「すそわきが」って聞いたことありますか?
デリケートゾーンの臭いのひとつで、医学的には「外陰部臭症」と言われているそうです。一体どんな臭い?原因と対策はあるのでしょうか? 婦人科医・喜田直江(きだ・なおえ)先生に聞いてみました。
—— デリケートゾーンの臭いの悩みの1つに「すそわきが」というものがあると聞きました。これはどういうことでしょうか。膣の臭いがするのでしょうか。
脇の下で、汗臭さとは異なる独特な臭いに「わきが」がありますね。その原因はアポクリン腺という汗腺なんですが、実は陰部にもありまして、それが「すそわきが」と呼ばれているものです。
脇だけの方もいらっしゃいますが、「すそわきが」がある方は「わきが」もあるという方が多いですね。あまり知られていませんが、乳輪にも同じくアポクリン腺があるので、乳輪もわきががあるんですよ。
—— 乳輪にもあるなんて知らなかったです! どのようにケアをすればいいのでしょうか。
汗の出所には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類あって、エクリン腺から出る汗はサラサラなんです。わきがの臭いの元になるのはアポクリン腺から出る物質なので、脇の場合はアポクリン腺を外科的に取るか、汗の量を減らすという2つの方法があります。
アポクリン腺から出た臭いのもとが、エクリン腺の汗によって広がってしまう。つまり汗を抑えることで臭いも減らせるということ。そのためにボトックス注射を行っています。
—— ボトックス注射というとシワやたるみを防ぐ「美容」のイメージがありましたが、汗も抑えられるんですね。
種類としては同じなのですが、エクリン腺の働きを抑えられます。ボトックス注射すると汗がピタっとなくなるんです。多汗症、脇汗に悩んでいる人でも、夏はグレーのシャツを着ても脇汗などで困ることがなくなりますよ。
デリケートゾーンのボトックスをされる方も夏の時期は多いです。
—— ということは「すそわきが」の場合は、専用ソープで洗うといったことでは解消できないんですね。
専用のソープで洗ったり、脱毛をして清潔にすることで臭いは軽減できます。それでもまだにおいが気になる場合はボトックス注射がおすすめです。
1回の注射で約4カ月から半年弱くらいもちます。注射したところの汗を抑えるだけなので、顔には汗をかきますが、悩んでいる人にとっては快適に過ごせると思います。
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喜田直江(きだ・なおえ)
平成13年 京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年 形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年 大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京銀座でなおえビューティークリニックを開院。