世界でも間違いなくトップレベルの技術を誇る日本のトイレ。各家庭や公共施設でも温水洗浄機の普及がかなり進んできた。

そんな中、デリケートゾーンをケアするためにトイレの「ビデ洗浄」機能を使っている女性はどれくらいいるだろう。

ノズルの衛生面は大丈夫なのだろうか…そんな不安を抱いて利用できずにいる人もいるかもしれない。

そんな不安に寄り添うのがINAX の「シャワートイレ」だ。INAXのシャワートイレは洗浄ノズルが「おしり専用」と「ビデ専用」の2本に分かれている。なんと35年以上前からINAX製のシャワートイレに「ビデ専用ノズル」が搭載されており、今では全機種に搭載されているという。

これにより「おしりを洗ったノズルで、デリケートゾーンを洗うのは気になる」という不安を解消する。

ビデ機能は、摩擦を抑えてデリケートゾーンを洗浄できる

デリケートゾーンは、生理やおりもの、汗、尿もれなどで汚れが残りやすい部位だ。またデリケートゾーンのお悩みの第1位に「におい」があげられる(調査結果)。においの要因のほとんどは、膣の外側を「きちんと洗えていないこと」と言われている。

参考:デリケートゾーンの臭い、原因と対策は?専門医に聞いてみた

「デリケートゾーンは適切に汚れを落として保湿するという正しいケアが大事」と話すのは株式会社LIXIL トイレ空間事業部の手原実香さん。

株式会社LIXIL トイレ空間事業部の手原実香さん

「手にベタっとした汚れがついたときにティッシュで拭き取るのと、お湯で洗ってからポンポンと水分を拭き取るのでは、どちらの方がキレイに汚れが落とせるでしょうか」

「ご想像いただいた通り、ゴシゴシとペーパーでこすると汚れも伸びますし、摩擦もかかります。その一方、お湯で洗い流していただければ、摩擦を抑えながら汚れをキレイに洗い流せます。デリケートゾーンは複雑な構造で汚れが残りやすいだけでなく、皮膚が薄くて刺激に弱いため、ビデ洗浄であれば摩擦をかけずにケアすることができます」

<ビデ洗浄のメリット>

・お湯で洗うから汚れが落ちやすい

・ゴシゴシ拭かないから摩擦が少なく肌に優しい

ビデ洗浄の使用率は約半数

手原さんによるとビデの使用率は約半数(株式会社LIXILによる調査)。「使わない」という人に理由を聞くと「ノズルの衛生面が気になる」という声が多数だという。

「他社メーカーではおしり洗浄とビデ洗浄を1本のノズルで兼用が一般的なのですが、INAXのシャワートイレはおしり洗浄と同じノズルでデリケートゾーンを洗いたくないというお声にお応えしています」

実際に見てみると、おしり洗浄時にはビデ専用ノズルが、シャワートイレ内部に隠れている。そのため、おしりを洗ったときの跳ね返り汚れがビデ専用ノズルに付着することはない(*)。ノズル自体も銀イオン水で洗浄・除菌できる機能を搭載しているトイレもある。

(*ノズルの操作方法を誤った場合には、ビデノズルが汚れる場合があります)

さらにノズルの先端が取り外しでき、簡単に水道水で洗ったり、新品を購入して付け替えられる。

「賃貸のトイレでも、前に住んでいる人が使っているものだと気になるという方もいらっしゃるので、簡単に付け替えができるようになっています」

ノズルの先端を付け替えられる

また膀胱炎の原因のひとつに、デリケートゾーンに便が付着してしまうことがあげられる。

「専用ノズルなら安心感があると、産婦人科医の先生からも評価をいただきました」

空気を含んだお湯で、柔らかな洗い心地

衛生面の他にも、専用ノズルだからこそできる洗浄設計になっているという。

「おしりはある程度の水圧がほしいけど、ビデは優しく洗いたい」といった声もあり、INAXのシャワートイレは部位によって好まれる洗い心地にそれぞれ設定しているそうだ。

「デリケートゾーンは強く洗わない方がいいので、空気を含んだお湯を出すことで柔らかな洗い心地を実現しています」

また生理中の経血を洗い流すことも考慮されているという。

「生理中は広範囲に経血が汚れるので、ビデ洗浄、ワイドビデ洗浄、スーパーワイドビデ洗浄の3つのモードが選択できるようになっています」

「これは社員のある声から生まれた機能なんですが、社員自身が生理中に腰を前後に動かして洗っているという話から『人が動くんじゃなくて、ノズル自体が動けばいい』ということで改良したものになります」

これまで洗い心地などの細かな機能が進化してきたシャワートイレのビデ機能だが、専用ノズルは35年以上も前から搭載されていた事実に驚く。

「シャワートイレの発売後に、おしりとビデでは洗う場所も違うし、求める洗い心地も違うという女性のご意見をいただいて、それぞれ最適な洗い心地になるように専用ノズルを設けた方がいいと考え、1988年からは2本になりました」

「35年以上前からあるので社員にとっては当たり前の機能であるため『今さら伝えて響くのだろうか』と考えていましたが、昨年Femtech Japanで表彰しているFemtech Japan Award 2023のシルバー賞を受賞したことをきっかけにビデ専用ノズルの取材も増えました。フェムケア市場の盛り上がりとともに注目されてきたように感じます」(手原さん)

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