ネットと通信制高校の制度を活用した「学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校」(以下、N高)は、ランドリーボックスとのコラボ企画で、「生理と向き合うワークショップ-ひとりで抱え込まない-」を実施した。

ゲストに迎えたのは、産婦人科医の竹元葉先生。

竹元先生は、行きづらいと思われがちな婦人科を身近に感じてもらい、「気軽に相談できる場所を作る」という思いで、2019年12月に『sowaka women’s health clinic』を開院した。

竹元先生への質問タイムでは、参加した女子生徒たちから次々と手があがり、14の質問があった。Q&Aでご紹介する。

生徒から、14の素朴な質問

Q.生理痛がひどいです。痛み止めを飲むタイミングは?

A.痛くなってから飲んでもあまり効かないんですよ。毎回生理痛が大変だという人は、そろそろだなというタイミングで、早めに飲むことをおすすめします。

Q.薬を飲みすぎると効かなくなるという噂を聞いたことがあります。本当ですか?

A.海外で処方されている薬は違うかもしれませんが、日本で一般的に販売・処方されている痛み止めで「効かなくなる」あるいは「癖になる」ということはありません。安心して飲んでください。

Q.生理痛のときに服用している薬の種類を変えたら、前より効いた気がしました。薬によって成分は違うんですか?

A.ドラッグストアで販売されている痛み止めはほぼすべて、似たような成分です。ただ、添加物や配合されている成分量が異なる場合もありますし、もしかすると飲むタイミングの差もあったのかもしれません。いずれにしても、自分に合う薬を探すのは大切なことです。

Q.病院で処方される痛み止めと、ドラッグストアで販売されている痛み止めの成分は異なりますか?

A.ほぼ同じです。医師が(病院で)最初に出すのはロキソニンが多いのですが、ドラッグストアで売られているロキソニンと同じです。

Q.未成年が婦人科に行ってもいいの?

A.まったく問題ありません!付き添いがいなくても大丈夫。保険証を持ってきてくださいね。

Q.生理不順で病院に行ったのですが、「若いから普通」と言われて診てもらえず、ほかの病院でも同じような対応をされてしまいました。これでよいのでしょうか?

A.確かに、規則的な生理周期になるまで数年かかる場合もあるので、そのような対応が多いのは事実だと思います。また、セックスの経験がない方だと診察時に痛かったり難しかったりすることもあり、そこまでして診察はしないという判断をしたのかもしれません。

ただ、診察をしなくてもできる対処法はあります。少なくとも、「生理がいつ来るかわからなくて困っている」とストレスに感じているのですから。低用量ピルを飲んで周期を整えるのは選択肢のひとつです。かつて低用量ピルは「成長が止まってからしか使えない」と言われていましたが、今は中学生でも使えるものもあるんです。ぜひ相談しに来てください。

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Q.婦人科を受診するタイミングは、生理前・生理後などいつがいいのでしょうか。

A.いつでも大丈夫です。「この症状がつらい」と思ったら来てください。本人が気にならなければ、生理中でも構いません。

Q.生理周期が安定していた人の場合、どれくらいの期間、次の生理が来なければ産婦人科を受診したほうがいいですか。

A.3カ月くらい来なければ一度受診したほうがいいかもしれません。

Q.生理が3カ月くらい続いていて不安なのですが、病院には恥ずかしくて行けません……。

A.3ヵ月続くならば、病院に行ったほうがいいです。カラダに相当な負担がかかっていて、貧血にもなっているはず。恥ずかしい気持ちをできるだけ軽減できるよう、患者さんのペースで診察できるように努めています。すごく勇気がいると思うのですが、自分を知るという意味でも、私のクリニックへ来てもらえたらと思います。

Q.最近になって急に生理痛の症状があらわれるようになりました。病気のサイン?

A.ストレスやカラダの冷えによって、プロスタグランジンの量は変化します。生理痛の有無を行き来すること自体はめずらしいことではありません。ただ、その生理痛が日常生活に支障をきたすほどのものであれば、一度病院へ行ってみましょう。

Q.病院に行くときにどういう情報を用意すればいいの?

A.クリニックによって問診表の内容は違います。細かいところはすごく細かく、前の前の前の生理がいつ始まったかとか聞かれることも(笑)。院長の性格によるのかもしれませんね(笑)。子どもを産んだことがあるかどうか、直近の生理が始まった日はいつか、困っていることはあるか、あとは持病があるかは、情報としてあるといいですね。

Q.病院選びのコツはありますか? 無愛想な先生に診察されたことがあって、行きづらくなってしまいました。

A.つい最近ですが、私の患者さんでも「前に行った病院ですごく怒られて、婦人科がトラウマになった」という方がいました。生理のつらさを理解できず、自分の考えを押し付けるような医師なら、そういうこともあるかもしれません。コツというと難しいのですが……まずは気軽に行ってみて、合うところを探しましょう。

Q.以前、低用量ピルをもらうために産婦人科に行くとすごく嫌な顔をされました。産婦人科=子どもを産むための場所だからかなぁと思ったのですが、そのような棲み分けがあるの?

A.私のクリニックは産婦人科と標榜しているのですが、それは「産科」「婦人科」という意味なんですよ。嫌な顔をするのであれば(妊婦しか診ない)産科と書いておけばいいのになぁというのが個人的な意見です(笑)。だから、産婦人科に行っても大丈夫ですよ。

Q.内診台の診察のときすごく気まずいです。先生はどんなことを考えているんですか?

A. なにか病気がないかなぁと、真面目にやっているだけで、それ以外はなにも考えていないです(笑)。そういえば、(医師と患者の間の)カーテンがあるのは日本くらいだと聞きました。自分がなにをされているのか確認したいという方は、「カーテンを開けてください」と言っていただいて大丈夫です。「こういう症状でこうなっていますよ」というような会話をしながら進めることもできますよ。

生徒たちの質問から、産婦人科に対するもやもやや、不安感が浮き彫りになった。「どうぞ気軽に受診してください」と繰り返し伝える竹元先生の言葉に、安堵した生徒たちの笑顔が印象的だった。

参加者から集めたアンケートでは「先生の話がわかりやすく、質問もできてよかった」や「不安が解消された」といったポジティブな感想が寄せられた。正しい知識を得ることの大切さをあらためて感じるワークショップとなった。

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最後に、参加者全員に「elis コンパクトガード」「sisiFILLE サニタリーパッド」「ソフィ 超熟睡ショーツ」「natracare オーガニックパッド」「サニタリーショーツ サラッフィープラス」「ソフィ シンクロフィット」などのサンプルの詰め合わせが贈られた。これらは生理用品のメーカー各社が提供してくれたものだ。

新たな生理用品を試すことでまた、自分のカラダを知るきっかけにもなるはず。ランドリーボックスでは、これからも、生理の選択肢を広げる活動を続けていきたい。

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竹元先生はじめ、ご参加くださったN高のみなさん、どうもありがとうございました!

ランドリーボックスでは今後も、学生向け、大人向け「生理やカラダのワークショップ」に取り組んでまいります。教育機関、企業の人事担当の方などご関心ございましたら、お問い合わせください。

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