娠を防いでくれる避妊具となるだけでなく、性感染症を予防してくれる予防具でもあります。もし、何らかの理由でコンドームを使わないという選択肢を取るのであれば、コンドーム以外の方法で妊娠と性感染症の両方を予防する必要があります。
例えば、低用量ピルやIUS(ミレーナ)などは女性が主体的に使用できますし、コンドームよりもはるかに高い確率で妊娠を防ぐことができます。性感染症対策としては内服薬や注射で予防できるものも一部ありますが、一般的にはパートナーと自分が定期的に性感染症検査を受けて、陰性であることを確認することが望ましいです。
ただし検査できる項目は限られますし、項目が増えるごとに検査費用もかさみます。またこれはお互いがほかの人との性的接触を持たないという条件のもとに成り立ちますので、信用できる相手であるということが大前提となります。
これらの対策が十分にできていると言えるのであれば、コンドームは必ずしも必需品ではありません。コンドームを使うか使わないかが重要なのではなく、 コンドームを使わないのであれば、別の手段で避妊と性感染症を十分に対策できているかどうか、が重要なのです。
コンドームは使わない、それなのにコンドーム以外の予防策も取らないでセックスをするというのは、リスクでしかありませんし、 そもそも危険に身を晒すような状態で行うべきではありません。それならむしろコンドームを使うという選択の方が容易いはずです。
コンドームは自分を守るため、またパートナーを守るために使う必需品であり、 アダルトグッズではなく、管理医療機器。性感染症はセックスをする人たちに とっての生活習慣病のようなものであり、誰もがかかる可能性はあります。たとえ自分のパートナーが1人であっても、感染するリスクはゼロではありません。 安全にセックスをするための必需品として、コンドームを自分で用意しておきましょう。
2/1(月)オンラインコンドーム試触会 開催
■詳細
・イベント名:グラマラスバタフライコンプリートボックス③
・日時:2020/2/1(月)20:00〜21:00
・コンドームを“触って・嗅いで・引っ張って“、正しい使い方や性感染症予防の重要性について学ぶイベントをオンライン開催します。