どうしていますか?産婦人科選び。——妊娠中に産院を渡り歩いた話

「どんなお産がしたいか」考えたこともなかった私は、3軒目の病院でやっと産む決意をしました。

2019年12月13日神田つばき
2019年12月13日
神田つばき

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  • 産婦人科に行こうかな、行ったほうがいいな、と思ったとき皆さんはどうやって病院を決めていますか?病院に足を運ぶのはおっくうだし、産婦人科はとりわけ敷居が高い!と私はいつも敬遠していました。

    「検査費用は安くないし、あの内診台に上がらないといけないし、あまり人に言いたくないことを聞かれる可能性があるし…いや、まず聞かれるだろう…」と、考えると気分も沈んできます。

    「面倒だし、通える距離ならどこでもいい」と適当に決めたという声もよく聞きます。


    産婦人科は病院ごとに得意分野がちがう

    自分に合った産婦人科のお医者さんをどうやって選んだらいいのでしょうか?これがなかなかむずかしいのです。60年間生きている私は妊娠、中絶、IUD、子宮頸癌による全摘手術、エイズノイローゼ、更年期障害…と、何度も産婦人科のお世話になっています。

    産婦人科選びの成功も失敗もありましたから、これから通う皆さんにはなるべく失敗しないでほしいなと思います。

    ひとつ言えるのは、「近所で通いやすいから」で病院を決めちゃダメだということです。なぜなら、産婦人科とひとまとめに呼ぶのは乱暴だと思うぐらい、産婦人科で扱う内容はいくつもの種類があるからです。

    私は「性病かも!性病になったかも!」というノイローゼにかかったことがあり、仕事の途中で見つけた産婦人科に吸い寄せられるように入ってしまったところ、待合室のソファは右も左も幸せそうな妊婦さんでいっぱい…という居心地の悪い思いをしたことがありました。

    ○月経困難症
    ○子宮内膜症
    ○妊娠・出産
    ○不妊治療
    ○更年期治療
    ○悪性腫瘍
    ○性病
    ○人工妊娠中絶
    ○避妊

    産婦人科で扱う内容はさまざまで、どこの病院もどの先生も、「どれも診られるけれど、専門分野はこれなんだよね~」というのがあるようなので、情報収集してから行ったほうがよりスムーズで正確な診断結果が得られます。ホームページやブログ、かかっている患者さんの様子などを見ておくと良いと思います。


    妊婦検診中に指摘されて困惑した恥ずかしいこと

    私は27歳と31歳の2回、出産をしています。最初のお産のときに2回病院を変え、3軒目の病院で産みました。当時はネットもなく(まだ自動車電話と電子手帳の時代)、実際に行ってみて動物的直感で決めたとしかいいようがありません。でも、あとから「動物的直感はまちがっていなかった」と思いました。

    最初に行った病院は良心的でしたが、建物も設備も古く、「何かあったときに困るかも…?」と思って、ほかの病院を探しました。それというのも、私の母親の家系は大きな赤ちゃんを産む傾向があり、私もそうなりそうだなと覚悟していたためです。それなら帝王切開などに備えて大きな病院に行くべきところですが、分娩日をコントロールするようなオートマチックな感じが自分に合わない気がして、別の個人病院に変えました。
    地元の評判は良い病院だったはずですが、ここで私は「合わない病院ってあるんだな~」と実感したのです。
    実は私は、怖くて自分の性器に触れない人でした。オナニーさえパンツの上からするほどで、大陰唇を開いて外性器を洗うということもできなかったのです。
    2軒目の病院で男性の医師に「洗えていない」と指摘され、それをほかの妊婦さんたちにも聞かれてしまいました。私は気が動転し、恥をしのんで「どうやって洗うのですか?」と内診台に乗ったままたずねました。

    そこで医師から返ってきたのは「ガーゼで!」という、怒ったような声でした。私が知りたかったのは、膣の中を洗うのか外性器を洗うのかということでしたが、まったく意志の疎通ができていませんでした。
    「大陰唇と小陰唇の境目のくぼみやクリトリスまわりに分泌物がたまっているから、爪を立てずに指の腹で取りなさい」と教えてくれたらよかったのに、と今になって思います。気持ちが通じない病院でのお産はむずかしいな、と感じて、また病院を探しました。

    動物的直感!?で決めた“私はここでお産する”

    3軒目の病院はゴルフ好きの院長と、助産師の婦長さんと、大学病院から出向している年輩の先生がいました。年輩の先生は内診をするときに、「ごめんなさいね。これが仕事なものだから、失礼しますね」と言うのです。冗談めかした、でも下品ではなく優しい口調で、「洗えていない!」の先生とは大違いだと内診台の上で安堵しました。やっぱり病院変えてよかった、と思いましたが、それが大正解だったと分かったのは分娩の日になってからでした。

    覚悟はしていたのですが、予定日を2週間すぎても陣痛が起きません。胎児はかなり大きくなっていたので、入院して陣痛誘発剤の点滴と子宮内バルーンを入れて“お産を起こす”ことになりました。2週間の過熟産でも、さすが助産師の婦長さんです。「なるべく自然なお産にしましょう」と落ち着きはらっているので、私も帝王切開はまったく考えていませんでした。

    お昼に点滴をはじめて18時すぎには生まれていました。しかし、産んでみて驚いたのは子どもの大きさです。会陰を少し切っただけの経膣分娩で、4400gの大きな赤ちゃんと1000gの胎盤が出てきました。どう考えても帝王切開する大きさですが、婦長さんが「私の経験上、これならいける」と動じていなかったので、私も一刻も早く出してあげなきゃ!と思っているうちに初産は終わっていた…という感じです。

    今になって当日の日記を読み返すと、陣痛はかなり大変で酸素マスクを使い、誕生直前は「人の姿もはっきり見えなくなって緑と赤の輪郭になっていた」と書いてあり、はっきり言うと修羅場だったようです。
    でも、そんな死に物狂いのお産だったことはすっかり忘れていて、分娩の瞬間に赤ちゃんが飛び出していく爽快な感覚があったことしか覚えていません。自分が納得して決めた病院だったから、“いいお産をさせてくれた”という印象だけが心に残っているような気がします。そうでなかったら、お産の思い出=恐怖の思い出となったかもしれません。

    居心地の良い出産をイメージできるか

    この体験を書いたのは「だから助産師さんのほうがいいですよ」と、皆さんにすすめるためではありません。私と同じ体験をしたら、「どうして帝王切開してくれないのか」「4400gを経膣分娩するなんてイヤ!」と不安になる人は多いと思います。「陣痛さえはじまれば、後は勝手に産まれてくるだろう」と、陣痛が始まらないことしか心配していなかった大ざっぱな性格の私と、「これならいける」と判断してくれた婦長さんの性格がたまたま合っただけです。そんなマッチングを求めて私は産院を2回も変えたのだと後から気づいたのです。

    最初の病院で母子手帳をもらったときの私はノーアイデアでした。「何かちがう…」と病院を変え、3軒目の病院に妊婦検診で通ううちに、自分はどんな出産がしたいかのイメージが少しずつできていったような気がします。口コミや広告に出ていることがすべてではないし、人によって良い病院の基準は違います。これから出産を経験する人が、妊婦検診のたびに“居心地がいい”と感じられる病院に出会えますように、心からお祈りしています。

    それから4年後に同じ病院で第2子を出産しました。第1子にくらべると「ずいぶん小さい…?」と思いましたが3900gありました。次に私が産婦人科のお世話になったのは6年後。このとき私は子宮とお別れすることになります。出産のときのように“病院を選ぶ”という余裕はなく、時間との戦いでした。

    次回に続きます。
     

    神田つばき
    離婚と子宮ガンをきっかけに、女性に生まれたことの愉しみを求めて緊縛写真のモデルとなりライター・コラムニストに。著書に『ゲスママ』(コアマガジン)。女性から見た性とエロスをテーマに、『東京女子エロ画祭』『大人の性教育勉強会』『脱自己肯定弁論大会』『親になること、毒であること』などのイベント主宰にたずさわる。
    近年は女性の健康とWLB推進員(NPO法人女性の健康とメノポーズ協会)、中級シニアライフカウンセラー(一般社団法人シニアライフサポート協会)、デリケートゾーンアンバサダー(株式会社たかくら新産業)として性の健康のために活動している。

    Twitter:@tsubakist
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