【お悩み】
就寝・起床時間を意識していても、夜中に目が覚めてしまってぐっすり眠れた気がしません。そして不安なことをぐるぐると考えてしまいます。おすすめの養生法を教えてください。
おうち時間、目の酷使で血が不足しがちに
最近、このような眠りが浅くなったというご相談や、不眠に関するご相談がとても多いです。
コロナ禍によるテレワークやオンライン授業、おうち時間が増えたことによる、スマホやPCに目を酷使する機会が増えたことで、睡眠の悩みが増えているような気がします。
中医学では「目」も五臓六腑(ごぞうろっぷ)と密接に関係していると考えます。
特に目と関わりが深いのは、「血(けつ)」の貯蔵庫である五臓の「肝(かん)」。
中医学には「肝は目に開く」という言葉があり、これは肝と目に密接な関係があることを示し、肝に蓄えられている血は目の大切な栄養源となると考えられています。
反対に、目を酷使することで体内の血はどんどん消耗されていきます。
脳も大量に血を使うので、血が足りなくなることで、より命に関わる不安なこと、心配なこと、ネガティブなことを考えたり、くよくよしたり、悩みやすくなったりしてしまいます。
その結果、どんどん脳を使ってさらに血を消耗する悪循環に陥ってしまうのです。
睡眠のカギは、「血」にあった
血は睡眠に大きな影響を与えます。
血(けつ)は陰陽の分類では「陰」に属し、「静」の性質を持ち、精神活動を支える役割を担っています。
そのため中医学では「良質な血の蓄えがしっかりとあることで、深くて質の良い睡眠がとれる」と考えています。
血の不足の「血虚」になると、精神が休まらず、脳に十分な栄養が届きにくくなり、寝つきが悪い、眠りが浅い、よく目が覚める、よく夢を見るなどの睡眠トラブルが起こりやすくなると考えられています。
そのため、血が不足する人の不眠症は慢性化しやすく、眠りが浅いことも特徴的。
不安感や動悸、めまい、健忘、髪の毛や爪のトラブルなどの症状も同時に見られることが多いです。
また、生理中や出産後は血を消耗するので誰しもが眠りが浅くなり、症状がひどくなりやすいのです。
その対策としては血を補って、血を過度に消耗しないようにすること。血を補う補血食材を積極的に摂りましょう。
- ぶどう
- レーズン
- ブルーベリー
- くこの実
- なつめ
- レバー
- にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜など
おすすめ養生法
- PCやスマホ、テレビなどで目を酷使しない
- 胃腸にやさしい温かくて、あっさりした味の物をよく噛んで食べる
- 考えても仕方ないことは考え過ぎない
- 激しい運動や岩盤浴などで汗をかきすぎない
- 予定は詰めすぎず、余裕をもって生活する
- 散歩や軽いストレッチなどで、適度に身体を動かしてストレスを発散する
「最近眠れないな」「寝た気がしないな」「不安なことを考えちゃうな」…という人は以上の食事や生活習慣を意識して、日々の生活に取り入れていきましょう!
また不眠の人だけでなく、女性であれば生理中や出産後も血の消耗は問題になります。産後や授乳中、生理中は血をどんどん補って、体を大切にしましょう。
そして秋の夜長にぐっすり、気持ちよく眠れますように。
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